第一章)第六十話 襲撃 ⑪
遅れて申し訳ありませんm(__)m
遅れたのは知強の方を見ていた人は知っているでしょうが、薬なしで画面を見るのも厳しいくらいの酷い体調だったので・・・・・・
ぶっちゃけ今もですが・・・・・・
自分の周りに魔法の結界を相対的に固定したまま、凍結した溶岩のドームから出た。
外は、さっきまでの極熱の赤と違って、あたり一面が極寒の白となっていた。後ろを見ると、凍結した世界は街の中間あたりで止まっていたが、前方の氷雪は果てしなく続いている。さっきまで地面から噴出していた溶岩は不格好な氷像となって自重で崩れ落ち、飛んでいた噴石は全て上からの下降気流によって地面に叩きつけられていた。ちなみに、魔法による指向性があるためか、火山雷は全く発生していない。
と、すぐ近くの凍結した岩石が音を立てて崩れていく音がした。
その方向に視線を向けると、金色の輝きを放つ髪と血に濡れたような真紅の目を持つ少女、セレーナの、その裏人格が立っていた。
『「・・・・・・・・・・・・」』
しばらくお互いに無言だった。
何故、こんな禁級を超える魔法の魔法式を持っているのか。
何故、結界も使わずに、息をすれば肺が凍りつく環境の中で生きているのか。
いくつかの『予測』外のことに対する質問があったはずなのに、何故だか口が開かなかった。
時間にしてみればおそらく10秒もなかっただろう。しかし、俺にはその時間が永遠のように感じられた。
やがて、裏人格のセレーナは、スッ と手を掲げて、魔法陣を形成し、魔法として放った。その魔法は、俺を僅かにそれて、俺の後方何十km辺のところに着弾する。
直後、一人の氷付けにされた男が俺達の前に現れた。
短めのサラサラとした金髪に、翠色の鋭い眼。驚いた顔のまま凍結している顔は、どことなくセレーナに似ている。俺はチラッと、いつの間にか隣に移動した裏人格の彼女を見た。顔立ちが似ているのは当たり前だ。この男の名前は、オーディス=エレメント。セレーナの実の父親だ。
俺は、無意識の内に拳を握っていた。
『殺さないのかしら?』
その様子を見た裏人格のセレーナが、物騒なことを聞いてくる。
「まだ、な」
『・・・そう・・・。不満ならすぐにあなたの魔法で消せばいいわ』
「・・・お前、コイツになんか恨みでもあるのか? いや、お前の表人格を殺そうとしたから恨みがないわけないだろうけど」
『・・・そうね。私がこの子に憑く原因を作ったのはこの男だし、殺したいのは山々なんだけど、あなたが堪えているから私も堪えるわ。それに、殺したら色々と面倒な気がするしね。あなたが』
「殺すなよ?」
『殺さないわ。多分』
「・・・・・・」
『なによ?』
「・・・いや、なんでもない」
本当か? と続けて、先ほどの疑問を解消しようと思ったが、セレーナの顔を見てやめた。
完全の無表情。
しかし、その目にはとてつもない殺意が渦巻いていた。
中途半端ですみません
体調不良と多忙によって、しばらく休載します
次話投稿は未定です




