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ソフィーの勘違い

『ふえええええん!!!私の、私の純潔がああああ!!破門になっちゃうよおおお!』


ソフィーは大泣きしている。


なんだか、めちゃくちゃ悪いことした気がしてきた。


『いやいや、そうなるリスクはあっただろうよ。』


『本当に、本当にするなんて思わなかったんだもぉぉぉん!』



泣き止む気配がないな。

あんな男勝りな一面を見せられた後にこんな一面もあるとはね。


こんな感じだったら、

本当に同衾すればよかったと俺に悪魔の声が囁く。


当然、ソフィーの純潔は守られたままだ。

なんたってよくわからない女と同衾せねばならんのだ。リビドーに生きる男ではないのだ。


俺が半裸なのも、

ソフィーに勘違いさせる為だ。


昨晩は、貧民街の安宿にルーンと泊まった。

で、この部屋の隣にルーンと俺の部屋がある。


ソフィーの部屋に朝来たらこいつが服を着てなかっただけだ。



『もうダメ。ここで死ぬしかない。』


ソフィーは窓から飛び降りる。


『ソフィー、そっちは。』



ドボン!


ゴミだらけの川にソフィーは落ちた。








『えー。さてどこから話したものか。』

風呂上がりのソフィー。

呆れたルーンと俺は部屋で対峙する。



純潔を奪ったままにしてもいいが、

脅迫による主従関係は、少しの綻びで崩れる為

やめておく。



ソフィーは風呂に入って落ちついたのか、

泣いてはいないが顔を伏せて、あきらめたような顔をしている。



『ソフィー、お前はまだ純潔だ。俺は同衾してないし、なんならルーンがそれは証明してくれる。』


うんうんとルーンは隣で頷く。


『じゃ、じゃあなんで、私は裸であんたは半裸だったのよっ!』


『俺が半裸なのはいたずらだよ。ソフィーが全裸なのは、朝部屋に来たらそうだった。』


『あ・・・・。』



ソフィーは何か思い出したようだ。

顔が紅潮していく。



悪酔いすると

あんな風になるなんて、おじさんはこの

若きシスターの行く末が心配です。



『じゃあ、あんたは、何が目的で私に近づいたのよ!』


ちょっと勝ち気なソフィーに戻ってきた。


俺でも、ちょっとギャップ萌えしちゃうキャラだ。



『んー、実はな。宗教都市に入りたい。後、宗教都市サイドの人とコネが欲しい。以上。』



『目的は何!?』


シャーっと毛を逆立てた猫のような反応をする。





『ソフィー、目的はお前と同じだ。』


『へっ!?』


鳩が豆鉄砲を食らったような表情をしている。


そう、ソフィーが貧民街になぜ入り浸っているかも知った上でそんな回答をしてみたのだ。

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