『赤飯の記憶 ― 第六話 ガングロギャルから婦人警官』
昼休みの休憩室。
スチール椅子がぎし、と鳴り、味噌汁の湯気がふわりと昇る。
今日も佐井田は、自由すぎる人生の“技とツッコミ”を翔子に語る――。
ガングロギャルから婦人警官へ、そしてカパタン大乱舞まで。
さあ、第6話のコメディ祭りを覗いてみよう
昼休みの休憩室。
スチール椅子がぎし、と鳴り、味噌汁の湯気がふわりと昇る。
佐井田茜(38)は、ほうじ茶をすすりながら穏やかに言った。
「で、ガングロギャルから婦人警官になったわけ」
向かいの風間翔子(28)は、口に含んだ麦茶を盛大に噴いた。
「ぶーッ!!」
佐井田の顔面に直撃。
「あ、ごめんなさいっ!!」 翔子は真っ赤になり、両手で顔を覆う。
佐井田はお茶を滴らせたまま、にっこり微笑んだ。
「いいのよ、翔子ちゃん」
***
翔子は心の中でひそかに思う。
――(いや、めっちゃカッコいいんだが……)
「でも本当に警察官になれたんですか?
勉強ダメだし、佐井田さん細いし!」
「だから柔道を習ったのよ。半年で師匠に勝ったわ」
翔子は固まる。
「半年で……!? なんで……?」
「簡単よ。師匠の動きを全部覚えるの」
「動画記憶の万能な使い方すな!!」
***
柔道道場。
師匠「あ〜ん、今日も佐井田ちゃん可愛いな……(心の声だだ漏れ)」
「聞こえてるわよ、師匠」
「……ッ」
師匠は赤面しつつ言う。
「弟子五人に勝てたら、最後にワシと戦うがよい!」
翔子「いや心の声のほうが試練だろ!」
試合開始。
1人目「す、好きです付き合ってくださ……」
スパーン!
2人目「結婚を前提に……」
スパーン!
3人目「毎朝味噌汁を……」
スパーン!
4人目「その足で俺を踏――」
スパーン!
翔子「絶対性癖混じったやついた!!」
そして五人目。
体格の倍ある巨大女弟子が立ちはだかった。
巨大女弟子「私はちがうわよ……!」
襟を掴まれ、迫られる。
汗、気迫、そして……なぜか良い匂い。
翔子「実況すんな!!」
その瞬間――
佐井田の脳裏に “ファンシーショップでカパタンを抱きしめていた巨大女弟子” の記憶が蘇る。
佐井田「……カパタン」
巨大女弟子「ッ!? カ、カパタン……好き……!」
動きが止まる。
鮮やかな一本背負い投げ!!!
巨大女弟子は見事に宙を舞った。
師匠「おおっ……」
翔子「師匠ちょっと嬉しそう!!」
そして最終戦。
師匠、佐井田と目が合った瞬間、照れて勝手に転ぶ。
佐井田「そんな感じで、免許皆伝」
翔子「ホイホイで人生切り開きすぎ!!」
***
休憩終了の時間。
「さ、戻るわよ」
佐井田が立ち上が――派手に転んだ。
スパァン!!
その瞬間。
佐井田のスカートの中から、
なぜか 大量の“カパタン”グッズ が床に散乱した。
キーホルダー、ぬいぐるみ、小皿、メモ帳、靴下……
休憩室が急にファンシーショップの棚になる。
翔子「持ってたんかいッ!!?」
佐井田は平然と拾い集めながら言った。
「……ホイホイの基本は“弱点を知ること”よ」
翔子「いや自分の弱点てんこ盛りなんかーーい!!」
休憩室の時計がビビり、湯気がゆらり揺れた。
今日も赤飯工場の昼休みは、
ズレとツッコミで賑やかに過ぎていく――。
柔道、警察官、カパタン――
佐井田の人生はツッコミどころ満載で、でもその一つひとつが彼女の魅力になっている。
今日の休憩室も、笑いと驚きでいっぱいになった。
次回はどんな赤飯の日常が飛び出すのか――お楽しみに(≧▽≦)




