プロローグ
世界に名を轟かせた、最強の騎士。
《戦慄者》の一人、通称【皇】。
彼は一人で戦争を終わらせた。
たった一人で・・・・・・
それは間違いだった。それが文明の退化を促した。民主政治が独裁政治に変わった。
世界が思考を放棄した。それからずっと、他の国に比べ圧倒的な領土をもつ、二大巨頭である、天帝国と王朝衆国は独裁政治を続けている。この歴史が書かれた著書はもう捨てられているだろう。独裁者が民主主義を隠すためだ、。そしてこの話は都合のよい方向に変えられ書籍となって世界中から愛されている書籍となった。
『託す未来』(本文抜粋)
戦場には一人の男が旗を掲げていた。世界共通の旗だ。
それを見た兵士たちは悟る、戦争が終わったのだと・・・・・・
「終わったんだな」
「たぶんな、まだ実感がないよ」
「僕は信じていた世界が変わる瞬間を」
「どんな風に変わるのかな?」
「それはこれからに期待だな」
「そうだね」
こんな他愛のない話が続く。つまんない・・・・・・それが幸せだ。
この書籍には偽りしか書かれていない。原型は一人に男がいたこと位だ。
しかし、この書籍にはマニアがいて、どこかに隠されているヒントがあるのではないこと探している歴史研究者もいる。
文明が退化した。先にも説明したとおり、著しく退化した。それは戦争が終わり、先人たちが考えるのをやめたことも言える。だが、《魔法》の発見が言える。
人の中に眠っている未知なるエネルギー《魔力》、これは人々には便利すぎた・・・・・・
扱いづらく、何もわかっていない危険なエネルギーを捨てた。簡単に理解できる。
それは、簡潔に話すと奥深さがないと言うこととも見て取れる。
この本質を理解しているのは【皇】だけだ。いや他にも知っているやつらがるのかも知れない。いたとしても《戦慄者》の奴らだけだ。
そこから時だけが過ぎた。そして戦争からは250年たった今も、何も変わっていない。何も変わっていない。だが、変えていく。また、【皇】が帰ってくる。
そこから世界は変わる。変わっていく。変えていく。塗り替えられる。




