第一夜 : 始まり。
ピピピピッピピピピッピピピッ――
また月曜日という日がやってきた。
俺は喧しい目覚まし時計を止めてベットから降りた。
なんか…長い夢を見てた感じだ…
何の夢か忘れたが…
そして制服を着た。
最後にネクタイを締めて朝ごはんの用意をした。
朝ごはんは目玉焼きに食パン。
毎日朝はこれだ。
俺は一人暮らしをしている。
うちは親も兄弟もいない。
事故死だ。
可哀想可哀想って言われるけど、逆にお節介だ。
なんでそんなことを言われないといけないのか、さっぱりわからない。
そう言う話は放っておいて、いい加減毎日毎日同じ繰り返しも飽きてきた。
一日でもいいから変わったことはないだろうか、と考える。
何か…何か面白いことが起きないだろうか。
なんでもいいから面白いことが起きてほしい。
退屈しのぎが出来ればいい。
なんでもいいから起きてくれないだろうか…
いつものようにそう考えながら学校に登校した。
俺の学校はどこにでもある普通の学校だ。
別に高校なんかどこでもいいだろう。
わざわざ勉強して、レベルの高い高校に入ったって何かいいことあるか?
空気が重苦しいだけだろ。
わざわざ合宿をしてまで遠くの学校に行く必要があるか?
ないね。
さて学校の校門前では毎朝ごっつい体でタンクトップを着ている体育教師がいる。
朝から暑苦しい外見と暑苦しい声で出迎えてくる。
春夏秋冬暑苦しい。
ったく本当に暑苦しいったらありゃしねぇ…
そして玄関に入って涼む。
下駄箱を開けて上履きを取り出し履いて歩きだす。
いつも通りだ。
が、今日はいつもより倍うるさかった。
なんでも一回来てからずっと来れなかった転校生が、登校して来たらしい。
まぁ俺には関係ないが。
そしていつも通り勉強をして昼休みを過ごして放課後になった。
今日はどこの部活も休みだ。
明日から何日間の連休だとよ。
俺が素直に早く帰ると思うか?
帰らないな。
いつも通り学校の中をぶらぶらする。
別にこの行動に意味はない。
バイトはないし暇だからだ。
家に帰ってもごろごろ過ごすだけだ。
さて、現在の時刻は四時四十三分。
まだ校内には結構人が残っている。
みんな本を読んでたり話してたりいろいろだ。
近頃この学校に人を殺す倶楽部が出来たと言う噂がある。
そのクラブが出来た日早々、噂では学校の鶏をメンバー一人一匹ずつ殺したと聞いた。
名前はMURDER CLUB、殺人クラブだ。
まったく何をしたいんだか、わからんな。
そんな中、放送が掛かった。
『現在の時刻は四時四十四分四秒。
これから連休の終わりまでMURDER CLUB主催ゲームを開催する。
校内に居る六十四人は速やかにこのゲームに参加すること。
ルールは簡単。人を多く殺した奴が勝ち。何処かに居るお面を付けたMURDER CLUBのメンバーは五人。殺されないように気をつけろ。武器は何を使ってもよし。
参加をしない奴はMURDER CLUBのメンバーか他の誰かに殺されるだけだ。
逃げようとしても校舎のドアも窓も開かない。
幸運を祈る。
ではスタート』
そんな放送が校内に響いた。
声は男。
MURDER CLUBの部長だと思う。
どこかで聞いたような声だが…誰だったか。
そして眠れない夜の始まった。




