クソだせえ女。
ホテルに戻って来た健二
東京に来る理由は、金を稼ぐ為。
強盗。強奪。
これは、復習だと、自分に言い聞かせてある・・
ぶざまだった。
伸びた首。
穴と言う穴から垂れ流れる体液、異物。異臭。
東京にも、仲のいい女は居た・・・
1年前までは。
涙が流れ出す。
貧乏が嫌いだ。
幼少期の、腹が減ってるのを、我慢してた気持ち、体の不調・・
未だに、途切れることのない記憶、痛み。
自分の指を舐め続けた。
ただ恋しかった・・・
帰ってこない親・・・
だからか、今でも、女の前では、子供の様に甘える。
なぜか、博多真美とエッチしてる時も涙がでた。
やさしく抱きしめられたから
抱きしめてくれた感覚で、少し昔の記憶の一部が押し出された様な・・
くだらないナンパした女だった、いやそうだった
たまに、都合よく遊ぶだけの女
俺は愛してはいなかった・・・
本当にクソかもしれないけど・・俺と一緒の貧乏の匂いがしたから・・
勇気を振り絞り、
恥かしさも何もかんも、押し殺して俺に頼んだ
「勝手かも知れないけど、助けて・・」女
金のトラブルで、出てくるヤクザや不良。
これが、本当かどうかも・・・疑う自分
一度エッチしただけ・・
「考えさせて・・少し・・」健二
そうっ、ちょっとだけ・・ちょっとだけだから・・
自分の貧乏だった嫌な思い出の胸の痛みが、また、きたから・・
やっぱり気になったから、向かったお前の家
携帯電話も、料金払ってないから止まってるし・・
家に行って、分かった現実
家具も、まだ何も無い部屋、
限られた服の数での、オシャレ。
だせえなって、思ってた俺が居た。
大体同じ服を着てくる女。
いつも、お金が無いからと、言って、遠慮ガチに・・・
おごってやるって、言っても、安いものしか頼まなかった。
気づかなかった・・こんなにも困窮してたなんて・・
一度だけ来た事がある。
その時は、お前は嘘を付いたんだ・・・
まだ、引越して来たばっかりだから、何も無いって・・
ずっと、ないじゃん・・
汚いなんて、思えなかった。
悪いけど、警察が来る前に、女の首吊った遺体を降ろした
俺のこんな、僅かな量の涙じゃ、綺麗に流しきれない
「・・君は、彼女の、知り合いになるのかな?」警察
「・・・・彼氏ですっ・・」健二(せめて、俺の女で・・)
警察に聞けば親の、在りもしない借金を払い続けてたみたいだ
毎日取立てに、やってくるヤクザ・・
その兵隊の不良グループ・・
騙されてただけ・・・ただの詐欺。
会いたいよ・・・ごめん・・・
本当は、愛してたから・・・
愛してないと、俺、エッチなんてしないから・・
俺の幼少期の貧乏の思い出が、止めてただけなんだ、素直な感情を
僅かに得た情報で、正義で立ち向かう。
手下の不良グループは分かった。
だが、大人数の不良達の前にたどり着けない
その奥に・・若者の後ろに隠れ続けて出てこないヤクザ・・
あれが、そうだ・・どこの・・どいつだ?
突破できない・・・たどり着けない・・・
だが荒々しい波が、引いていく・・・
ただ声も出さずに歩いてくる女
義足・・・
すぐ分かった・・カクッ・・カクッと、歩くリズム。
こんなに綺麗な女性が・・・
何が悪いんだと、言わんばかり
いや、それを、補うほどの、能力を持っているのか・・
子供だった・・まだ俺が・・・
そう・・ただ・・勝てばいい。
貧乏を忘れる為に・・
もっと、愛されたいから・・
ホテルのベッド
「ふ~・・・また、思い出してた・・・
どうせ、ヤクザの親分の女か何かだろ・・・それか娘か?
だが・・・・・輝いていた・・・綺麗だった・・・・・・」健二
何もかも、見透かされてたような・・・
俺の、くだらない子供のプライド・・・
正義が負けるわけないと、思ってた、くだらない言い聞かせ・・
僅か一瞬だったし、俺は、グチャグチャにやられて、腫れた顔
誰も、今、あの時のガキが、この俺、ヤクケンだとは思ってない・・
そう、あの、義足の女・・・・・・・大阪真美さえも。
「止めれるもんなら・・・・止めてみろやっ」健二