第一章)第二十二話 ロリコン
全裸のセレーナ。
俺は頭が真っ白になる・・・訳でもなく、赤面する・・・訳でもなく、ただ一言。
「服を着ろ」
これだけを言った。俺でも、女性の全裸を見れば動揺してすぐさま謝る。でも、相手は7歳。俺の精神年齢は15+7で22歳。俺はロリコンではないから、いくら相手が美少女、というか美幼女(どれぐらいの年齢が幼女なのかがよく分からないが)でも、興奮とかしない。まあ、中学生くらいなら守備範囲かな?
十分ロリコンだろ!!という声はなかったことにする
直ぐに謝らなかったのは、相手の性格から必要性を感じなかったからというのと、どう考えても俺の反応を楽しもうとしていたからだ。実際、望み通りの反応をしてくれなかった為か、頬を膨らませて言い返してきた。
『服がないわ』
「さっきの服は?」
『干してある』
「火属性の魔法は使えないのか?」
『私は使えないわ』
「表人格の方が使えるってか?意味がわからんな。対応属性は人格ごとに変わるわけじゃないだろ。あくまで体のほうの資質で変わるはずだが?」
俺は尋ねながら、『分子運動を加速させて、水の温度を上げて蒸発させる』魔法でボロ服の水分を蒸発させる。
『それについても知ってるけど教えないわ』
「そんなとこだろうと思ったよ」
瞬時に乾かした服を渡す。セレーナの答えはある程度は予想できていたため、特に驚かなかった。
『次は私が質問していいかしら?』
「なんだ?」
『あなたは何者?』
「それはどういう意味だ?」
ボロ服を着る・・・というよりまといながら質問してくるセレーナに、俺は少しだけ殺気を出す。・・・今思ったんだが、どうやって自分の体を乾かしたんだろう?それに、何者?と聞かれても、実力に対する質問か、素性に対するものなのかわからん。
『そのままの意味よ』
俺の殺気を全く意に介さないで言葉を返してくる。まあ、あの師匠のような気配を持っていたセレーナなら当たり前だろうがな。というか、そのままの意味っていうのは実力に対することではなく、素性について聞いているということなのか?
「ならお前が感じた通りだ」
『そう・・・。なら、あなたは相当な化物ね』
「・・・お前ほどじゃないがな」
俺のその呟きに、セレーナは目を細めた。というか、聞いてたのは素性じゃなくて実力の方だったのか。
『・・・ねえ』
「なんだ?」
『・・・あなた、本当に何者?』
「・・・」
今度は恐らく素性についてだろけど、答えるつもりはない。だから、黙り込んだ。数秒程こちらを見つめたセレーナだったが、俺が答えないと見ると、フッと息を漏らし、やれやれと首を振る。
『まあいいわ。でも間違ってるわよ』
「・・・なにがだよ」
『あなたの『黒の力』と『Calculation behavior』の力に対しては私は無力だわ』
「・・・ッ!?」
俺は思わず、目を見開いてしまった。
今、確かにこう聞こえた。
Calculation behavior
つまり、『計算行動』だった。




