表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒天の破壊者  作者: Solu
第一章 暴食の大陸編
21/60

第一章)第二十一話 多重人格

 話し合った結果、魔王は捨てておいた。目を覚ましても、もうこちらを襲ってくることはないだろうからな。


 「で、お前はいったい何者なんだ?」


 魔王を適当な場所に捨ててきて、一段落した所で、俺は赤い目の少女に聞いた。


 『答えると思う?』

 「思わないな」


 今のところ味方とはいえ、簡単に情報を渡すのは馬鹿のやることだ。この世界の奴らはそのくらい馬鹿なのだが、のこの少女はそうは思えない。ならば教えるはずがない。・・・と、思ったのだが・・・


 『じゃあ教えるわ』

 「はァッ!?」


 予想外の事に思わず声を荒げてしまった。


 『えっとね、まず正体から言っちゃうと・・・』

 「おいおいおいおい、マジで言うのかよ」


 まさか、ホントに言うつもりなのか!?


 『私は翠の目の子、つまりこの体の本来存在している人格の・・・』

 「そこからネタバレになりそうだからやめようねッ!?」


 というか、人格とか言ってる時点でもうアウトだけどね。


 『いや、ここまで言ったらもうアウトじゃない』

 「それさっきの言葉言ってから直ぐに思ったよ」

 『という訳で、最後まで言っちゃうけどいいわよね?』

 「・・・思ったんだけど、俺が何故止めたのか意味分かんないな」

 『奇遇ね。私も今そう思ってた』


 まあ、あれだ。流れ的な?


 『とにかく、私は《裏人格》みたいなものなのよ』

 「そんなとこだと思ったよ」


 人格がどうのこうのって言うと、大抵多重人格的な感じだからな。でも、一つだけ気になることがあるな。


 「だけど、なんで目の色が変わるんだ?」


 この問に対する答えは、ややこしかった。


 『私も知らないわ』

 「知らねえのかよッ!?」

 『というのは冗談』

 「冗談かよ!?」

 『というのが冗談』

 「どっちだよ!?」

 『知ってるけど言わない』

 「最初に言えよそれを!!」


 ・・・なんというか、ペースを崩されるな。翠色の方の少女とは全く違う。いや、あの時は、初対面だったから猫被っていて、本来の性格がこんなんだったかもしれない。


 『他に何か聞きたいことはある?』


 他に聞きたいことか・・・。なら、


 「グリフォンを殺したのはお前の方だよな?」

 『ええ、そうよ。あと、私達の名前はセレーナよ。この子も言ってたでしょ』


 あ、あの時、俺が聞いてなかったのはそれか。


 「じゃあ、セレーナ」

 『なぁに?』

 「その血だらけの服何とかしてくれ」


――――――――――――――― 


 セレーナが川で服を洗っている間、俺は勿論、のぞき見を・・・するわけないだろ!!

 布団に入って寝たふりをして気配察知で周囲の警戒と、そして、セレーナが妙なことをしないように見張っていた(見てはいないが)。

 と、服を洗い終わったのか、セレーナが俺の方に近寄ってくる気配がした。


 「洗い終わったのか?」


 そう聞いて、振り向いた俺の目に映ったのは、服を着ていない、つまり、全裸のセレーナだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ