暗雲
色が濃くなる。少しずつ、、禍々しいほどの漆黒に。
『・・・夢か。』
私が修道女になって数年が経つ。
顔を洗う。
まだ血の臭いが脳にこびりついている。
あの人はもういない。
入信者に相応しい死か。
あの犯行が何者の仕業であれ、
この宗教都市に一つの危機が訪れているのではないか。
いやいや、宗教都市は不滅・・・なはず。
ここ最近の宗教都市は何かと物騒だ。
盗みや、薬、性犯罪など連日何かある。
性犯罪に巻き込まれたシスターは、皆自害していて葬儀場は景気がいいようだが。
あの女騎士も行方不明だ。
やはり入信者には死が待っているのだろうか。
『あんなに苦労してシスターになったのにね。』
人生はままならない。むしろこの数年の平和が奇跡だったのか。
宗教都市は犯罪を想定していないのか、警察組織がない。あるのはシスターによる自警団だ。
日替わりで、今日は私の班が夜の見回りを担当する。
メイスを持つ。あとは、ランタン。
性犯罪に巻き込まれない為の貞操帯。
修道女は汚れてはならない。
教祖様の教えだ。
汚れは死を意味する。
メイスを握る手が震えている。
大丈夫。今日は1人じゃない。
コンコン。
『はい!』
『ソフィー、見回り行くわよ。』
先輩のシスターに促され、家を出る。
そして、しっかり戸締りを・・・。
視界が揺れる。
揺れたと思ったら目の前が真っ暗になった。
私、倒れてる?
先輩は確かにいた。
誰がいったい・・・・。
『・・・う。』
目が覚める。
ベッドだ。とても豪華なベッド。
ジャラッ。
両手が拘束されている。
部屋?真っ白な壁に囲まれている、
少し大きな部屋。
目の前にいるのは、
『ソフィー、おはよう。』
生まれたままの姿の教祖様だった。




