口先だけの革命家
ソフィーがそんな決意を口にして、
1週間が経った。
修道女の服を捨てて、
フィアに似たような服装のソフィー。
この2人が姉妹だったのは、驚きだが。
赤い、まっすぐでキレイなロングヘアが
魔法使いの服装に似合っている。
ただフィアとの違いは、
ソフィーは魔法使いではない。
手にしているのはメイス。
『ソフィーちゃん、格好だけはいっちょ前になったけど、全然行動しないのよね。』
『そうなんで、すね、、』
枕元には女騎士がいる。
一糸纏わぬ姿で2人は同衾していた。
『どうしたものかしらね。革命も全部お膳立てが必要かしら。』
ルーンの髪を撫でる。
ルーンは顔をぽっと赤くする。
『マサチカ様に、何か仕掛けてもらう感じがいいですか?この前の、教祖にソフィーの純潔を奪うよう仕向けたみたいに。』
『あれは、大変でしたわ。宗教都市全体を騙すような仕掛けだから。マサチカは何者なのかしら。』
ルーンがフィアに口づけをする。
『彼こそが、稀代の革命家だと思います。』
そんな女騎士が讃える、
稀代の革命家は、貧民街にいた。
貧民街は宗教都市の粗悪な、野菜や使い古された資源で生活が成立している。
しかしながら、昨今の宗教都市の治安悪化により
食糧の調達が困難になっている。
そうなると、二足三文で買えていた野菜のクズの価格が高騰するのだ。
鬱憤が溜まっている。
暴動が起こりやすい状況だ。
しかし、統率の取れていない集団の暴動はたやすく、納められてしまう。だとしたら、暴動を起こすよりも・・・。
食糧の調達は済んでいる。
『高騰した原因が俺にあるのも、罪悪感だな。』
しかし、必要なのだ。
『ソフィーは、ただの神輿に過ぎないからな。その時までは、せいぜい・・・。』
ままごとに勤しんでもらう。




