党首討論に出なければ「逆に野党の支持率が下がる」様相だったのに、高市総理が党首討論に応じた理由――自民党内部が最大の敵なのか!?
筆者:
今回は与野党は7月6日、高市早苗首相が出席する参院予算委員会の集中審議と党首討論の開催で合意したことについて、「裏」でどういうやり取りが起きたから開催されることになったのかについて個人的な意見を述べていこうと思います。
まず前提の状況として与野党が予算の集中審議と党首討論を約束していたにもかかわらず、高市総理が拒んでいたために野党が委員会や本会議をこの1週間以上欠席する状況でした。
僕の感覚としては高市総理が約束を破ったことは確かに問題ではあるものの、法律や規則上においては何ら違反していません。
そのために、野党が職務放棄する理由にはならないのではないか? そんなに法案に問題があるのなら質疑で異常さを白日の下に晒すべきだという事で大いに野党の行動に対して僕は不満でした。
※https://ncode.syosetu.com/n5921mk/ 詳しくはこちらで書きましたが、勿論与党の提出している定数削減や副首都などの法案に不満はありますが、それに対抗する手段が「欠席」言うのは妥当では無いという事です。
JNNの世論調査では。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2781508?page=2
僕の読み通り国民の71%は「野党の行動に反発」していると言う結果になっています。
つまり、「この状況が長引けば高市総理は答弁に答える必要が無い上に野党の評価が下がる事で圧倒的に有利」である上に「60日延長で再可決」することで法案を通すことも可能だったのです。
質問者:
確かにその状況下で集中審議や党首討論をやる意味って無いですよね……。
でも、下の記事にあるように歴代首相の衆参予算委集中審議の出席時間の比較では高市総理は現在29時間台、菅義偉総理以降では53時間が最低だったので極めて少ない状況なので答弁にいよいよ出ようと言うことは無いんですか?
https://mainichi.jp/articles/20260706/k00/00m/010/341000c
筆者:
高市総理は「ほとんど睡眠もとっていません」
「報道を見ても(答弁の)一部が切り取られることで全体像が明らかにならず、混乱を招くことになる。首相としての業務時間も確保できなくなっている」
「書面回答で詳細な答弁とさせていただきたい」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/496666
としています。
正直なところ「台本を相互に読み合っている国会」であるのが本質だと分かっていると、その答弁書を世間に周知してくれれば何ら問題が無いことが分かりますけど、
追及をしている側としては「逃げている」としているという感じです。
ですから、高市総理としては「出るのが義務で無いのなら出たくない」と言う方向性だと思います。
◇ ではなぜ参議院だけ出席することにしたのか?
質問者:
そうなるとどうして高市総理が党首討論などに出席することに転換したのか分かりません……。
筆者:
一つあるのが「会期延長」をすると「秋の臨時国会」と重なってくるからです。
今回の国会は衆議院解散をしたために始まったのが非常に遅れました。そのために日数を確保したところ本来であれば6月中旬から下旬ぐらいには会期末になるところを、7月17日が現在の会期末なので、1か月ほどずれ込んでいるんです。
その上で2カ月延長すれば9月17日まで通常国会が延長します。例年では秋の臨時国会は10月なので、もうほとんど「1年中通常国会」やっているような感じになるんです。
正直、秋に先送りしてそこでリスタートしたって成立すると思うんですけど、
「どうしても今国会中に決めたい」という謎の思惑があるのかもしれません。
都市伝説や陰謀論に染まった僕からすると「シナリオ通りにやれ」という事なんだと思っちゃいますけど(笑)。
とにかく仮に60日も延長すれば前例がない事態になるということです。
質問者:
確かに今年は2月の選挙から今まで政治の話がずっと続いているような気がしますね……。
筆者:
また、自民党参議院から反発があるようです。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260706-GYT1T00092/
この記事のラストには、「60日ルールを使えば、参院不要論につながる」と自民党参議院からの反発が書いてあります。
これは例え参議院が開かれなくとも衆議院が通過してから60日を経過すれば「否決したものとみなす」と言う規定です。
どの道成立するのに、これが何の影響があるの? と思われるかもしれませんが、次の国政選挙は常識的に見たら解散は無いので2年後の参議院選挙となっています。
「参議院軽視」なんて衆議院で再可決すれば良いんじゃないの? と思うかもしれませんけど、参議院を開くことも無いまま再可決をすると、参議院の自民党内でも「自分たちの存在意義」と言うのが危ぶまれ、大きく不満が高まるんです。
そうなると、次の総裁選挙にも影響が出かねないんです。
どちらかと言うと、高市総理は「総裁選を見据えて」動いているのかもしれません。
※石破前総理が退陣に伴い総裁選が行われたために高市氏の自民党総裁の任期は27年9月までです。
「60日延長」と言うのが高確率のメインシナリオかと僕は思っていましたけど、「党首討論に応じた裏の理由」を考えると、延長しない可能性もかなり高まった印象があります。
質問者:
確かにせっかく選挙で大勝しても総裁選で負けたら首相の座を降りるしかなくなりますからね……。
筆者:
通常であれば選挙で勝てば絶対的基盤になりますけど、参議院は解散させることも出来ないために「選挙非公認で実質追放」と言う手も使えないんです。
※参議院の次は28年7月と総裁選より後のため。
次の参議院選挙までは高市総理は「自民党参議院」に対してある程度配慮し無いといけないという事です。
質問者:
身内の反応が野党に対する行動にも影響を与えているのも不思議な気もしますけどね……。
筆者:
もっとも、単独過半数では無い参議院において出席を決断しただけであり衆議院においては出席するかどうか分からない状況です。
そのために、「衆議院は相変わらず野党が存在しない」と言う異様な状況を演出しつつ、参議院も尊重すると言った手段を取ってくるのではないか? と思いますね。
質問者:
なるほど……「両取り」みたいな状況を高市総理は選択しそうだという事ですか……。
筆者:
もっとも、参議院で賛同する政党が出ないと「60日延長」しないと成立しないですけどね。
ただ、参議院は過半数まで4足りない状況なので、無所属や日本保守党を説得できればもしかすると「5党無視」で突破できる可能性はあるんですね。
質問者:
確かに5党というのは中道改革連合さん、国民民主党さん、参政党さん、チームみらいさん、日本共産党さんですからね。
それ以外を取り込めれば打開できるかもしれないという事ですか。
筆者:
しかし、定数削減は日本保守党に関しては「議席の獲得可能性が下がる」事から賛同しない可能性も高いので全ての法案が通るとも限りません。
※7月8日に定数削減は秋の国会以降に先送りになることが確定しました。
https://www.asahi.com/articles/ASV773C36V77UTFK00SM.html
情勢としては不透明感が増している感じですね。
もっとも、自民党が圧倒的な議席数を持っていることは間違いが無いので、
秋の臨時国会まで待ってから「60日ルール」を使えば確実に成立させることが可能ではありますけどね。
最初にも書きましたが元々国会の日程が切羽詰まっているのも、衆議院解散があったために予算審議がずれ込み暫定予算を組んだ程でしたからね。
とにかく何をそんなに焦る必要があるのだろうか? 「シナリオ」通りにそんなに行かせたいのだろうか? と言うのが僕の感想ですね。
今後情勢は変化すると思うのでその都度書いていこうと思います。




