6話
いつもお読みくださりありがとうございます
「ナナ!やっと見つけた!!」
声のする方を見ると俺と同年代ぐらいの女性が立っていた
すごい形相でこちらに駆けてくると、ナナの空いているの方の腕を引っ張り抱き寄せた
「もう、駄目でしょ勝手にどっか行ったら!お姉ちゃん、心配したんだから!!」
「ごめんなさい」
怒られた事で項垂れるナナ。まぁ、良かったな見つかって
ナナに怒っていた姉が今度は俺の方に顔を向けてきた。ん?何か怒ってます?
「アンタ、ウチの妹に何してくれちゃったわけ?」
「え?あ、違う!」
「そこのお兄ちゃんがおねえちゃんのところまで連れてってくれるて言った!」
嬉しそうに姉に告げるナナだが、それは姉には逆効果だったようだ
「な!まさか誘拐!? アンタッ!!」
突然口調の変わった姉が俺の方に鬼の形相で突っかかってきた
「いや、誤解ですよ!?ちょっと、ま、待って話を聞いて」
「おててつないでくれたぁー」
おおい!今ここで余計な事言うな!
「コノッ!!!」
「ちょっと待って話をって、、、痛いそっちに腕は曲がらない!?」
暫くしてどうにか姉に落ち着いてもらい話を聞いてもらった。ナナちゃんの証言(あまり役にはたたなかったが)もあり俺の誤解は解けた
「ご、ごめんなさい。早とちりしてしまって…」
「いや、妹さんの事が大事なのは理解出来るんで…」
ハハッと愛想笑いを返しながら頬をかいた
「………あの……アンタ、同じクラスの影山だよね?」
「え?……いや、えっとどちら様でしたっけ?」
「……同じクラスメイト覚えてないのかい。アタシだよ、遠山 美嘉」
「あ、ああ!!」
そう言われてすぐピンときた
遠山 美嘉。俺の所属するクラスにいる女子で少し気の強そうな目、茶髪ロングの髪とピアスが特徴的な娘だ。ぱっと見恐くてヤンキーなのかなぁと思っていた。しかし、今日は長い髪をポニーテールのように纏めており、格好も半袖のTシャツに半ズボンと想像より地味で全く気付かなかった
「へ、へぇー。遠山さん妹いたんだ」
「ま、まぁね。」
「休日に一緒にお出掛けなんて、仲が良いんすね」
「いや、まぁ、両親共働きだからアタシが代わりに面倒みてるだけで…」
「おねえちゃん、優しいからすきぃ」
「ばっ、コラ!」
「あはー」
妹から好きと言われて照れる姉。ホントに仲が良いんだな
ウチとは大違い
「兎に角、見つかって良かった。じゃあ、俺はこれで」
俺がそう告げると
「あ、うんまた」と片手振って見送ろとする遠山
すると、ナナが俺の方に近寄ってきてズボンを握ってきた
「もう、かえっちゃうの?」
少し寂しそうに上目遣いでこちらを見上げてきた
ヤバイ。俺の妹はこの頃こんな感じゃなかった
俺が少しアタフタしていると、遠山が話し掛けてきた
「あ、あのさ。この後時間ある?良かったらどこかでお茶しない?ナナ面倒見てくれたお礼に奢っし」
「え、いやそんな…」
と言うとズボンに込められる力が更に強くなる
そんな顔でこちらを見上げないで下さい………
「まぁ、ちょっとだけなら……」
するとナナの顔が満面の笑みへと変わった
子供の笑顔、プライスレス……
こんばんは、おろしポンです。ポイント評価して頂きました。ありがとうございます。とても励みになります!
予定よりも長くなってしまい、更に続きます笑 前回と併せて2話に収める予定だったのですが……ままならないものですね(^_^;)
この続きも頑張って早く投稿したいと思っていますのでお待ち頂けると幸いです。応援の程宜しくお願います。
また、自分のもう一作品。「一応職業勇者ですが、何か?」も一緒にお読み頂けると嬉しいです!
それでは次回にまたお会い出来ることを祈って
おろしポン
「一応職業勇者ですが、何か?」URL
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