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第三話 少し後の話

第三話 少し後の話


 気がついたら転生していたあの日から、しばらく時が経ち、私はいよいよ小学校へ通うことになった。


「ランドセル似合ってる〜!さすがうちの子!」

「はは……ありがとうございます。」


 通うことになったのは、ここから少し離れた小学校。保育園……には、通っていない。そのため、家族以外の人と触れ合うのは、これが実質初めて、ってことで。

 そもそも、なぜ保育園や幼稚園に通わなかったかと言うと、私にも魔法が使えるかららしい。

 そりゃあ、最初にそれを聞いた時には眼を輝かせましたとも。けれど、実際はほとんど座学のような知識をひたすら親に教えてもらうばかり。知識も大事だけどさ、やっぱり魔法使ってみたい……!が、だからといって親の教えを守らない、不良になるつもりもなく、そのまま6歳を迎えたのだ。


「いいか?もう一度言うけどな、――」

「絶対に魔法のことは口外しない、ですよね。」

「あ〜ら、そんな言葉どこで覚えたのかしら〜!やっぱり天才……!」

 (ものすごい量の本を読ませたのは貴方でしょ……)


 『魔法』には、無限の可能性がある。使い手の想像力と魔力よって、どんなことでも実現できてしまう。そんな、『魔法』という名の兵器(ちから)を持っているのが、私たち、セレーネ族らしい。


 この世界には実は魔法界が存在していて、元々そこに住んでいた一族が、非魔法界に出て暮らしているらしい。魔法が使えるかどうかは血の問題で、魔法界(あっち)側の人間は皆、魔法に精通しているとのこと。

 さらに、非魔法界(こっち)に関する細かいルールがあるようで、魔法省という行政機関が、『魔法』の存在が一般人にバレないように裏で動いているらしい。

 そして最後に。これが1番衝撃を受けたのだが、魔法が使える一族は、半不老不死である。ある一定の年齢から、身体が老いることがなくなるらしく、少なくとも、老衰で死ぬことはない。これは魔力が血液を通して全身に流れているからなんだとか。

 

 私の両親を見ると、どうりで若々しいわけだ。長年、姿が変わらないということもあって、一般人との関わりが非常に危険で、下手したらすぐ、魔法のことがバレてしまうかもしれない。両親も、そこを考慮して魔法界の学校へと通わせようとしたが、私が拒否した。

 ……だって、それじゃあ転生した利点がほぼ潰れるじゃん!人生2周目って、同じ環境下だから生きる経験だよ!?そもそも、1回目でうまくいかなかったのに、もっかいニューゲーム初めてどうするの……

 今世を精一杯楽しむために、私は現実(こっち)で生きていく!……まぁ、魔法には興味大アリだけども。

 両親に叩き込まれた分、魔法については詳しくなってきた。それに、前世ではほどほどに勉強ができたので、しばらくは魔法を極めてみちゃったり……?アリかも。放課後とか、空いた時間を使って手探りで頑張ってみようかな。

 ……何だか、すっごく『なろう』っぽい!急に心臓の鼓動が早くなる。そうか、これが楽しみ、か。学生時代、私は周りに流されるように誘われたら遊びに行って、それ以外は家で過ごしていた。それこそ、小説や漫画を読むことは好きだったが、ほんの暇つぶしのような物だった。最新刊の発売日にワクワクしながら本屋に行くことなんてなく、適当に時間が空いた時に本屋へ寄り、目に入ったものを買っていた。そんな私が、だ。今、こんなにも胸を高鳴らせている。久々に将来への期待が高まっていくのを感じた。


「あら、そんなに学校が楽しみなのかしら。」

「はは。あの子はほんとに不思議な子だな。生まれた時から、あんまり喋らないくせに、あんなにも良い表情(かお)してるんだぜ?」

「ミステリアスよね〜。一体誰に似たのかしらぁ。」

「どっちも似てない、な。」


 よし。これから小学生になるということは自分だけで色々なことをさせてもらえる……はず。よし、楽しむぞ――


「でも、この子、お友達できるかしら。」

「そもそも俺たち以外の人と話せるのか?」


 あ。そうか。これ、私がこれから小学生になるってことは……他の小学生(ガキ)とも関わらないといけないのか。いろいろ時間軸がおかしくはなっているものの、同年代と話したのっていつぶりだ……?

 私、まともに小1に擬態できるのか?小学生って何話すんだ?日曜朝のテレビ番組とかか?


「今度は、険しい顔してるわ。」

「見てるだけでも面白いな!」

「すぐ顔に出ちゃうところはあなた似ね。」

「今のところ、素直すぎて騙されないかが心配なんだが。」


 いよいよ、波乱万丈?な私の二回目の小学生生活が始まる――


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