ゲスいやつを採用したい。
教会を手中におさめたので、この村の中での信用は
かなりついたと思う。
そうなると、手駒を見つけるのは非常にブランディングがきくので簡単だ。
というのは、通常の仲間捜しであれば、ということだ。
できれば使いやすい頭が弱いやつがいい。決して倫理的な冒険者などいらないのだ。
「よう、俺を雇わないか?」
屈強そうな冒険者が声をかけてくる。
正義感が強い感じだな。
「おまえは何ができるのだ?」
「俺はな・・・・・・。」
正直こういうスカウトはできればその人物のダークサイドがわかるような
瞬間がいい。
一度、一緒にギルドの依頼をこなしてそこから選抜してみるか。
「うむ。実はな・・・」
さっき言ったアイデアを伝える。
「なるほど腕試しか。いいぜ。」
「わかった。じゃあ○月○日の朝10時にここにきてくれ。」
さて、一人だけ随伴するのはとても効率が悪い。
「後、何人かスカウトしてみるか。」
♦
さてスカウトは5人ほど行い、依頼決行の日が近づく。
「マサチカああ。今回はどうするの?こいつらをどうやって屠ればいいの?」
嬉々としてクレアは抱きつきながら不敵な笑みを浮かべている。
こいつは利用しやすいが距離が近すぎて気持ち悪い。
「今回は、クレアとナーニャも随伴してくれ。」
「わ、わたしもですか。。。」
「あんたさ、奴隷なんでしょ。マサチカの言うこと聞きなよ!このウスノロが!!!」
クレアがナーニャの頬を引っぱたく。
「・・っ。ご、ごめんなさい。」
「ナーニャ、言うこと聞けるよな?」
俺から改めて伝える。
「わ、わかりました。。。」
「最初からそう言いなさいよ、マサチカの機嫌を損ねるようなことがあったら次は
暖炉の火をあんだの、頬に押しつけるから。」
さらりと怖いことを言う。こいつのナーニャへの風あたりは何なのだろうか。
さて、どの依頼で足きりをすべきか。出来れば、何かこう、人の暗部が見せつけられるような
ミッションがいいな。
「これは....。これにしよう。」
♦
ミッション決行の日。
「よう、みんなよく来てくれた。」
全員で5人。
1人はがたいのいい、筋肉質な男。棍棒をもっているので破壊系か
「俺の名前はリーだ。よろしく。」
2人目は忍者のような服装をしている。女性だからくノ一か。スタイルはよく
出てるところは出ていて、なまめかしい。忍者だから、なんというかミッションをしっかり
こなしてくれそうだ。
「私の名前は霧雨です。」
3人目。顔立ちが整っているシュッとした男性で赤髪だ。鎧もよさそうなものをつけている。
剣士のようだ。
「イリノイビスだ。」
4人目は黒かぶとを身に付けている。鎧も黒だが、武器は斧か。
「よろしく。ケインだ。」
そして5人目。金髪のポニーテールで全身を鎧で固めている女性だ。
目鼻立ちは整っている。切れ目で少し、クールな印象だ。
「ルーンよ。よろしく。」
「さて、みんなに同行してもらいたいミッションはこちらだ。」
それは、あるダンジョンにおける、討伐ミッションだ。
「討伐するのは、ゾンビだ。」
そう、村のはずれにある、、遺跡が件のダンジョンである。
最近、ゾンビが住み着いてしまったとのことでそこのゾンビを殲滅するのが目的だ。
この依頼がきて、少し時間が経っていてなかなか受け手がいないのである。
この遺跡はトラップも多く、その上ゾンビだ。
そんなに強くはないがゴブリンのように束になるとなかなか大変なのだ。
「さて行きましょうか。」
さてどんなゲスい展開が拝めるのか。
クレアとナーニャにもあらかじめ、手を回している。少しそういう
場面が増えるように調整してもらう。
さあ命がけのリクル-ティング活動を始めよう。