第一章)第五十一話 襲撃 ②
予告よりも大幅に遅れて申し訳ありませんm(__)m
ほんと、マジで死にそうな体調なので
:セレーナ:
「『エレクトロン』」
セイト君がそう呟いた瞬間、後方に存在していたたくさんの魔族がいっせいに爆発する。魔族が爆発したせいか、あたりに焦げ臭い匂いが充満した。
「・・・何・・・今の魔法・・・?」
あまりの魔法の威力、そして前兆が全くなかったことに、思わず私は呟いていた。
魔法というものは、基本的に前兆というものが存在する。火を起こすにしても火花が散るし、水を出すにしても湿度が上昇する。でも、セイト君の魔法はそれが全くなかった。つまり、私の認識速度を越えるくらいの魔法発動速度ということ・・・。
―――実際には前兆、つまり、魔法式内の「~れば」「~たら」のような過程部分が五感では感じられないだけ、というか、感じたら死ぬのだが、そんなことを知らないセレーナは目を見開いていた。
本当にセイト君って何者なんだろう・・・。
私は、加勢したセイト君を眺めながらそんな風に思っていた。
――――――――――――――――
:セイト:
『エレクトロン』を発動してから、俺は加勢した。
『電子』
字の通り、電子をぶち当てて、水分子を加速させ対象の水分を蒸発、炸裂させる魔法だ。
別に、電子を使わずに分子運動を加速させるという魔法式でもいいのだが、それだと燃費が悪くなるから少し面倒だったけどこっちにした。・・・多分、後のことを考えると魔力的にはギリギリだろうからな。
冒険者達は、いきなり後方の魔族の軍勢が炸裂したことに目を白黒させながら、この機に押し返そうと武器を振っていた。
俺は雑魚を魔法を使わずに、雑魚を蹴散らしながらベルゼブブ達の方に向かって『計算行動・第六技・移動』を使用しながら高速で移動する。
ベルゼブブの方も俺に気づいたのか、魔法を発動する気配を見せた。それを見た俺は、ベルゼブブの魔法に向けて、ある魔法を発動させた。
「『次元せ・・・」
魔法発動座標を手の延長線上に設定して手を振ろうとしたベルゼブブの顔が驚愕に染まる。
発動途中、いや、既に発動していた魔法を『破壊』したのだ。
『魔法破壊』
俺の『破壊』属性を利用した対魔法用魔法。いわゆる対抗魔法とかいうやつだ。
実は、さっき魔法式を組むのに少し時間がかかっていたのは、これも同時に組んでいたからだ。『電子』の魔法式を組むのに時間がかかるといえど、そんな10秒以上かからない。時間がかかったのは、主に『魔法破壊』の方だ。
俺は、『魔法破壊』に驚いているベルゼブブに『計算行動・第五技・集中』を用いた掌底をぶち当てた。
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