お姉ちゃんだけ、お肉食べてずるいよ。
お姉ちゃんがあたしのためにがんばるのは、
かわらなかった。
がんばりかたが、かわった。
『お姉ちゃん・・・、あの人。。』
『・・・。』
あたしたちに果物をくれたおじさん。
お姉ちゃんが近づく。
『あ、ああこの前の・・・、なあまた、その
どうだ・・・?』
おじさんはお姉ちゃんに何かを頼んでいる。
『いいわよ。果物、いただくわね。』
『はい、先に食べてなさい。』
『え、でも、、』
『食べないと腐ってしまうの。腐ったら切り刻んで家畜の餌にしないといけないのよ。』
『お姉ちゃんもお腹空くでしょ!?』
『大丈夫よ。これからおじさんをしっかり食べるから。』
おじさんはお姉ちゃんの肩をだきよせた。
『いっちょなこと言いやがって、今日もボコボコに・・・いや可愛がってやるからな。』
『ふふ。それはどうかしらね。』
お姉ちゃんの色。
どす黒い。もうどの色で重ね塗ることのできないくらいの黒さ。
おじさんはこの前みたいに屋台を早めに閉めて、
お姉ちゃんを連れ帰った。
1人でいる。
果物はまだ食べてない。
お姉ちゃんが、がんばったからいただいたご飯。
ガチャ。
『お姉ちゃん!』
お姉ちゃんはきょうは赤くない。
よかった。きょうはぶじだ。
『お姉ちゃん!いっしょにたべよ!』
『あらまあ、どうしましょ。腐ってないといいけど。お腹いっぱいだから、あなたが食べなさい。私はちょっとでいいから。』
『お姉ちゃん、何食べたの?』
『さっきいったじゃない。おじさんを食べるって。』
『ええ、お姉ちゃん冗談ばかり。でもなんだかおじさん汚らしいから美味しくなさそうだったよ。』
『そうね・・・。』
ぷっと、お姉ちゃんは、くちからなにかを吐く。
なんだろう。かみのけのようにみえる。
『まずかったわ、おじさんは。果物で口直しが必要よね。』
しゃりしゃりと果物を食べ始めた。
私も一緒に食べる。
あたしは次の日。
いつものようにご飯を求めて建物に潜む。
『お姉ちゃん、屋台のおじさんはどこに行ったんだろうね。』
屋台もおじさんも居なかった。
居ない日なんて、1日たりともなかったというのに。




