出会った日
高嶺の花
その言葉はこの人のためにあるんだなと
そのとき俺は思った。
黒色のタイトスカートから
程よい肌色をした長く綺麗な脚が伸び
まるでフランス人形のように精巧で
綺麗な形の 眉、目、鼻、唇、顎 が綺麗な輪郭の顔に綺麗に配置されている
髪は染めたような茶色ではなく
上品な自然の茶色だった。
触ればきっと絹のように滑らかだろうと思われる。
日の光に反射した艶やかな髪はふんわりと彼女の肩にかかっていた。
『ラ、ララさんっ!!!そ、そそ、その隣におられますっ!!お綺麗なおなごはだれでござるますか!!??』
どうしたじぶん
いつもの自分はどこにいった。
落ち着け、俺はこんな灰歌みたいなバカまるだしじゃない筈だ
『どうしたまも?てんぱった灰歌みたいな口調になってるよ?』
ララさんも同じことを思っていたようだ
自分の上がりきった気持ちを海の底深くに押し込める
『っごほん、今のは忘れて。 でさ、話戻るけどその隣のお綺麗な女の人は??俺初めて見たよ?』
美少女の方に目を少し向けながら
再び訪ねる
(しっかし本当に綺麗だなぁ。人形じゃないの??もしかしてララさんの隠れ趣味???)
そうかそうかララさんは
お人形遊びが好きなんだなHAHAHA
かわいいやつめ
『おい、苔。いつまで七ちゃんのことを見てるつもりだ。七ちゃんが汚れるだろうが。』
『ひどくない????!!!!!』
そうか、ななちゃんというのか
やっぱりナナちゃん人形か
『ララさん、この事は皆には黙っておくからさ!趣味は人それぞれだし!俺そういうの気にしないから!!!』
『なにいってんの?ついに頭に蛆でもわいた??』
『え、だって。その美少女はナナちゃん人形なんでしょ??』
『は ?』
そういいはなったララさんの声と目は
それはもう、冷たかった
絶対零度だった。
『お前が、研究室に籠りっぱなしの間に私の秘書兼戦闘員になった正真正銘人間の七ちゃんだ。』
あぁ、新人さんだったのか
そりゃ初めて見た顔だわ
てかララさんにこんな美人秘書?
場所かわれよ、今すぐに、迅速に!
『って???へ???戦闘員??!!』
美人秘書に気をとられていたせいで
聞き捨てならない言葉にワンテンポ遅れて気づく
『あぁ、そうだ。七ちゃんは一見ただの美少女だが、とても強い。お前が1億人束でかかっても勝てないくらいに強い。』
そんな、こんな美少女が???
超戦える秘書??!!!最高だな!!!!
『七ちゃん、この緑は医療担当のまもだ。宜しくしなくていいからね。』
俺のテンションの高まりにはそう無視で
ララさんは俺の紹介をした
…だが
『…』
七ちゃんは黙ったままだ
(もしかして嫌われた???)
最初の灰歌っぽい台詞が
きもちわるすぎたとか???
うわどうしよ、とりあえず灰歌恨んどこ、呪っとこ、灰歌が食べるみかんにかびがはえてますように
何の反応も示さない七ちゃんを
不思議に思ったララさんが
『七ちゃん???』
彼女の名前を呼ぶ
だが七ちゃんはその綺麗な目を開けたまま
だまったままじーっとこちらをみているだけだ
『あぁ、なるほどね。』
ララさんは俺のほうを
見て何か納得したようだ
(やっぱ俺嫌われた????)
『まも、その服についているものを外せ』
『へ??』
いわれたとおり
ほぼ毎日着ている白衣を見る
何か変なものでついていただろうか
『ついているといえば、このくらいしかないけど?』
と、いつかとろが世界旅行きいったときのお土産のシャーペンを手にもつ
『それであってるよ。ほら七ちゃんの目線がそのペンに釘付けだ。』
試しにシャーペンを上げてみたり
下げてみたり左右に動かしてみる
『おぉ面白い』
俺の手の動きに合わせて
七ちゃんの目も動く
手を止めてなんの変鉄もない
ただのシャーペンをじっと見る
『そういえば、この鳥なんていうんだろうなぁ。とろが行った国の鳥なんだろうけど』
『シュバシコウ!!!!』
綺麗なソプラノの声が
なぞの呪文を唱えた
『しゅばしこう???』
『その鳥の名前はシュバシコウです。ドイツの国鳥、コウノトリって聞いたことあるでしょう?その仲間。ただ嘴が赤いだけ。身体は白くてさらさらでとても綺麗な鳥なの!!!』
やっと七ちゃんが口を開いたと思えば
それはもうしゃべるしゃべる
とてもいきいきとしていて輝いている
『へ、へぇ、そうなんだ?七ちゃんは鳥が好きなの??』
『愛してる』
自分に向けた訳ではないと
わかっていてもこんな美少女に真剣な目で
愛してるといわれて心拍数があがらない男がいるだろうか、いやいない
『そ、そうなんだ!!!!よ、よかったら、これいる??!もらいものでもよかったらだけど!!』
ペンは他にもたくさんあるし!
とまたしてもテンパりながら
七ちゃんにペンを差し出す
『え?いいんですか??』
とても嬉しそうに俺の目を見る
『いいよいいよ、このペンも俺なんかより美少女に使われたほうが喜ぶって!!!』
見つめてくる彼女の目をそらしながら
そう言う
『ありがとうございます!!!…えっとすみません、お名前は??』
やっぱりさっきのララさんの言葉は
聞いていなかったらしい
『俺はまもだよ。ここでは医療を専門に研究したり隊員の栄養管理や怪我の手当てをしてるよ、気軽に話しかけてね』
最後にウインクをとばして
格好よく自己紹介をする
『まもさん!!!なんていい人!!!』
『ララさん!!!七ちゃん超かわいい!!!超かわいい!!!どうしよ超かわいい!!!』
『知ってるから、お前はさっさと研究室に帰れ、寧ろ海に帰れ。』
これが七ちゃんとの
ファーストコンタクトだった
今では七ちゃんの俺に対する
敬語も敬称もなくなっている
今でも綺麗なことにはかわりはないが
前よりもずっと素敵になったのは
馬鹿な奴らが増えたからかな
そんなことを思いながら
手にあのシャーペンのシュバシコウのように
白くデコレーションされたスポンジに
真っ赤なイチゴをのせたホールケーキを持って
既にみんなが集まっているであろう部屋へ歩く
((((Happy birthday to Nana chan!!!!))))
I wish you always be happy.




