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ナーニャは恋に恋する少女

私は、かつてこの村から遠い遠い、小さな村で生まれた。母は病弱で私を産んだ後に亡くなった。


父は、村の酒場でマスターをやっていた。

母が亡くなってからは酒浸りだったみたいだけど程なくして別の女と再婚した。


その女が結構性悪で、物心ついた時から私に殴る蹴るなどの虐待をしてきた。


父は、その姿を見ても無視。私に構うことがなくなっていった。


そのうち父は新しい女と、子を成した。


女は、私に対しての暴行すらしなくなり、私はもはや存在しないものとしてただそこらへんにある石コロと同じ扱い。


誰にも、視認されない存在。ご飯なんかは、市場で盗みなどをして食い繋いだ。



そのまま居場所がないまま、盗みの技術だけ上達したわ。盗みすら視認されないくらいに。



そうこうして、14歳になって、私は家を出て泥棒稼業で生きていくことにした。


泥棒をしながら暮らしていると、ある時盗賊団に目をつけられた。







嬉しかった。だって私の存在を見てくれたから。




盗賊団と追っかけっこを毎日、毎日。

命を狙わられることもあったけど、存在を認めてくれる。そのことが嬉しい。



ある日捕まった。




盗賊団に拷問をされた。鞭で打たれ、嬲られ慰みものにされ、、、




でも、私のことを見てくれる。


盗賊達に恋して従属した。






程なくして、仲間兼慰みものとして迎えいれられた。




女の武器を使い、対象の組織に入り込み、油断させて仲間に襲わせる。


盗みが終わったら、仲間に寵愛される。




そんな日々を過ごしていたらとある冒険者パーティーに入りこんだ。


回復魔法が使えると知ったのは、この時だ。



盗賊団はあっけなく、パーティーにやられた。


だから、私はそのままそのパーティーに入った。

パーティーのみんなも構ってくれた。


だから一生懸命、回復魔法を使い、夜は構ってもらい、でも回復魔法の反動で少しずつ体力は奪われていく。



休む間がなかったから。




それでゴブリン退治で、使い物にならないから、

捨てられた。



私は、泣いた。また1人だ。




ゴブリンの巣でひとしきり泣いたけど、

そのうちゴブリンの慰みものになった。


ゴブリンには、服もぼろぼろにされ、お風呂もない生活だったけど、ご飯は用意してくれたし、

日に何度も何度も構ってくれた。


それは、それはもうこの上ない僥倖。


満たされた日々。





治療魔法を使うことはなかったからパーティーにいる時よりは、体は楽だった。



そんな恋多き乙女たる私をゴブリンから引き剥がし、奴隷にしたのがあなた。



だからね、マサチカ。






私はあなたに愛されたいの。

でも、一度たりとも。







頭ではわかっているんだよ、こんなのは愛でも恋でもない。






でも私はそこまで歪んでしまったのよ、旦那さま。




その歪みの愛に基づき、



私は旦那さまをお慕い申し上げてます。





♦︎


だが、、



『お前はただの奴隷だからな。愛することはないが、これからもせいぜい使役される事だな、この私に。』



そんな身勝手な申し出に対しても、ナーニャは

この上ない笑顔でこちらを微笑むのであった。






















そんな様子をクレアは終始見ていたのである。

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