第9話 御霊のあの子(^_-)-☆《高天原より》
―2人が島根に帰った頃…高天原では――――
1柱の神が天照大御神の宮殿の扉を叩いていた
??「姉上!姉上!!いい加減出てきてください」
その1柱こそ、月読命であった
月読「姉上!いつまで意中の相手の盗撮映像を観ているつもりですか、夜が明けます仕事してください。」
すると、扉が勢いよく開き
??「と、盗撮じゃないから!」
太陽神、天照大御神が飛び出してきた。
月読「わざわざ自分の八咫鏡を使って覗き見してる方が何言ってんですか」
天照「だってだって!!そうでもしないと人間界は見えないんだもの!」
月読「だからと言って、元婚約者のストーカーに成り下がることはないでしょう」
天照「ストーカーじゃないもの!ファンなの!!」
月読「はぁ、やっと兄上様が見つけて下さったのに、神在月ではきちんとしてくださいよ」
天照「でも!でも!愛する妻が頑張ってるところは見たいじゃないの!」
月読「元妻ではありませんか」
天照「でも!せおりんは私のだもん!」
月読「いい歳した神がもんとか言わないでくださいよ気持ち悪い」
天照「なっ!」
そう、この天照こそ清津瀬織もとい瀬織津姫の元旦那様なのだ。
月読「そろそろ夜が明けるので、早く交代してください」
天照「も、もうちょっと!」
月読「はぁ……(呆)」
天照「だ、だって!桃兄様や、迦具土兄様、素戔嗚にも気に入られてしまったのよ!?しかも口付けまでして!」
月読「まぁ、日本神界の男神は女心が分からない方々が多いですからね」
ハイ、良くも悪くも分かりません。
天照「それに兄上様も兄上様で、なにか企んでいるようだし」
月読「あー、そうみたいですね」
天照「いくら神の記憶が無いとはいえ……やけてしまうな」
月読「姉上、口調が戻っていますよ」
天照「あ!ごめんなさい」
月読「謝る暇があったら交代してください」
天照「わ、わかったわ」
天照は大御神の社に急いで入っていった。月読は1人そこで考えていた。
月読「でも、このままでは本当に…瀬織津姫様の人の体が持ちませんね、早く器を探さないと……」
すると、どこからともなく鈴の音が聞こえ。月読がその方を向くと、華やかで美しい1柱の女神が立っていた。
シャラン シャラン
??「あれ?天ちゃんは?」
月読「天鈿女命様でしたか」
芸能の神であり、天照を天の岩戸から引っ張り出した神様でもある。天照とは親友の仲だ
天鈿「お久しぶりね!月ちゃん!」
月読「姉上ならただいま仕事に行かれました。」
天鈿「あら、残念」
月読「?貴方様がいらっしゃると言うことは、猿田彦命様も?」
天鈿「夫はそろそろ来るわね、伊邪那岐様と」
月読「父上が!?」
伊邪那岐は基本的には外に出ず仕事をしている父親である。
そして、暫くすると。息を切らせた猿田彦が走ってきた。
猿田彦「はぁはぁ、先に行かないでくださいよぉ」
天鈿「相変わらず体力はないわねぇ」
そう言いながら、猿田彦が被っている天狗の面をずらして汗を手拭いで拭く。すると、後ろから金色の瞳の黒髪の美丈夫が現れた。
月読「父上」
伊邪那岐「月読か息災なようだな」
月読「はい、残念ながら姉上は仕事中ですよ」
伊邪那岐「いや、用があるのはお前だ」
月読「?僕ですか」
伊邪那岐「近頃、黄泉の連中の様子がおかしい」
月読「誠ですか!?」
実は伊邪那岐は伊邪那美を忘れられずに黄泉比良坂に毎日足を運んでいたのだが、坂に亀裂が生じていたのだという。(伊邪那岐は伊邪那美の事をまだ愛している)
天鈿「伊邪那岐様、また、あの坂に通っていらしたんですか」
猿田彦「一度、拒絶されたのに本当にメンタルが強いお方ですね。」
月読「まぁ、一度見られて驚いたのを見た母上が勘違いして拒絶されたのですがね」
そう、黄泉比良坂での際に伊邪那岐は伊邪那美の火傷で爛れた姿を見て、少し驚いて伊邪那美の肩を掴んだ時に、伊邪那美の肩が崩れてしまった。ソレを伊邪那美は拒絶と勘違いし、わざわざ巨大な岩で伊邪那岐を拒絶し、自分が嫌われるように毎日1000人殺す呪いを振りまいたのだ。(その時に生まれたのがアカツキです。)まぁ、なんという勘違いの連続
猿田彦「毎日毎日、仙桃を坂に備えているからね、しかも善意で」
月読「仙桃は、黄泉の者にとっては最悪の証ですけどね」
猿田彦「でも、元は夫婦仲が良かったようだしね僕たちのように」
そう言って猿田彦は隣にいる天鈿の肩を引き寄せた
月読「はいはい、分かりましたから」
伊邪那岐「それで、そろそろあの子達を封印から解くことにした」
月読「……なるほど、よろしいのですね?」
伊邪那岐「ああ、あの3柱の力が必要だからな、本来ならばあの2柱なら自力で解くことが可能だろうが、封印を解くのは神在月の際に……あの子に頼むとしよう、今は七寿と名を変えているようだが、もう1柱は武甕槌に頼むとしよう(罪悪感)」
月読「恵比寿とも呼ばれておりますが、かしこまりました。必ず首席させるように手配致します(後悔するならやらなければ良かったのに、人間界を見すぎですね父上)」
伊邪那岐「ああ、そう言えば、瀬織の姫が見つかったそうだな」
月読「はい、ただ今兄上様と行動を共にしております。」
伊邪那岐「記憶と器が無いのだったな、瀬織の姫にも俺は謝らねばならないからな…当然、火の子にも
父として。」
何を隠そう、瀬織津姫の御霊と器を引き剥がし、ヒルコを海に捨て、迦具土の首を跳ねて海に封じたのは、伊邪那岐命なのだから。
だが、その決意には、揺らぎも罪への怯えもなく。我が子を見つめるような暖かい眼差しで、そう言い。すぐにその場から消えてしまった。
月読「……主神としての縛りのようなものですね」
天鈿「伊邪那岐様は、厳守なようでとても真面目で臆病な方だもの、そして、誰よりも伊邪那美様を愛し、その間に生まれた神々のこともとても大切にしていらしたそうね」
月読「まぁ、素戔嗚はともかく、あの方の封印まで解かれるとは思いませんでした。」
猿田彦「だが、あの子は悪くないし、ずっと反省させる訳にも行かないし、良い機会じゃないかな?瀬織津姫の御霊も見つかったんだから」
月読「でもやはり、1番気になるのは兄上様です。」
天鈿「恵比寿兄様のことね?なんで?保護してるんでしょ?」
月読「……だからです、あの合理主義の兄上様がわざわざ器も見つかっていない状況なのに神であることを教えたのかが1番分かりません。」
天鈿「……そうなの?」
猿田彦「僕たちはあった事がないからねぇ」
月読「何をお考えなのですか、兄上様……」




