第一章)三歳じゃないだろな第四話
はーい、前話から2年経ちました。
読書家の稲富誠斗こと、セイト=イルヴィナスです。
なんでいきなり2年後かって?
俺がちゃんと喋れるようになった以外、特に何もなかったからだよッ!そんでもって、今日やっと父親に会えるからだよッ!
そうッ!
生まれてから、まだ一度も父親に会ってないのだよッ!!
書斎にはよく行ったけどッ!!
いい加減切れるのやめろぉ?
セリムがうざったすぎて、キレっぽくなってるんだよッ!!
この前、
「かあ様ウザイ」
って言ったら、
「きゃー(≧∇≦)!!セイちゃんが喋ったぁ~~♪かわゆぃ~~♪」
と、喋った内容はガン無視された。そろそろ、セリムに対して怒っていいかね?
というか、三歳児は普通に喋るよな?あんの親馬鹿は、いつまでたっても子離れできんのかね?
そんな感じで、本を読みながらいろいろ考えていたら、何かが窓に近づいてきた。
まさか、父親じゃないだろうな?
バリンッ
窓を割って入ってきたのは、いかにも暗殺者ですと言っているような黒い格好をした人だった。そいつは、父親の書斎から持ってきていた本を読んでいる俺を見つけると、こっちに来て手に持った刀みたいなのを振り下ろしてきた。
俺は、それを本を見ながら躱す。
「チッ」
舌打ちすんなよ。
これ、俺の本じゃないから斬られるわけにはいけんのだよ。というか、この本面白いんだぞ。日本で言うところのラノベ的なやつ。タイトルは『ザ・冒険記』。タイトルは意味わからんが、笑いアリ、友情アリ、グロアリ的なやつ。意味わからんかな。俺の解説力に期待するな。簡単に言うと、主役がバトって、友情結んで、大量虐殺して、ハーレムつくるやつだ。放送禁止用語もバンバン出てくる。なんでこんな本があるんだ?
「なんで当たらねえんだッ!!(小言)」
いい加減、うっとおしいな。ここは、
バシッ
「んな、、、ッ!?」
片手真剣白刃取り~。
左手の親指と人差し指でやってみたけど、案外簡単だな。あ、そうそう、この世界では左手が利き手の人が多いけど、俺は右だぜ。左っぽく振舞っているがな。
暗殺者(仮)は刀が動かないのを悟ると、刀から手を離して左足で回し蹴りを繰り出してきた。それを見た俺は、前世でも使っていた特異技を使った。
『計算行動・第四技・流し』
次の瞬間、俺の脇腹に回し蹴りがヒットする。と、同時に、俺は体を不自然に動かした。
バギッ
そして、回し蹴りに込められていた運動エネルギーの全てが俺の左足下の床に流れ、床板が折れた。
うわ、何気スゲエ威力。俺じゃなかったら内臓潰れてたぞ。
『計算行動・第四技・流し』は、相手の攻撃の方向、力量、速度などを見て、頭の中で計算、処理し、それに合わせて運動エネルギーを受け流す技なんだが・・・この体でもあっさりできたな。前世の俺は血を吐くような努力をしたっていうのに。まあ、計算部分が一番重要だから、体の方はいいんだろうけど。ちなみに、この技は『計算行動』の中で、最も簡単な技だ。
「な・・・ッ!?」
と、暗殺者(仮)君は、今更俺がダメージがゼロなのに気づいたようだ。驚愕したが、それも一瞬、流れるような動きで踵落としをくらわせようとする。おお、結構綺麗なフォームじゃん。なら、これぐらいの力加減と速度かな?
頭の中で膨大な計算処理をしながら、今度は、俺も明確に動いた。ただし、本を読みながら。
『計算運動・第二技・反射』
俺は踵落としに対して、垂直に手の平を突き出す。大した力も入れずに。
そして、手の平にぶつかった踵落としは、逆に上方に跳ね返り、暗殺者(仮)の顔面に激突した。顔面に、自分の踵落とし(上げというべきか?)をくらった暗殺者(仮)は、そのまま気絶した。
『計算行動・第二技・反射』は、『第四技・流し』と同じように、攻撃の方向、力量、速度などを見て、頭の中で計算、処理し、それに合わせる技なのだが、受け流すのではなく、そのまま反射させるのだ。難易度的には、『第四技・流し』よりもちょっと難しいぐらいかな。
それにしても、この暗殺者(仮)は、どうすればいいかな?
そう考えた次の瞬間、扉がバーンッって開いて、20歳くらいの男が入ってきた。
「セイト~、お父さんだぞ~。って、おい、この状況は何なんだ!!」
なーんだ、この男は俺の父親か。
にしても、
倒れている暗殺者(仮)と、その上で本を読んでいる俺。傍から見たら意味わからんわな。
今日はここまでです。
といっても、ストックゼロなんで、いつになるかわかりませんが、週一くらいのペースで書こうと思っています。




