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アキドル!  作者: パンケーキ
1章
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1章⑦

「いらっしゃい」


 『純風』のドアを開けると、ひんやりした風と共に原垣内が出迎えてくれた。

 どうやらテーブル拭きの最中だったらしく、原垣内の右手には布巾が握られていた。


「おい、原垣内。前からお前に言おうと思っていたことがあるんだけど――」

「何?」

「――どうしてお前はそっちの服を着ているんだ?」


 呆れた顔をしながら、俺は思っていたことをそのまま口にした

 お前は正真正銘女の子だろうが。なぜ俺と同じ男性用の制服を着ている。

 いくら店長のきまぐれとはいえ、律儀に男性用の制服を着る必要はないんだぞ?

 原垣内は自分の着ている服をじっと見つめた。


「動きやすいから、こっちがいい」


 無表情のまま原垣内はゆっくりと呟いた。

 女の子の制服より男の制服の方が確かに動きやすいのはわかるけどさ……。

 

「小夜はどっち着ても似合ってるんだから、別にいいじゃない」


 ゴミ出しから戻ってきた明が、俺たちの間に割って入るように言った。

 いや、どう考えてもおかしいと思うぞ。

 原垣内は女の子なんだからさ、やっぱり女の子の制服を着るべきだろう。


「小夜の服をどうこう言う前に、入るならさっさと入りなさいよ。せっかくの冷房が外に逃げちゃうじゃない」


 明に急かされるように、俺は店内へ入った。

 店内には、テーブル席にサラリーマンが一人、それとカウンター席に番田が座っていた。

 今日、バイトが入っているのは俺と明、そして原垣内の三人。

 番田はシフトが入ってないので、ただの客として来たのだろう。

 時計を見ると、針は2時頃を指していた。

 バイトの時間まで、あと1時間ぐらい余裕がある。

 外は暑いし、時間までここでくつろいでいるとしますか……。

 俺はアイスコーヒーを注文してから、番田の隣のカウンター席に腰を下ろした。


「何だ、相模じゃないか」


 番田はゲームに視線を向けたままぶっきらぼうに言った。


「常々、お前に訊きたいことがあるのだが……」

「何さ?」

「運動部でもねえのに、何でお前は学校のジャージ姿なんだよ」


 俺は番田の着ているジャージを見ながら言った。

 番田が着ている白のラインが入った赤いジャージは、紛れもない一葉高校のジャージ(2年生)である。


「これがあたしの私服なんだよ」


 番田はしれっとした顔で答えた。

 いや、いくらなんでも私服がジャージって、ダサすぎるだろう。


「お前ぐらいの女の子ってさ、もう少しおしゃれとかに気を遣ってると思うんだけど……」

「他人は他人、あたしはあたし」


 まあ、番田がそれでいいのなら、それでいいのか?


「今日はヨドカメに行かないのか?」

「暑すぎるんだよ。だから今日はここで涼みながら遊ぶことにしたんだよ。そんなことよりさ――」


 番田はゲームの手を止めて、俺に携帯ゲームを見せた。

 画面には、ボーカロイドマスコットの『MILK』が音楽に合わせてリズムをとっていた。

 どうやら、また『VR―EX』をプレイしていたらしい。

 まったく、こいつの『VR―EX』好きにはほとほと呆れてしまう。


「暇なら一勝負付き合ってくれない?」


 冗談ではない。

 最高難易度を目隠しでプレイできるような奴なんかと、誰が勝負するか。

 それに、俺はもう二度、番田と勝負はしないって、心に誓ったんだ。

 例え店長の命令でも、絶対に勝負なんかしねえからな。


「何だ、つまんないの」


 番田はつまらなそうな顔をしたあと、ゲームを再開した。


「ありがとうございました」


 テーブル席に座っていた客が店を出ていくと、店内は静けさに包まれた。

 書き入れ時の時間だと言うのに、『純風』は今日も閑古鳥が鳴いている。

 この調子だと、8月いっぱいとは言わず、今月いっぱいで閉店になっても可笑しくはないよな……。


「今日も客が少ないわね……」


 いつの間にか明はカウンター席に座り、頬杖をつきながら退屈そうな顔で言った。


「おい、お前はバイト中だろうが。ちゃんと仕事をしろよ」

「いいじゃない。だってお客さんが一人もいないんだから」

「客なら目の前にいるだろうが」

「誰よ」

「俺だよ。アイスコーヒー、頼んだんだからさっさと出してくれ」

「わかったわよ」


 明は面倒くさそうに小夜の方に振り向いて、


「小夜、アイスコーヒー一つだって」と言った。


「だからお前が働けって言ってるんだよ」

「あー、もう!煩いなぁ」


 明はうんざりした顔で立ち上がり、カウンターに入ってアイスコーヒーを淹れて目の前に置いた。

 バイトとしての責務を果たしたつもりなのか、カウンターから出てきた明は再び椅子に座って頬杖をついた。

 いや、だからお前はバイト中だろうが!


「そういえば、お前、店長に話があったんじゃないのか?」

「店長は外出中。小夜が昼食取りに行くと言って出て行ったらしいの」

「そうか。じゃあ、まだ店長には話してないのか?」

「そう。せっかく早く来たのに、また話せずじまいよ」


 明はため息一つついた後、テーブルに突っ伏した。

 だから、お前はバイト中なんだから仕事しろよ。

 俺はアイスコーヒーを飲みながらジト目で明を睨んでやった。

 ひんやりとしたコーヒー独特の苦味と酸味が口の中に広がる。

 うむ、香りも味もよし。やっぱり『@M@ID』のコーヒーなんかより、『純風』のコーヒーの方が格段に美味しいな。


「そういえば、晶」

「何だ?」


 アイスコーヒーに口をつけると、明は何かを思い出したように口を開いた。


「あんたさ、放課後に委員長と二人で何していたの?」


 鼻からアイスコーヒーを噴出しそうになった。


「な、なんで知ってるんだよ!」

「あんたと委員長が一緒に教室を出て行くのを、見ていたからに決まってるじゃない」


 こいつ、しっかりと目撃してるいやがったか。

 余計なことに首を突っ込んでほしくないから、気づかれないようにこっそり教室を出たつもりだったのに――。


「まあ、晶のことだから、委員長を怒らせることをしたんでしょ?」

「学園祭の実行委員会を忘れていた奴に言われたくないね」


 皮肉をたっぷりと込めながら言い返してやった。


「べ、別にあれは忘れてたわけじゃないし!じゃあ、あんたは委員長と二人で何してたのよ」

「何だ、知りたいのか?」

「別に、言いたくないならいいわよ」


 勿体ぶった態度が気に食わなかったのか、明は素っ気ない態度で顔を背けた。

 と思ったら、ちらりと俺の顔を横目で睨んできた。

 なんだよ、やっぱり気になるんじゃねえか。


「やっぱりお前、俺が笹川さんと一緒にいたのが気になるんだろ?」

「だから気になってないって言ってるでしょう。このバカ」


 明は無言のまま、俺の右足を力いっぱい踏みつけてきた。

 右足の甲に強い痛みが走る。

 あまりの痛みに思わず飛び跳ねそうになった。


「痛いじゃねえか、暴力地味女。少しは加減ってものを考えろ!」

「バカなことを言った、あ・ん・た・がいけないのよ」


 今度こそ本当に、明は顔を背けてしまった。

 やれやれ。結果はどうあれ、余計な詮索をされずに済みそうだ。


「あれ、小夜。買い出し?」


 明は買い出しの準備をしていた原垣内に気づき、声をかけた。


「牛乳、切れてた。補充しないと」

「そうなの?晶、小夜の代わりにちょっと買い出しに行ってきてよ」


 バイト前の俺に向かって、当たり前のように言ってのけた。

 何で俺が行かないといけないんだよ。


「俺、まだ、バイト前。それに、買い出しは原垣内の仕事じゃないか」

「あんたね、小夜ちゃんをあの暑さのなかで買い出しに行かせる気なの?」

「だから、そう思っているならお前が行けばいいじゃねえか。仕事中だろ?」

「私じゃなくて、あんたが行くのよ!」


 結局、明に押し切られる形で、半ば強引に買い出しに行かざるをえなくなった。

 アイスコーヒーを一気に飲み干し、俺は苛立った表情でしぶしぶと重い腰をあげた。

 

「お願い」

「Y-Sストアでいいよな?」


 原垣内からお金を受け取る。

 明、この借りは高くつくからな。

 冷房の効いた店内を名残惜しむように『純風』を出た。


 『純風』を出た途端、太陽から放出される熱とアスファルトから滲み出る熱の両方に襲われた。

 暑い、暑いぞ!

 なんでこのクソ暑いなか、買い出しに行かないといけないのだ!

 ああ、エアコンの冷たい風が恋しい。

 さっさと買い出しを済ませて『純風』に戻ろう。そうだ、それが一番だ。

 俺は歩調を早め、Y-Sストアへ向かった。

 

 人混みをかき分けるように中央通りを抜けて、田代通りに差し掛かる。

 UDXの1階にあるY-Sストアで牛乳を購入してから、今度は来た道を引き返した。

 再び中央通りを抜けてから、ジャンク通りに差し掛かったところで少し歩調を緩めた。

 おそらく、ジャンク通りは混んでるから一本先の道を行こう。

 ジャンク通りを横切り、もう一本先の十字路まで来たところで見覚えのある姿を見つけた。


 肩にかかるくらいの黒髪のストレートヘアーと整った前髪と凛々しい顔立ち。

 彼女は清涼感のある水色のワンピースに身を包み、白い帽子をかぶっていた。

 アキバには似つかわしくない気品のある容姿はなかなか忘れることが出来ない。

 あれって――、一条さんだよな?

 こんなところで何しているんだろう。

 一条さんは右手にメモらしき紙切れを持ち、きょろきょろと辺りを物珍しそうに見回していた。

 どうやら何かを探しているようだ。


「一条さん?」

「はい」


 俺は一条さんに声をかけた。

 一条さんは俺の声に気づき、俺の方へ振り返った。


「あ、相模さん。こんにちは」


 一条さんは恭しく頭を下げた。


「やあ、一条さん」

「またお逢いしましたね♪」


 相変わらず言葉遣いや振る舞いが丁寧な人だ。


「今日も買い物?」

「はい。先ほども中央通りのアニメショップで、マンガをいくつか買ってきたばかりです」


 一条さんは持っていた買い物袋を見せてきた。

 出会ってまだ三日しか経ってないが、俺と一条さんはすっかり打ち解けあっている。

 というか、こんなに早く打ち解けたのは、ひとえに彼女が人見知りをしない性格だからかもしれない。


「それで、どうしてこんな場所に?」

「実は、買い物ついでにどうしても行ってみたい場所があって、探していたんです」

「行ってみたい場所?」

「古い喫茶店なんですけど、このあたりにあるのはわかっているのですが、詳しい場所がわからなくてどうしようかと――」


 一条さんはこめかみに手を当てた。

 なるほど、古い喫茶店ねー。

 ここら辺で古い喫茶店と言ったら、『純風』ぐらいしかないけど――。


「お店の名前は?」

「名前は確か――」


 一条さんはしばらく考え込んでから、手をぽんと叩いた。


「思い出しました。確か、『純風』って名前だったと思います」


 へえー、それはびっくり。

 俺が働いているところと同じ店の名前だな。

 俺の知る限り、『純風』って名前の店はアキバで一つしないけどね。


「晶さん、アキバには詳しいっておっしゃってましたよね?ひょっとして、ご存じないですか?」


 一条さんは何かを期待するような眼差しで、俺の顔をじっと見つめてきた。

 うん、『純風』ならよく知ってるよ。

 よーく、ね――。



  ♪ ♪ ♪



「相模晶、戻りましたー」

「お、ようやく戻って来たな」


 店の中へ入ると、何故か番田が迎えてくれた。

 しかも、ゲームをしていたはずだったの番田が、何故かテーブル拭きをしていた。

 まさに青天の霹靂。

 明日は雷雨でも降ってくるんじゃないか?

 っていうか、なんでお前が働いているんだよ。


「おかえり」

「はい、これ牛乳」


 俺は買ってきた牛乳を原垣内に手渡した。


「ありがとう」


 原垣内は牛乳を受け取ると、店に備え付けられている冷蔵庫にしまい込んだ。


「晶、その可愛いお嬢さんは誰なのさ」と、テーブル拭きを終えた番田が俺の隣に立っている一条さんに視線を向けた。


 俺は一条さんの探していた店が『純風』だと知り、彼女をここまで連れてきたのだ。


「初めまして、私は一条楓と申します」


 一条さんは番田に向かって深々と頭を垂れた。


「あ、ああ。あたしは番田結城。見てのとおり、この店でバイトしてるんだ」

「はい、結城さんですね。よろしくお願いします」

「おい、晶」


 番田は俺の腕をつんつんと小突きながら、小声で話しかけてきた。


「何だ?」

「あんた、一体どういうつもりよ」

「何のことだよ」

「決まってるじゃない」


 番田は一条さんの方をちらりと目をやった。


「原垣内小夜、よろしく」

「小夜さんですね。よろしくお願いします」


 一条さんと原垣内は互いに自己紹介をしていた。

 番田は視線を戻し、


「どこから攫ってきたって意味よ。あの子、如何にもお嬢様って感じじゃない」


 いつになく真剣な面持ちで言った。


「攫ってきたとか人聞きの悪いこと言うな。彼女がこの店に来たいっていうから連れてきたんだよ」

「相模、嘘をつくのならもう少しマシな嘘をつくんだね。そんなことじゃあ、あたしはごまかせないよ」

「いや、だから本当なんだって!」

「あのー、どうかしましたか?」


 俺と番田をやりとりを見て、一条さんは首を傾げながら訊いてきた。


「いや、別に!」

「うん、何でもないよ!」


 慌てて俺たちは首を揃えて横に振った。


「そういえば、なんでお前が働いているんだよ」

「押し付けられたんだよ。明の奴、店長が店に来た途端、大事な話があると言って店長と一緒に事務所へ行っちまったんだよ」


 番田は頭をかきながら、うんざりした顔で答えた。


「悪いけどさ、二階に行ったら明に下を手伝えって言っておいてくれる?」

「わかった。それじゃあ一条さん。俺はこれから仕事だから、何か適当に空いている席に座ってください」

「はい、それじゃあお言葉に甘えさせていただきますね」


 一条さんはレジで立っている原垣内のところへ行った。


「注文は?」

「そうですね……ロイヤルミルクティーとミルクレープもいいですけど、アメリカンにチョコクレープも捨てがたいですね」


 メニュー表をじっと見つめる一条さんを横目に、俺は店の制服に着替えるために『純風』を出た。

 店の横にある階段から二階へ上がり、事務所の反対側にある更衣室に入った。

 更衣室に入り、店の制服に着替えた後、番田に言われた通り明に声をかけようと事務所に入ろうとした。


「店長、お願いです!」


 ドアノブに手をかけようとしたところで、事務所のドアが少しだけ開いていることに気づいた。

 俺は耳を澄まし、ドアの隙間から事務所を覗いた。

 事務所では店長がソファに座り、店長に向き合う形で明が立っていた。

 どうやら話し中みたいだな。

 タイミングを完全に外した俺は、二人の話が終わるまで外で待つことにした。


「絶対にアキドルGPで優勝してみせます。ですから、もし優勝できたときには『純風』を辞めるって話を撤回してほしいんです」


 店長は真剣な面持ちで、明の話に耳を傾けていた。


「明ちゃんの言いたいことはよくわかったわ。確かに、アキドルGPで優勝できれば『純風』の宣伝にもなるし、売り上げだって今以上に良くなると思うわね」

「それじゃあ」

「まさか、明ちゃん一人でアキドルGPに出場するつもりじゃないわよね?」

「そ、それは……」


 店長の鋭い指摘に言葉を失った明は、唇をぎゅっと閉じた。


「アキドルGPに出場するためには、最低でも3人以上のアイドルグループを結成しなければならないのよ。明ちゃん、あなた以外にメンバーはいるの?」

「そ、それは――これから集めます」

「それじゃあ、話にならないわ。アキドルGPに出場したいなら、まずはメンバーを集めてからにしてちょうだい」

「それじゃあ、最低でも3人以上、メンバーを集めることが出来たら、出場を認めてくれるんですね?」

「ええ、もちろんよ」

「わかりました。だったら、絶対にメンバーを集めて見せます」


 明は力強く言うと、事務所から出て行こうとした。

 明がドアを開けると、事務所を覗いていた俺と目が合った。


「晶、あんたそんなところでなに突っ立っているの?」

「着替えついでに、お前を呼んで来いって番田に言われたんだよ」


 明に告げると、明は思い出したような顔をして階段を降りて行った。


「で、どうだったんだよ。店長っはアキドルGPの出場を認めてくれたのか?」

「ううん、ダメだって。最低でもメンバーを3人以上集めないと、出場はできないって言われたわ」

「3人か――それは難しいな」

「そう?3人ならすぐに集められるわよ」


 明は言葉の意味を理解していないらしく何食わぬ顔で言った。


「お前、まさかわかってないと思うけど、メンバーは『純風』の中から集めないといけないんだぞ?それってかなり難しいと思うんだが――」

「『純風』の中から――それって」


 どうやら、言葉の意味を理解したらしい。

 しまったそういうことかだったのか、と顔に書いてあった。


「ウチのバイトの中で、アキドルGPに出てくれそうなやつ、お前以外にいるのか?」

「そ、そうだったよ。み、みんなー、私の話を聞いてー!」


 明は情けない声をあげながら、階段を滑り落ちるように降りて行った。

 やっぱりお前、わかってなかったのかよ――。

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