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人生とは人生にあらず  作者: ゆくねこ
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世界を統一する者

 生まれ持ったこの身分。誰もが不平等。ならば、最初から平等にしようだなんて考えを無くしてしまえばいい。


 私は、幼少期から既にファシズムに染まっていた。


 ファシズムとは素晴らしい物だ。簡単に言えば独裁者主義だが、その様な言葉の範疇に収まらぬのがファシズム。ファシズムというものが世界に存在する。その事実があるだけで、世界の人間は救われる。戦争はなんて素晴らしいのだろうか。ファシズムがあれば他国の反感も買うだろう。それが良い。戦略があれば駒なんて二の次だ。


 私は常に自分に説いた。民主主義は甘えだ。民主主義という無駄なものを翳している間に、他国との戦争をする機会を逃しているのだから。戦争とは、それ即ち芸術。空に散る紅。地を埋め尽くす数々の死体。そして、その一番上に存在する勝者。


 ファシズムがある事で民の不安は煽られるだろう。だがしかし、ファシズムがあればその不安を動かす道を遮る事が出来る。民主主義はその根源をなくし、ファシズムは退路を塞ぐ。似ている様で全く違うものだ。ここで差があるのは、労力や時間だ。民の全員分の不満を解消するなんて、労力が馬鹿にならない。しかし、ファシズムであれば一つを塞ぐだけで良い。


 そもそもデモとは、一人が先陣を切って走り出したのを取り巻きが追いかけるだけだ。別々の所に人員を割くほど馬鹿では無い筈の民達は、その一つの道を通って一つずつ消していくつもりなのだろう。愚かな者よ。それはつまり先陣を切る人物が居なければ自分は何もできないと言っている様なもの。その先陣を切る人物を国が消したら、誰もデモをするつもりになんてならないだろう。


 ファシズムとはそういうものだ。とても愉快なもの。ファシズムがあれば世界は救われる。ファシズムがあれば、世界は統一される。世界は一度、ファシズムに身を委ねるべきなのだ。




 そして、その戦は始まろうとしていた。








アカンサス

花言葉は…… 「芸術」「技巧」

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