第二夜 : 殺して殺されて。
周りの奴らは急いで武器になるものを探していた。
俺も探したほうがいいのか。
まぁ…人を殺すことなんかしないと思うが。
とりあえず何かないかとポケットを探ってみた。
運良くポケットナイフを持っていた。
これでいいか…
すると後ろから走ってくる音が聞こえた。
俺はすぐ後ろを見た。
そこにはモップを持った男子生徒がいた。
「死ね!!」
俺は迷わずそいつのモップを掴んで引っこ抜き、投げ捨てた。
こいつモップで人を殺そうって言うのか?
「悪いが俺はお前みたいな奴に殺されたくはない」
俺はそう言ってその場を立ち去ろうとした。
すると、モップを持っていた男子生徒が女子生徒に襲われていた。
「ごめんなさいね。私は早くこのゲームを抜けて家に帰りたいの。死にたくないしね」
そう言いながら男子生徒を家庭科室から取ってきたのだろう、包丁で腹をぶっ刺していた。
ずぶっと言う鈍い音が聞こえた。
「うっ!!」
男子生徒が倒れた後、何度も何度も包丁をぶっ刺して殺していた。
腹の部分はぐちゅぐちゅしている。
大腸、小腸が見えている。
「あぁあ…あ…ぁ…」
男子生徒は必死にもがいていた。
俺はその状況をずっと見ていた。
あまりにも必死に刺していたからだ。
そして男子生徒はすでに動かなくなっていた。
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
女子生徒は思いっきり血を浴びていた。
すると次は俺を睨んできた。
「…次は…あなたよ」
こいつはマジだ。
さっきの様子を見ていたらこいつは大分足が速いらしい。
部活動は陸上部をやっているんだろう。
「…すまんが俺は殺さないし殺されない」
俺はそう言って走った。
女子生徒は俺を追う。
すると突然足音が聞こえなくなったと同時に悲鳴が聞こえた。
「きゃあぁあぁああああぁああっっ!!!????」
俺は後ろを見た。
すると、鬼の面を被ったMURDER CLUBらしき男子生徒が、さっきの女子生徒を日本刀を持って切り裂いていた。
腕を切断し始め、何個も何個も切断された腕が転がる。
脚、首、指…どんどん切断された物が周りにゴロゴロ転がっていく。
なのにそいつは平気で血を浴びながら不気味な笑いをしていた。
この状況を見ると、MURDER CLUBはかなりやばい連中だと言うことをわからせられる。
辺りには鉄くさい臭いが漂っている。
女子生徒は変わり果てた姿になっていく。
だんだん変わり果てていく。
俺は吐き気がしてきた。
このままここに居たらヤバイ。
俺はその場をすぐに走り去った。
それにしてもなんでMURDER CLUBの連中は殺人ゲームなんか始めたんだろうか。
こんなことをしたら後で警察に捕まるだけだと思うんだが…
「なんのために…」
「知りたい?」
「!?」
いつの間に居たんだろうか。
俺の目の前にはおかめの面を被った、肩までの長さの髪の女子生徒が俺の顔を覗き込んでいた。
実に不気味だ。
面は笑ってるからな。
「お前いつの間に…」
「へぇ…全然気づかなかったのね…?」
そいつはすごく偉そうな態度と口調で喋った。
「………」
「私あなたが気に入ったから特別に教えてあげるわ。
私たちは人を殺すのが好きなのよ。だって面白いんだもの。無様に悲鳴を上げて逃げ惑って死んでいく姿が。あなたも殺してみるとわかるわ。きっと面白いって思うわよ。
そしてそんな私たちMURDER CLUBは世の中の腐った人間たちを殺すことを目的としてるの。
今回はその目的を果たす予行練習と言ったところよ。
みんな一日か二日で死ぬわ。
手ごたえのある人が居なければの話のだけれどね」
「…こんなゲームしていいと思ってんのか?」
「………今度私を怒らせたら殺すわよ…?…今私が殺さなかったのは私があなたを気に入ったからよ。今度怒らせたら殺すから。気をつけなさい」
そいつは声をものすごく低くして言った。
「まぁ、質問に答えてもいいけど。別に殺してもいいと思ってるわ。誰にも止めさせない。誰も私たちを止めることは出来ないと思うわ。
警察だってそんなもの怖くないわ。私たちには警察を止めることが出来る権力があるもの。ふふふふ…」
仮面の奥でどうゆう顔をしてるのか、ものすごいヤバイ顔をしてそうだが…
「なんで仮面なんか被ってんだよ」
「あら、仮面を被っていたらわかりやすいじゃない。誰がMURDER CLUBのメンバーか。被ってなかったら誰がMURDER CLUBかわからないじゃない。
一応ゲーム主催しているのがMURDER CLUBなのだから。誰に感謝したらいいかわからないじゃない?」
感謝?俺は感謝しねぇな。学校で死なないといけないなんてやだ。
なんて言ったら殺されると思ったから言わなかった。
「あ、そうだわ。特別に教えてあげたのだから、あなたは私に殺されなさいよね」
「は?」
「今は殺さないけど必ず殺しに来るから。今はまだあまり怖がってないみたいだから、殺しても面白くないと思うしね。
生きてなさいよ。私はあなたを殺したいんだから。生きてなかったら死体を焼くか地獄で殺すわ。
まぁ、ゲームを楽しんでね、藤崎翔太。ふふふふ…」
そう言ってそいつは去っていった。
なんで俺の名前をしてるんだろうか。
以外に俺が知っている人物なのかもしれない。
今度奴に会ったら殺される。
現在五時三分。
俺は生き残れるのだろうか――




