第一章)魔力測定な第七話
さて、5歳になりました。
稲富誠斗ことセイト=イルヴィナスです。
2年前の暗殺者(仮)が家に侵入してきたのが懐かしいな。あれからいろいろあったな。暗殺者(仮)の所属していた組織が父親の手で壊滅したり、俺が階段から落ちたり。一つ例にするなら・・・
「セイト、本読んであげようか?」
などと、父親が言ってきた。タイトルは「魔法学・人歴五三六八年版」。普通の子供は理解すらできんぞ。
「その本はもう7回読みました。一語一句正確に丸暗記していますよ」
って、ついつい言ったら、
「んなッ!?こ、これ、結構難しい本なんだけどなぁ」
驚かれた。当たり前か・・・。というか、大人にとっては結構簡単なやつだと思うぞ。あくまで、地球での基準だけど。
まあ、幼児(当時4歳)が中学レベル(この世界では研究者レベル)の本を読めるっていうのはホラーだな。実際にいたら怖いわ。いるけど。というか俺だけど。
「じゃ、じゃあ、これは?」
そう言って、次に取り出したのは「人魔大戦記」。凄まじく分厚い本で、俺がこの世界の文字を知るのに1歳の頃に使ったものだ。
「その本もかなり読んでいます。というか、お父様の書斎にある本は全て読了済みです」
「・・・。わ、我が子ながら、この頭の良さはなんなのかね?」
さて、普通に考えれば、おかしく思い、気味悪がられてしまうだろう。が、この世界の人間は馬鹿。更に相手は重度の親馬鹿。おかしいとは思っても、気味悪がりはしない。そして、アルフォンスの性格上、自分のいい方に物事を考える。
よし、完全に問題ない。
「ま、セイトがいる限り、この家は安泰だな」
ほらな。
―――――――――――――――
さて、話を戻そう。
五歳になった、といったね。
これが何を意味すると思う?
答えは簡単。
対応魔法&魔力保有量を測定することができるんだよッ!!
言葉が乱暴になっているけど、怒ってないよ。今回はテンションのせいだから。
だってよ、自分の使える魔力がわかるんだぜ。一つはもう知ってるけどさ、その他も知りたいし。
まあ、ともかくかなりテンションが上がってるぜ。ということなんだな。
「セイト~。時間だぞ~」
お、呼ばれた。そんじゃあ行きますか。
―――――――――――――――
家の居間の真ん中の机に、なんかごっつい機械みたいなのが置いてあった。よく見てみると、真ん中に丸い穴が空いている。そこに手を突っ込むのかな?
色々と考えていると、セリムが穴を指差しながら、
「ここに手を入れてね~♪」
と言ってきた。つまり、ここに手を突っ込めということか。
恐る恐る手を入れると、何も起きなかった。
「あ、あれ?」
なんかまずかったかな?
そう思って、手を抜こうとするとアルフォンスに止められた。
「表示されるまで5秒ほどかかるんだよ」
ああ、そういうことか。納得。
5秒後、表示された文字列を見て、俺も含めて全員が息を飲んだ。
対応属性、基本属性、火、水、雷、風、土
特殊属性、対抗、精神、次元、破壊
魔力保有量、137080
随分規格外だな、おいッ!
規格外と言っても、知強ほどじゃないです。
ちなみに平均魔力保有量は100程度で、持っている対応属性は二つから多くても4つぐらいです。




