3話
いつもお読み頂きありがとうございます。
それから数日が経った
あの日の午後から特に橘から話しかけられる事もなく、日にちが過ぎる毎にお礼について自分自身どうでも良くなってきていた
まぁ、あんな事でお礼されるのも逆に気後れしてしまう。そんなこんなでいつも通りの日がな日常を過ごしていた。やっぱこんな日々が一番と思いつつ今日の帰りのクラスルームも終わり帰ろうと準備をしていた時だった。橘に和泉が話しかけてきていた
「橘さん、この後数人で遊びに行くんだけど、橘さんも一緒にどうかな?」
わお、あの橘に遊びのお誘いをするなんて勇気あるな。100パー断られるて分かるだろうに
「お誘いは有り難いのだけれど、お断りするわ。ごめんなさい。機会があったらまたお願いします」
やっぱな。丁重に断られてる。こんなんハナから予測出来るのに何故誘うのかねぇ
「ちょと、橘さ〜ん。前もそんな風に慶太の誘い断ってなかったぁ〜?それちょっとどうなの?酷くな〜い?」
取り巻きの女子の1人が橘にそう言い始めると他にいた女子達も口にはしないが視線が物語っている
………コイツら見てるとうざってぇな。断る事の何がいけないんだか。てか、和泉前にも誘ってたのか…鋼のメンタルだな、俺とは正反対だな
「橘さん、皆で遊ぶと楽しいよ?橘さんこのクラスになってから一度も誰かと遊びに行ってないんじゃない?遊びに行けば仲良くなるし、クラスの輪にも溶け込みやすくなるよ」
余計なお世話な気がしますが
「そうだよ。もっと橘さんは皆と仲良くなるべきだよ!積極的にクラスの輪にも入ろう?ね?大丈夫だから。私達がついてるからさ!!」
取り巻きの女子の1人が追い打ちの様に橘に語りかける
ん?何それ?
余計なお世話どころか押し付けがましくないですか?
しかも、あたかも仲良くしないのが良くないみたいな。するのが当たり前の様な言い方しますね
そんなものは人それぞれ価値観が違うのだからどうするのかはその人次第だろ
と今のやり取りを聞きつつも帰りの準備を終えた俺は小さい声で、それはもう聞こえるか聞こえないか分からないぐらいの小さな声で「さよなら」と言い橘達の横を通り過ぎようとした
チラッと横を見ると橘と一瞬目があったので、軽く会釈して過ぎていった
そろそろ教室のドアに着くかという時、橘の声が後ろから聞こえた
「そうね………たまには誰かと放課後を過ごすのも悪くないのかも知れないわね…。分かったわ。行きましょ」
和泉とその取り巻きたちの満足した様な声が聞こえる
その直後、俺の頭を思い切り叩きつけるかの様な言葉が耳に入ってきた
「だけど、条件があるわ。そこの影山君が一緒に来てくれるなら、遊びに行ってもいいわよ」
はい?