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護衛されて登校(幼馴染視点)

この話が、連続投稿の最後となります。次回は明日の朝となります。

しょうちゃんが仕事モードの真剣な表情で言った。


「というわけで、明日から千穂に護衛がつくから。でも、何かあったら俺にも連絡してね」


そのキリッとした顔に、思わず胸が高鳴る。かっこよすぎて、しばらく見つめてしまった。しょうちゃんも、じっと私を見つめ返してくる。ふわぁ……本当に素敵。


そんな空気を感じ取ったのか、ネムちゃんがぽつりと口を挟む。


「ワタシもいるぞ」


その一言で、顔が一気に熱くなった。


※※※


次の日から、私に護衛がつくことになった。


私は自分のことを、どこにでもいる普通の女の子だと思っている。


しょうちゃんに護衛がつくのは納得できる。会社の社長さんだし、色々な人から狙われやすい立場だ。ネムちゃんも会社の役員さんで、大学の准教授、しかも天才。そういう人たちなら護衛が必要なのも当然だと思う。


でも、普通の私に本当に護衛なんて必要なのだろうか?最初はそう思っていた。私が誰かに襲われるなんて、現実味がなかった。


だけど、すぐに考えが変わった。もしかしたら私は、しょうちゃんやネムちゃんの「弱点」なのかもしれない。私を人質に取れば、しょうちゃんたちを脅すことができる。そう考えると、十分あり得る話だと思った。


もちろん、「自分が襲われるかもしれない」と考えると怖かった。だから護衛がつくのは正直ありがたかった。でも、それ以上に、私のせいで、しょうちゃんたちが危険な目に遭うことの方が、ずっと怖かった。


しょうちゃんの家の周りに、時々変な人が現れるのは私も知っている。実際に、しょうちゃんの家を覗き込もうとした人を見かけたこともある。「有名人は大変だな」と思ったし、「しょうちゃんやネムちゃんに何か起きなければいいけど」と心配していた。でも、その時はまだ、自分のこととしては考えていなかった。


けれど、今は違う。これは私自身にも関わることなのだ。


私は、自分のためだけじゃなく、しょうちゃんやネムちゃんのためにも、絶対に危険な目に遭ってはいけないのだ。


※※※


でも、どうしてしょうちゃんたちには護衛がいないんだろう?


ふと、そんな疑問が頭をよぎった。私に護衛がつくくらいなら、しょうちゃんやネムちゃんにも誰かがついていてもおかしくないはずなのに、そういう話は一度も聞いたことがない。


しょうちゃんは男の人だから狙われにくいのかな?ネムちゃんはあまり外に出ないから必要ないのかもしれない。


だけど、それだけじゃ説明がつかない気がする。


もしかしたら、しょうちゃんたちは自分の身を守るための特別な方法や力を持っているのかもしれない。そんな風に考えてしまった。


※※※


しょうちゃんに家まで送ってもらった後、柚希さんから電話があった。柚希さんはしょうちゃんの叔父さんの奥さんで、弁護士さんだ。ふわっとした雰囲気なのに、とても優秀な人らしい。


しょうちゃんが言っていた。どうやら彼女は普通じゃないらしい。


『千穂ちゃん、正太郎くんから話は聞いてるよね?明日から千穂ちゃんに護衛をつけるからね』


「はい。わかりました……」


『心配しなくていいよ。護衛の人は女性だし、偉い人の娘さんとかを担当してる人だから。気さくな人だよ』


「でも、私に護衛なんて……。なんだか緊張します」


『まぁ普通はそうだよね。でも正太郎くんは千穂ちゃんのことが本当に大切なんだよ。だから私に頼んで護衛を紹介してほしいって言ってきたんだし。最近は正太郎くん、なんだか私のこと怖がってるみたいなのにね』


「え?そうなんですか?」


『うん。なんか警戒されてる気がするんだよね。みんな私のこと怖がるんだけど、なんでだろう』


しょうちゃんだけじゃなく、他の人も柚希さんを怖がってるのか。柚希さん、すごく優しそうなのに。


『そんなわけで、明日の朝、千穂ちゃんの家に護衛を向かわせるね。もう千穂ちゃんのご両親には話を通してあるから』


「あ、ありがとうございます」


『仕事だから気にしないで。もう遅いし、電話切るね。おやすみ』


そう言って、柚希さんは電話を切った。


明日の朝、護衛の人が家に来るらしい。私は少しドキドキしながらベッドに潜り込んだ。


※※※


翌朝、登校の準備をしていると、お母さんが部屋に顔を出した。


「千穂、正太郎くんが頼んでくれた護衛の方が来てるわよ。最近この辺も物騒だし、正太郎くんには感謝しないとね」


変な人が増えたのは、もしかしたらしょうちゃんたちの影響かもしれない。でも、両親はそんなことには気づいていない様子だった。私のことを心配してくれるのはありがたいけれど、しょうちゃんのことを悪く言われたくなかったので、私は黙っていた。


※※※


玄関に行くと、スーツ姿の女性がにこやかに立っていた。


「おはようございます、千穂さん。本日から護衛を担当させていただく早瀬と申します。どうぞよろしくお願いします」


私は少し緊張しながらも、丁寧に頭を下げた。


「はい、よろしくお願いします。朝比奈千穂です。ご面倒をおかけします」


「いえいえ、お仕事ですから。千穂さんをしっかりお守りして、しっかりお給料もいただきますので」


そう言って、親指と人差し指で輪を作ってみせる。お金のジェスチャーに思わずクスッとして、少し緊張がほぐれた。


登校も下校も、早瀬さんの車で送迎してもらうことになった。


車に乗り込むと、ピカピカの高級車が待っていた。見たこともないような車で、思わずきょろきょろしてしまう。


まるでお嬢様になったみたいで、ちょっとワクワクした。


そんな私の様子に気づいたのか、早瀬さんが明るく声をかけてくれる。


「こんな車で送迎されたら、学校で噂になっちゃうかもしれませんね?」


「えっ、そうなんですか?」


私は少し不安になった。


「でも、羨ましいですよ。千穂さんは正太郎さんに本当に大切にされてるんですね。私もそんな彼氏が欲しいなぁ」


「い、いえ、今は付き合ってるわけじゃないんですけど……」


「いえいえ、付き合ってなくても、ここまで心配してくれるなんて、正太郎さんは千穂さんに夢中ですよ。間違いありません」


「そうだといいな……えへへ……」


※※※


学校の前で車を降りた。


帰りはスマホで連絡すれば迎えに来てくれるらしい。


「じゃあ、また学校が終わったら迎えに来ますね。勉強がんばって下さい」


「あ、ありがとうございます」


早瀬さんの車が静かに去っていく。


高級車から降りた私に、周囲の視線が一斉に集まる。その注目に少し戸惑っていると、親しい友人が駆け寄ってきてくれた。


「ねえ千穂、なんで高級車で送迎されてるの?まるでお嬢様みたい!」


「しょうちゃんの周りに最近変な人が出てるみたいで、私のことが心配だから護衛の人をつけてくれたんだ」


「へぇー。藤崎くん、かっこいいね。千穂のナイト様じゃん。うらやましいなぁ」


「藤崎くん、最近体も引き締まってきてるし、顔つきもキリッとしてきてるし、モテてるみたいだよ。しかもお金持ち!」


「え?そうなの?確かに、しょうちゃんはイケメンで頭も良くて、声も良くて、手も綺麗で性格も良いから……モテるのも無理ないよね」


「そ、そこまでは言ってないけど。だ、大丈夫だよ。藤崎くん、そういうの相手にしてないみたいだし。千穂一筋って感じ」


「でも、ちょっと前までは藤崎くんのこと、犯罪者呼ばわりしてた人もいたのにね」


この子は、しょうちゃんと直接関わりはなかったけど、私のことを信じてしょうちゃんのことを悪く言わなかった。数少ない大切な友達の一人だ。


「そういえば、今日は藤崎くんは一緒じゃないの?」


「しょうちゃんは今日は仕事なんだって。だから心配で私に護衛をつけてくれたみたい」


「そうなんだー。すごいね。なんかもう一流って感じだね」


「うん。しょうちゃんは本当にすごいと思う」


※※※


クラスに入って自分の席に座ると、すぐにクラスメイトたちが私の周りに集まってきた。


「千穂、今日車で送ってもらってたよね?あれ、すごい高級車じゃなかった?」


「うん。しょうちゃんが、少しの間、仕事で忙しくて学校に来られないから、心配して護衛をつけてくれたの」


「いいなぁ。はぁー。私、人を見る目なかったなぁ」


このクラスの人たちは、一度しょうちゃんのことを犯罪者扱いして無視していた時期があった。今はみんな反省しているようだけど、しょうちゃんが成功していくにつれて、自分たちがしたことを思い出さずにはいられないみたいだ。


そこへ、男の子が会話に加わってきた。


「俺さ、藤崎を見てると男として劣等感感じるんだよ。昔はただの陰キャだと思ってたのにな。今思えば陽キャとか陰キャとか、そんな分け方がいかにくだらなかったか思い知らされたわ。結局、本当にかっこいい人間って、黙々と結果を出していく人なんだなって」


「わかるわー。俺も、あいつのこと尊敬してるんだよね。俺も頑張らなきゃと思うもん」


「結局、藤崎も何も要求してこないしな。貸しとか言ってたけどさ。アイツにとって俺らが力になれることなんてほとんどないんだろうな。自分が情けないよ」


しょうちゃんは、あまり彼らを責めたりしない。たぶん、視界に入っていないんだと思う。しょうちゃんの目には、今やるべきことしか映っていないのだろう。


しょうちゃんのそういうところ、本当にかっこいいと思う。


※※※


今、しょうちゃんに一番近い存在はきっとネムちゃんなんだと思う。ネムちゃんは、しょうちゃんと同じ目標に向かって、同じ歩幅で進んでいる。そんな二人が少しうらやましい。でも、私はネムちゃんのようにはなれない。


しょうちゃんたちが何をしているのか、正直よく分からない。でも、教えてくれないのはきっと私を心配してくれているからなんだろうな、と最近は思えるようになった。どうか、危ないことだけはしていませんように。


私も、私なりにしょうちゃんたちの力になりたい。今の私にできることは限られているかもしれないけれど、それでも、できることを精一杯やっていく。


今の私に手伝えることといえば、せめて栄養のあるご飯を作って、しょうちゃんたちにしっかり食べてもらうことくらいかもしれない。でも、役に立てるなら嬉しい。


だって、しょうちゃんは「絶対に手放さない、待ってて」と言ってくれたから。


えへへ……


千穂ちゃん健気と思う方は、【ブックマーク】と【下の評価 ★★★★★】をお願いします。


本話で連日投稿は一旦終了となりますが、明日からはじまる通常更新でも、さらに熱い展開をお届けします。


もし「こんなAIがそばにいてほしい」「オリガミの今後に期待!」と思っていただけたなら、下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると、執筆の最大のモチベーションになります。


皆様の応援で、ランキングの景色が変わります。ぜひ背中を押してください!


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