【三話】リピートアフターミー
柔らかい光に包まれた気がした。
そう、気がしただけだ。
ただ少し懐かしい、優しい光だった気がした。
「ハッ?!ここは……?」
おかしい、明らかに何かがおかしい。
あの男に攻撃を仕掛けた瞬間、私は5分前に訪れた本屋にいた。
「私は……確かに……あの男に血雨洗礼を……」
おかしいとは思いながらも、一度買ったであろう私の愛読書、「暗殺殺害器物破損日報」を購入した。
店を出て付録の砥石を私の器物破損的短刀にかけた。
そう、この後である。私はあの男に路地裏で遭遇するのだ。
砥石をかけたてのこいつを試したかったのだ。
案の定男はその路地裏にいた。
「次は背後から一撃で殺す、私のファントムアサシンとしてのプライドにかけて。」
「血雨洗礼!!!」
ーーーーーーーーーー!!!!!!
男を確実に殺ったと思った。
刹那
光に包まれた、気がした。そう気がするだけだ。
声が聞こえる。腹の立つ声だ。
「負けず嫌いだね、ファントムアサシン。でも君は僕を【コワス】ことはできないし、なにより僕も君を【コワス】ことはできない。僕たちは表裏一体、2人で一つの存在なんだよ。」
ーーー時間遡行聖夜十字架ーーー
「タイム……リープ……サンタ…クロス……」