第6話 グッバイ徳島♡
七寿「あのアホ親父、何考えてんだよ」
アカツキ「今年は天照お姉様と月読兄様が出席もされるそうです。」
七寿「はぁ?なら尚更行かせたくねぇし行きたくねぇよ!!」
アカツキ「何故ですか」
七寿「俺は天界から1度追放されてんだぞ!?それに清津の旦那もいる場所だ、連れて行けるわけねぇだろ!」
諏訪「あ、瀬織津姫様って既婚者だったんですね初耳」
アカツキはあからさまに渋い顔をした。
七寿「とにかく!今回は無視するからな!!器を手に入れ次第、清津はちゃんと連れていく予定だ!」
清津「神無月って神在月だよな?」
と、顎に手を当てながら言う。
七寿「ああ、島根ではそう言う。」
清津「え、神様の祭典に呼ばれてんの俺?」
七寿「出席はさせねぇからな」
清津「なんでだよ」
七寿「清津、よく聞けよ?神ってのは元々自分の所有物には此奴くらいの激重感情で執着してんだ」
清津「んで?」
七寿「お前は元、神の嫁さんだってのは、言ったよな」
清津「あ、うん」
七寿「だから、そんなお前が俺の近くにいて尚且つお前は御霊のみときた!!そんなのを彼奴が放っておくわけねぇだろ!」
清津「…お、おお?」
清津はそもそも旦那が誰か分かっていないし、結婚している自覚もないので頭を傾げるばかりだ。
七寿「じゃあ想像してみろ、お嬢さんが他の男と話してるのを桃ちゃんが見つけた時、桃ちゃんならどうすると思う? 」
清津は少し考え
清津「まず、男を殺してから諏訪さんを監禁軟禁ですかね」
何故か自然に敬語になってしまった清津である。
七寿「分かってんじゃねぇか」
諏訪「人を勝手に被害者にしないでください」
アカツキ「そうならない様に、鼓を神域で愛でているんだ」キッ!
諏訪「貴方は黙っていてください」
諏訪はバシッとアカツキの頭を叩く
清津「でも、俺は天界に居なかったことになっている神だろ?今更夫婦関係なんて」
七寿「(自覚のねぇ奥様ってこえー)」
清津「それに、もう相手だって離婚してるつもりかもしれねぇじゃん?」
七寿「清津…あのな…神ってのは契ることはあっても、なかなか離縁する事はねぇんだよ」
ふと、七寿は脳裏に旦那が展開を追放されて尚、離縁をしない弟の妻たちを思い出した。高天原から追放されて尚、やらかして封印された愚弟を
七寿「まぁ…独占欲だけはいっちょ前なんだ(1度手を離れたら…もう他のもんなんだよ)くだらねぇ」
アカツキ「……だから本来は神は配偶者を1人にはしない、していたとしても自分の神域内でだ」
諏訪「正直鬱陶しいです(ボソッ)」
七寿「って事で、お前と離縁なんて、相手はしねぇんだよ」
清津「でもさ、俺はその……アカツキで言うところの例外なんだろ?」
七寿「お前、自分の家族が突然消えて、他のやつにそんなヤツは居なかった忘れろって言われて、忘れられんのか?」
清津「っ!」
清津は今の家族を思い出した。
七寿「それが嫁さんや旦那ってなると尚更忘れられねぇよな」
清津「いや、いた事ねぇけど…そうなんだろうな(あの二人を見てると)」
清津は横目でアカツキと諏訪を見つめた。
アカツキ「兄上、そろそろ神域の外は夜だ」
七寿「あ〜、確かにそんな時間か」
アカツキ「では、兄上も瀬織津姫も、また会おう」
諏訪「今度はお神酒だけじゃなくて、お菓子もお願いします。」
七寿「わぁーったよ桃ちゃん、諏訪ちゃんも中々現金だよねぇ」
七寿の髪の色も長さも口調も戻り始めた
清津「お、元のななちゃん先生に戻った」
七寿「やっぱ、御霊に引っ張られるなぁ〜神域」
そうこう言ってる間に、神気が薄くなり霧が晴れていくように、暗闇がやってきた。恐らく清津と七寿だけ神域から出したのだろう。
清津「なんか…あっという間だっ……」
清津の言葉はそこで途切れ、代わりに清津が倒れる音が七寿の隣で聞こえた
七寿「清ちゃん!」
清津「ヴッあっ!!」
清津は地面に倒れたまま、咳き込みながら吐血した。
七寿「清ちゃん!!ッまさか他の神の神気を浴びた御霊に人間の器が耐えきれなかったのか!!」
清津「ッヴっ!!」
七寿「くっ!俺は治療系の力は持ってねぇし!持ってる奴も……あ、いた!」
清津「っ……あ」
あまりの激痛に清津は意識を失った。
七寿は清津を担いで神社の階段を五段飛ばしで下り、急いで車の後部座席に清津を寝かせて固定した。
七寿「賀茂神社から渦潮までは1時間ちょいか」
七寿は時間を確認し、直ぐにアクセルを踏んだ。
七寿「ちょっと、揺れるけど我慢しろよ!!徳島から出るぞ!!」
車は時々道路標識やガードレールにぶつかりながらも鳴門の渦潮に向かう。
七寿「っ!頼む!間に合ってくれ!!」
清津「うっ……あ」
清津はうっすら目を開けた。
七寿「清ちゃん!起きたか、もう少しだ!!耐えれるか!?」
清津「な、…なちゃ…先生、、俺死ぬのか?」
七寿「死なせねぇよ!!もう二度と!!」
清津「っ…二、度?」
七寿「ああ、俺は過去に1度大切なヤツを見殺しにしちまった」
清津「っ、、」
七寿「大丈夫だから喋んな、体がひび割れてきてるぞ」
清津の体にはいつくものひび割れのような傷が出来ていて、それが体を割いているようだ、このままでは体がばらばらになるレベルで。
清津「(いてぇ、、体がはち切れそうだ……でもなんでだ……ななちゃん先生がなんか…)」
《嬉しそうだ》
――鳴門前――――
七寿はブレーキを踏まずにそのまま、渦潮が丁度ある方方向に車を進ませた。
七寿「清ちゃん、少しだけ耐えてな?」
ガダンっ!!
音と共に来たとんでもない浮遊感に、清津は体を強ばらせた。そう、七寿は車ごと渦潮に飛び込んだのだ。だが、着水した時の衝撃に耐えきれず、清津は再び意識を失った。
七寿「清ちゃん!」
七寿は車の中で清津の体を抱き寄せ、水に沈む車内から脱出し、渦潮の中に身を投じた。
渦に飲まれながらも、七寿はしっかりと今にも崩れそうな清津の体を抱きしめていた。
七寿「(そういや、過去に入水自殺しようとした男女を助けた時あったな、そんときは男しか助けらなかったから、俺の記憶だけ抜いてかえしたっけ)」
そんなことを考えながら下に引きずり込まれていくと、急に渦が収まり、海の中が晴れた。
??「全く、大人しく仕事してんだから面倒事持ち込みなさんなや、なぁ?ヒルコの兄貴」
短髪の黒髪、前髪はやや短めの和服にサブカル系を混ぜたような服を着た、清津と同年代くらいの男が海の中に佇んでいた。
七寿「くっ……(素戔嗚)」
素戔嗚「ったく、兄貴は自分の意思で御霊になれねぇんだから」
するとその場の神気が強くなり、また渦潮が海面で発生した。七寿は素戔嗚の神気に当てられ、また、あの姿になった。
素戔嗚「兄貴、なんの用だ」
七寿「くっ……はぁはぁ、いきなり聞くな!器のままじゃあ息できねぇんだよ!」
七寿はめいっぱい息を吸い込み、清津の体を確認すると、両手があと少しで取れそうになっていた。
七寿「素戔嗚!こいつの体を治してくれ!!」
素戔嗚「誰だよ……ってこの御霊!」
七寿「ッ、、早く治してくれ……器が持たねぇ!」
素戔嗚「………………話は後だな」
素戔嗚は清津の口に自らの口を合わせ神気を流しこみ、清津の体を割いて出ていこうとしている神気を飲み込んで、素戔嗚の神気の力で身体を修復した。
清津「ん……んん」
七寿「清津!」
素戔嗚「んっ」
清津「……ヴ!」
七寿「おらっ!!!」
清津が意識を取り戻したと同時に素戔嗚は清津の喉に舌を入れ、それに気づいた七寿によって引き剥がされた。
七寿「コラ!幼い子に何してくれてんだ!!」
素戔嗚「治療だ【ガンギマリのガチの目】」
七寿「そんな目で言うなよ!怖がってんだろうが!!今どきの俺様キャラでもしねぇよこんなこと!」
素戔嗚「治療だっつってんだろ!!」
清津「あ、……うえ?あ?」
七寿「混乱してんじゃねえか!清津!大丈夫か?!」
素戔嗚「大丈夫だろ、俺の神気はコイツの体を治すための作用以外の思念で使ってねぇ、大方誰かがコイツを自分のもんにするために御霊に神気を流し込んだんだろうな」
七寿「桃ちゃんか」
素戔嗚「ああ桃の子か、こいつの口の中が甘かった理由がわかった」
七寿「なぁ、素戔嗚」
素戔嗚「あ?」
七寿「お前の舌を今から抜いていいか?(ꐦ°д°)」
素戔嗚「怒んなよ、医療行為医療行為(棒)」
七寿「ほざけ!お前は封印される前から瀬織津姫に思いを寄せてたのは知ってんだよ!高天原から追放されても尚!懲りてねぇなぁ!!」
素戔嗚「正直、高天原を追放された件は俺はなにも悔はねぇがな、別にいいだろ?天照兄貴の嫁に思いを寄せているだけで済んでたんだから。」
七寿「っだぁ!ー瀬織津姫はめんどくせぇのにばっか好かれてんなぁ!!ほんとに!!」
素戔嗚「(それは往々にして瀬織津姫も面倒くせぇ女ってことだな)」
清津「あ、あのさぁ」
2人の言い合いに圧倒されていた清津が言葉を発した。




