7話
いつも読んで頂きありがとうございます
今俺と遠山姉妹はモール内にあるチェーンのカフェにいる
正直言って結構しんどい。ナナに請われ(断じてあの上目遣いに負けた訳ではない)体をつきあわせて座っている訳だが、普段全く話さないクラスメイト、それも異性の人とカフェに来ても話題に困ってしまう。因みにナナは俺の斜め前に座り、自分の目の前にあるクリームソーダに夢中である
え?どうしよう。どう話題を展開させる?とか頭の中でぐるぐると思考が動いている
取り敢えず、何か思いついた事を話して場を繋げなければならない
「あの、遠山さんて…」
「ねぇ、その敬語やめない?クラスメイトだよね?」
「え?でもあんま話した事ないですし」
「何?関係ないでしょ、そんなの」
「あ、はい」
「ん」
恐い目つきで睨まれながら言われて言い返す俺ではない。素直に従う事にする
「じゃあ、えっと……その遠山てそういう格好するんだね」
「は?何、ダサいて言いたいの?」
メッチャ睨まれた。恐い。でも、よく考えれば失礼な質問かもしれない。フォローしなければ
「あ、いや、そうじゃなくて。普段の学校で見る姿からは想像つかないっていうか、その、もっと派手なのかなぁて思って……」
俺がそう言うと、少し圧が収まった
「まぁ、あれは学校だからっていうか、周りの人間に合わせてるだけだし。私服にお金かけるより、もっと有効な使い道て沢山あるでしょ」
「なるほど………。あ、そういえば、遠山ていつも妹の面倒みてるの?」
「うん?ああ、さっきも言ったけど、ウチの両親共働きだから全然家にいなくて。いつも帰りも遅いし……。だけど、ナナが入れる保育園がどこも満員で無くて、仕方なく幼稚園に入れた訳よ。そしたら帰りが基本早いでしょ?だからウチがいつも迎えに行ってるの。ナナが寂しくないように出来るだけ一緒にいるようにしてるし……。まぁ、だから休日の日もナナは両親よりウチにベッタリな訳」
そう言うと遠山は隣にいるナナを慈愛に満ちた表情で見つめる
……へぇ、意外だったな。人は見かけによらぬものと言ったものだが、正にその通りだな
いい姉ちゃんじゃん。俺もこんな姉が欲しかった
俺は更に思いついた事を話していった
「へぇー、じゃあ、あれだな。全く放課後とかいつも連んでる友達とかと遊べないんだな。遊びたいとかないの?」
「ん?いや、無いよ。確かに学校では仲良くしてるけどビジネス友達だし。話してて楽しいけど、ウチはナナと一緒にいる方が良いし、大切。てか、放課後誰かと遊ぶて事なら人の事言えないじゃん。ウチ、アンタが誰かと一緒に放課後遊びに行くって所見た事ないんだけど」
「まぁ、そうだな……」
確かに殆ど行ったことないな……。
何故か誘われないんだよなぁ。まぁ、俺も誘わないけど
休み時間とかだと、クラスメイトと会話する事はあれど放課後遊びに誘われないんだよなぁ…
何故なのか……
俺が軽くそんな思考に耽っていると、遠山が若干揶揄う様な意地悪い笑顔を浮かべ
「あ、でもアンタこの間あの橘さんに指名されて和泉達とココ来たんだって?」
「え?何でそれ知ってるの?」
「いや、噂になってたし。あの美人で滅多に人を寄せ付けない橘 薫にある意味誘われた奴がいるって」
…………絶対あの和泉の取り巻きの誰かが広めたな……
迷惑極まりない……
てか、他人を美人て言うが、貴女もぱっと見恐いけど彫りの深い美人の部類に入るでしょう?言った後の反応が恐くて想像出来ないので口には出さないが……
俺は今された質問に対し苦虫を噛み潰したような顔をして
「いや、あれには理由があってですね……」
「ふぅ〜ん。あ、そ。ウチは興味ないから良いんだけどさ」
そう言うとまたニヤリとした
完全に揶揄われてしもうた。
まぁ、いっか。なんかこういうノリ最近してなかったしな
「おねえちゃん、飲みおわった!」
さっきまで一心不乱に食べていたクリームソーダが空になっていた
「そう。じゃあ、帰ろっか?」
「え〜。もっとおにいちゃんと遊びたいぃー」
そうナナがゴネ始めた。いや、君ずっとクリームソーダ食べてただけやん
「まだ、家に昼食あるし、お父さんとお母さん待ってるよ?」
ほう、今日は家にご両親いるのか
「ええ〜、でもぉ〜」
ナナはそれでもゴネる
「ナナ?」
「ひっ」
おい、その目つきで睨むのやめたれや。妹ビクッなっとるがな。…俺もだけど
…仕様がない。ここは俺が助け船を出そう
「ナナ。俺は割りかし普段暇だからまたいつでも会える。今日はお姉ちゃんの言う事聞いて帰りな。お父さんとお母さん待ってるんだろ?」
「…………うん。分かった」
やっと、ナナは帰る気になったようだ
「ありがと。助かった。じゃ、ウチら帰るけど影山はどうする?」
「あ、俺はもうちょっとココにいるわ」
「あ、そ。分かった。じゃあ、また学校で。ほら、ナナ挨拶して。帰るよ」
「バイバイ。またね、絶対だよ!」
「おう」
軽く会釈をして遠山が去っていく
手を引かれたナナは「バイバーイ」と言いながら空いてる方の手を俺に振り続けている
俺はそれを見届けた後、買った漫画を広げ読み始めた
漫画のインクの匂いが今日は心地よく感じた
取り敢えず、このくだりが終わりました……。キリ良い所で終えられて良かったです笑
自分も学生時代友人にあまり誘われず、ほぼいつも直帰でした。いや、漫画やらラノベやら趣味に時間割けたんで良いんですけどね?……良いんですけどね?笑
さて、次の話も早く投稿出来るよう頑張りますので、応援の程宜しくお願いします!
それでは次回またお会い出来る事を祈って
おろしポン