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赤の魔狩り  作者: 水亥
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第一話 魔狩り

 世界は魔に支配されかけていた。

空は色を失い、地は枯れ始め、海は汚染された。

魔族が人類の住む大陸を1つ落としてから、世界中で魔族との戦争がより過激になっていく。

そこで世界各国の首脳陣が手を取り合い1つの軍事機関を立ち上げた。

世界最高防衛機関【World Deffence Institution】、通称WDIと呼ばれるその機関は、世界中から集められた魔導士と剣闘士の素質を持つ者を育成する。

そして魔族と互角に戦える軍を起こしたのだ。

世界が戦争に包まれてから2000年、今も世界中で魔族との死闘が繰り広げられている。


 とある東の国にドレイク・ハートナイトは産まれた。

そして5歳になった所からこの物語は始まる……。

「父さん、僕ね! 夢があるんだ!」

「夢……? 言ってごらん?」

「WDI最強の魔導士になる!」

「それは凄い! でも魔法を教えれるお金なんて家には……。」

「剣闘士でもいいよ! 僕! 強くなって世界を救いたいんだ!」

「じゃあ剣を習うか! 道場の先生に話してみるとするよ! 父さんも教えられるしな!」


 ドレイクの家は貴族の中でも最下位の男爵家。

父レゼルは剣闘士としてWDIに勤めていた。

魔族との大規模な戦いの最中に片足を失い、一線から身を引き地方で貴族として領土を守る事となった。

若い頃のレゼルは剣闘士として有名だった、だからこそレゼルが一線から身を引いた時は大騒ぎになったものだ。

レゼルの片足を奪ったのは竜種だ。

魔族の中で最高位に属する竜種は3体いる。

火竜、水竜、骨竜だ。

そのうちの火竜とレゼルが対峙した時に火竜がレゼルの片足を奪い、レゼルが火竜の片翼を奪った。

火竜の片翼を奪い、空を飛べなくした功績で貴族へと成り、英雄として呼ばれるようになった。


(レイが剣闘士か……俺の息子だ、きっといい所まで行くだろう。夢半ばで死なないように強く育てないといけない。それが親としての俺の役目だ。)

レゼルはさっそくドレイクに剣を買い与え、鍛えることにした。

ドレイクは幼いながらに剣の魅力にどっぷりと浸かりみるみる強くなっていく。

自分で強くなっている実感を得るのが溜まらなく嬉しいみたいだ。

「今日は何の技を教えてくれるの??」

レゼルが毎日質問攻めにされる程に、ドレイクは貪欲に剣技を習得していく。

レゼルが仕事に追われている時でもドレイクは1人で剣を振っていた。

雨が降っている日、雪が降る寒い日でも、夜になり辺りが見えなくなっても剣を振り続けた。


 10歳になりドレイクは1人で出歩く許可をレゼルから貰う。

「もう剣の腕は俺以上だ。戦いになっても命を落とすことはほぼないだろう。これは俺が当時使っていた愛剣だ。受け取ってくれ。」

レゼルはレイに自分が使っていた業物の刀を渡した。

「父さん、僕行ってくるよ。自分で世界を見て、歩いて、何が起きているか知りたいんだ。」

「辛くなったら帰ってこい、じゃあな! 行ってこい!」

「うん! もっと強くなって帰ってくるよ!! 行ってきます!!」

馬車に乗り込みドレイクは世界一の武装国家エステンティア王国へと向かう。

これから先、いくつもの苦難が降りかかり、命を落とすような場面が来ても乗り越えてみせると自らを奮い立たせる。

(行ってこい、レイ。世界を見て学んで来い。)

レゼルは涙をこらえてドレイクの旅立ちを見送った。


 馬車に揺られること数日、ドレイクは王都エストアに到着した。

「まずは仲間と仕事を探さないと……。」

仲間は必ず必要になる、父にもそう教えられた。

一人で出来る事には限界があると。

国境の都市ハイデルに行くには一旦王都エストアを通る必要がある、まずはそこで稼いでからハイデルに向かう。

稼ぐには魔狩り、魔族を倒すか、魔族の使役している魔獣を倒して稼ぐしかない。

(不安だが父さんが教えてくれた剣技が通用しないわけない、大丈夫だ、父さんを信じよう。)

一旦、宿に荷物を置いてからWDIの支部に足を運ぼう。指名手配所を見て僕でも倒せそうな敵と戦う、戦う事しか学んでこなかった僕にはそれしか出来ない。

WDIの支部の前まで来る。

ここから僕の旅が、戦いが始まるんだ。

王都エストアの空気を目一杯吸ってから吐く、身体中に酸素が行きわたるのが分かる、大丈夫、僕ならやれる、顔を両手で叩き気合を入れる。

よしっ! まずは! 魔獣狩りだ!

「お願いしまーす!!」

大きな声で挨拶をしながら扉を開けた。

周りから冷たい視線が突き刺さる。ここは子供の来る遊び場じゃないと暗に告げられている。

一瞬気押されそうになったが踏みとどまり受付に進む。

「低ランクの魔獣を狩りたいのですが近くにいますか?」

受付にいる若い青年はこの子供を帰そうかどうしようか迷ったものの、自らの職務を優先し普通に受け答えた。

「まずはこのWDI加盟届けに記入して正式にWDIの一員にならないと魔狩りは行えないよ。」

「ありがとうございます!」

記入事項に目を通していくと神獣契約という欄があった。

「この神獣契約って何ですか?」

「WDIにいる戦闘員は全員が神獣とよばれる神の使いと契約している。君も10歳ならこの後で教会に行き契約してみると良い、今は空欄で構わないよ」

「えーと、書き終わりました」

「なら仮認定証を発行するから終わったらそれを持って教会に行くと良い、神父に見せれば神獣契約の儀が始まる」

「終わったら戻ってくればいいですか?」

「そうだね、でも今からだと時間も遅いから、明日の午前中にでも来ると良いよ」

「では、そうします。ありがとうございました。」

こうしてドレイクは受付の青年から説明を受け、仮認定証を受け取り、WDI支部を後にした。

(神獣契約? 父さんからは聞いたことなかったけど……とりあえず今から教会に行ってみよう)

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