第一章)第五十九話 襲撃 ⑩
前話、今話についてですが(一応前々話も)、今、自分の住んでいる県の山が噴火してしまいましたが、そういう時にこのような連想される可能性のある話を書いて大丈夫なんでしょうか?
:セイト:
地中に魔法の発動兆候を感じた俺は、咄嗟に俺とセレーナの周り、半径3mの球状に耐物理障壁を形成した。ただ、『計算行動・第九技』によって、無理やり体感時間を引き伸ばして魔法式を組み上げたためか、少し不完全な状態になってしまっている。具体的に言えば、遮熱機能がうまくいっていない。障壁の外で流れている溶岩が、超高熱ということもあるのだろうが、組み上げる予定だった魔法では完全に遮熱できるはずだった。
「・・・流石にこれはマズイな・・・・・・」
俺は、障壁内部の分子運動を減速させて気温を下げながら、セレーナの心配をする。
セレーナのほうに張った障壁も同じ魔法式を使っている。つまり、セレーナの方も高温に包まれているということだ。しかも、俺の方と違って冷却ができない。
別に目視しなくても、指定座標に魔法を使うことはできる。でも、その指定座標の基準となる自分の魔力、つまり障壁の魔力が周りの溶岩で特定できないのだ。気配探知も同じ理由で使えない。あと、わざわざ魔力を感知しなくても、セレーナのいた位置に魔法を使えばいいとも思うかもしれないが、地中から吹き上げてくる溶岩で、俺もセレーナも元の位置からかなり動いてしまっている。噴火口がかなりの広範囲で、更に、俺とセレーナの位置が絶えず動いているため『計算行動』でも正確な位置が特定できない。
『破壊』属性の魔法でこの溶岩ごと消し飛ばすということもあるが、禁級規模の魔法による噴火をまるごと破壊するのには魔力が足りない。というか、消し飛ばせてもそれによる被害が酷い事になる。
『魔法破壊』は、魔法式を破壊して、魔法によって発生した現象を破壊するというだけなため、魔法によって方向性が与えられただけの魔法に対しては全く効果がない。さっきまでの『大津波』のように、物理法則をある程度以上無視している魔法以外では、発動前に魔法式を破壊しないといけない。まあ、どちらにせよ魔法式の場所が特定できないし、魔力も足りないのだが。
「・・・・・・やばいかもしれないな」
普通だったら完全に手詰まりだ。
「・・・・・・でもまあ、」
しかし、俺にとっては、
「『予測』の範囲内だ」
そう言った直後、摂氏1200度からマイナス30度まで、急冷凍されて脆くなった溶岩が、轟音を立てて崩れ落ちた。
次話投稿は来週中の予定ですが、前書きのことに対して「やめといたほうがいいんじゃね?」とかの意見があれば、展開が変わってしまうのでもっと遅くなると思います
何も意見がない、もしくは「大丈夫じゃね?」ならそのまま行きます




