崩壊しつつある世界
『それでさあ、生意気にもその修道女はさ、僕と交わらないで仲間に助けられちゃってさ、ホント計画が狂ってしまったよね。』
教祖はその仲間が俺だということに気づいていない。
修道女を使った売春組織の結成。
ソフィーには逃げられた分、別のシスターを使い、教団の稼ぎになりつつあった。
しかしながら、当然反感を買う。
神聖なる宗教でなく、色物のカルト集団に成り下がったと揶揄するシスターも現れた。
反売春派と売春推進派。
そんな構図が出来上がりつつあった。
対立のタイミングとしては最悪である。
教祖は当然、稼ぎと自らの欲を満たす為に推進派だが、そんな教団を分かつ対立には興味がなく、欲を満たし、金を稼がせる。それだけにしか興味がない。
俺はそんな教団の食客としていついていた。
教祖は軍師のような人間がいない。
修道女たちは、ただのイエスマンの集団。指示待ち、烏合の衆。
そんな中、食客として稼ぎの話と教祖の欲を満たす存在が現れる。
わかりやすい構造だ。
快楽を与え続けるだけ。
たまに話し相手になる。
『教祖様の崇高な目的に気づけない愚かなシスターですね。』
どんなに下劣でも、理不尽でも。
承認を与え続ける。
『しかしさ、もっとさいろんなタイプのがいた方がさ、お客も喜ぶよね。』
シスターは主に出入りしている商人にサービスを行う。
同じ顔ぶれだと飽きられるのだ。
『それにさ、同性を求める人もいてさ。少し人の仕入れが必要だよね。』
『さすが、教祖様はビジネスの才能がありますねっ!では、男性も女性もどんどん仕入れましょう。それにあたって・・・。』
俺は提案する。
『なるほどなあ。検問所を少し緩めるか。君に任せるとしよう。』
『は、ありがたき幸せ。』
『あとは、商人だけでなく、冒険者も入れるようにするのはいかがでしょうか。顧客開拓も必要かと思いまして。もちろん入れる冒険者の選別は必要ですが。』
『じゃあちゃんと、買えるくらいの財力は担保した上でかな。そうだっ!入るためにも金をとろうっ!』
『いいですねっ!そのあたりも手配しましょう!』
もはや、形骸化した宗教都市。
しかし教えを信じる信徒達もいる。
そうでないものもいる。
崩れる為のお膳立ては着々とすすむ。
あとは・・・。




