第13話 アタオカ人間共と神の考え
清津「縁切りの神?」
七寿「ほら、縁切り神社とかあるじゃん?」
徠祈「そこで縁を切ってもらうのか?」
清津はスマホを取りだして、縁切り神社を調べた
清津「京都に多いのか」
七寿「何言ってんの?京都じゃないよ」
清津「だけど、ネットでは京都の稲荷とかが有名らしい」
七寿「そいつらは人と人との縁を切るのが専門だろ、神と人もしくは神と神の縁は切れねぇよ、今回俺たちが会うのは事解男命って神だな」
徠祈「……調べたけど、4つくらい候補の神社があるぞ」
七寿「アイツも仕事馬鹿だからねぇ土地神に分霊渡しまくってんだろうね」
清津「……イザナキとイザナミの縁を切った神か」
七寿「そ、桃ちゃんと同い年くらいかな」
徠祈「本当に、イザナキとイザナミの夫婦喧嘩で生まれた神も、沢山いますね。」
七寿「素戔嗚なんか、アホ親父の鼻と迦具土の死体から誕生したからな」
清津「知りたくもねぇわ」
徠祈「で?どこに行けばいい?全国各地にあるようだが」
七寿「俺たちが会いに行くのは本霊だからなぁ」
清津「なるほど」
七寿「桃ちゃんは人間大好きだからわかり易かったが、事解男命は一筋縄じゃあ行かねぇんだこれが。」
徠祈「桃ちゃんって、誰だ?」
七寿「あーうん、人間大好きな神様だよ」
清津「てか、なんで一筋縄じゃいかねぇって分かんだよ」
七寿「人間の悪意と欲を沢山見てきた神だよ?幾ら悪縁や血縁、地縁、知縁、稀には良縁を切ってきた神も、人の影響を受けねぇとは限らない。意味は分かるな?」
清津「っ……ななちゃん先生とその神……どっちが強い?」
七寿「………理を断ち切る神と海の神、どっちが強いと思う?」
清津「わっ…かんねぇよ」
七寿「相性があるからさ、海なんか人間にとって悪意を溜めておくのにもってこいな場所なんだよ、ヤクザ物の映画で死体を海に流すシーンとかあるじゃん?」
徠祈「あ、見たことある」
七寿「もし、あいつが悪意に飲まれてた場合は、俺は逆効果なんだよね」
清津「マジかよ」
七寿「でも、清ちゃんは大丈夫だよ」
清津「?」
七寿「瀬織津姫は不要なものや不純なものを流し浄める力がある、川の流れのようにな」
清津「だけど俺、力の使い方知らねぇよ」
七寿「素戔嗚が言ってたろ?今の清ちゃんは全自動ろ過装置だから大丈夫だよ」
徠祈「言い方がすごい失礼な気がする」
清津「俺の体は浄水場かよ!てか、またキャパオーバーしちまうんじゃ」
七寿「大丈夫大丈夫、後1ヶ月は持つから」
徠祈「(それって余命1ヶ月って言われてるのと同じ意味なんじゃ)」
七寿「てか、清ちゃんの体が浄水場なら俺は汚水を貯めとくタンクだねぇ、徠祈ちゃんは浄水場の調整員って所かな?」
清津「なんか話がそれそうだから強制的に戻すぞ!」
徠祈「ああ、同意だ」
清津と徠祈が脱線しそうな話を戻すと、七寿は改めて話した。
七寿「んで、行く神社なんだけど、今回は相手が簡単に姿を現してくれなさそうなので…………ガチガチに喧嘩売りに行けるところ探すから」
清徠「「は?!!」」
七寿「ん?なに?」
清津「いやいや!可笑しいだろ!俺たち頼みに行く側だぞ?!」
徠祈「なんで、喧嘩をわざわざ売りに行くんだ?!」
七寿「だって、多分アイツ呼んでも金払っても出ねぇよ」
清津「ああ…悪意に飲まれてる可能性があるからか?」
七寿「いや、拗ねてる」
徠祈「なぜ!?」
七寿「あいつを神として崇めるやつもいたり、縁を切った奴に感謝されるのと同じくらい妖怪に恨まれてる。」
清津「また新情報だな、なんでだよ」
七寿「では問題です。妖怪とは人の負の感情や悪意に集まったりそこから生まれたりするわけでありますが!そいつらには敵が沢山います。」
清津「あー、陰陽師とか?」
徠祈「1番メジャーなのは霊媒師とか?」
七寿「退魔師とかもな、まぁそんな感じで敵が多いなか、1番妖怪が嫌いな奴ってなんだと思う?」
清津「……この流れだと神?」
七寿「惜しいねぇ清ちゃん、神は生命エネルギーの塊みたいなもんで、それを糧にする妖怪にとって神社は美味い飯がたらふく食える場所なわけ」
徠祈「でも、よく聞く話では妖怪って神社の中には入れないんじゃ」
七寿「神社の境内は神気で溢れてる、つまり入った途端に妖怪は消えちまうんだ、だから入らねぇの、アイツらが欲しいのは神社から漏れ出た生命エネルギーだからね」
清津「ゲームとかではセーフティーエリアになってるのはそれか」
七寿「つまり、神社に入った人間を妖怪は襲えないけど、出てきた人間の隙をついて生命エネルギーを持ってくんだ」
徠祈「?でも、そしたら妖怪の1番の敵って」
七寿「分かりやすく言うと、人間を完全に浄化したり悪いものとの縁をぶった斬る神様だ」
清津「つまり」
七寿「そ、縁切りの神は妖怪にめっちゃ嫌われてんの」
清津「………………それ、俺も嫌われてんじゃ」
七寿「だからって神自身には何も起こらないけどね」
徠祈「なら、大丈夫なんじゃ」
七寿「神に悪意を持った妖怪が、神に信仰心の無い人間の感情を不安定にさせて、人の悪いと神の神気で入り交じった場所に来てみろ、その場の気は荒れる。」
清津「そうなるとどうなるんだよ」
七寿「墓荒らしとか、神社荒らすやついんだろ?」
徠祈「まさか」
七寿「荒らしはしなくとも神社の管理を疎かにしちまうってのはあるかもね、だからアイツは俺たちの前には出てこれない」
清津「だけど、喧嘩っても、どうやって」
七寿「それをこれから考える」
清津「今からかよ!!」
七寿「有名な神社はちゃんと手入れされててダメだからさ、廃れた神社探そうか」
清津「……てか、それなら有名な神社でキチンとお願いした方がいんじゃねぇ?」
七寿「この前、桃ちゃんの神社行った時思ったんだよ」
《ちゃんと崇められてて羨ましいって!!!》
清津「くだらねぇ嫉妬じゃねぇか!!」
七寿「俺には今ふたりが居ればいいとは思ってるけど、やっぱ羨ましわけよ、だから、愛する弟にちょっとした八つ当た…………世の中の辛さを教えてやろうかと」
徠祈「八つ当たりって言おうとしたな聞こえてたぞ」
七寿「幻聴じゃない?」
清津「はぁ……で?どう住んだよ場所は俺達が決めればいいのか?」
七寿「出来れば山奥の知られてねぇような場所でお願いな」
清津「(こいつガチで八つ当たりする気だ)」
徠祈「(虚しいとか思わねぇのか?)」
七寿「(ろくなこと考えてねぇとか思われてんだろうな)」
――――――――放課後――――空き教室――
清津と徠祈は昼間の続きを話すためにまた集められた。
清津「徠祈、お前部活は?」
徠祈「今日は休む、家の用事って」
清津「まぁ、確かにそうだけども」
七寿「いいんだよ、休んどけ休んどけ」
清津「まぁ、家庭科部も殆ど部員来ねぇから、家庭科部兼帰宅部と化してるけどな」
徠祈「え、瀬織さん家庭科部?!」
七寿「意外だよなぁ?」
清津「うっせぇよ、てか、徠祈はバスケ部でいいんだよな?」
七寿「あれ?忘れてたの?」
清津「赤の他人には興味なかったから……」
徠祈「ああ、バスケ部だ」
清津「そう言えば、うちの女子バスケ部って仲悪い噂とめっちゃ強いって噂しか聞かねぇんだけど」
徠祈「け、喧嘩するほど仲がいい…………んだ」
七寿「俺何回かお宅の女子にビンタされたんだけどぉ」
清津「ななちゃん先生、何したんだよ」
七寿「お互いの悪口俺に相談してくれたから、それぞれ本人にに俺の意見と混ぜて伝えた」
清津「馬鹿野郎」
徠祈「そりゃ怒るわ」
七寿「陰口言う奴は基本的に本人の前で言う価値もない悪口か、自分の心の弱さが原因で生まれた悪口だからねぇ。理解できないなら本人に質問すればいいのに」
清津「それが出来ねぇから陰口言うんだろ」
徠祈「何でだろう、俺が言ってた訳じゃねぇけどぐうの音も出ねぇ!」
七寿「徠ちゃんは陰口とか言わなそう」
徠祈「いや、弱音とか吐いちまう時に言うよ、その度に俺はいつか地獄道に落ちると思ってる」
七寿「……それぐらいで落ちたら今生きてる殆どの人は地獄道行きだよ」
清津「ジェットコースターみてぇな心の落ち方してんのな
徠祈「ハハッ、運動してる奴は大体こんなもんだよ、それで落ちないやつはバケモンか死ぬほどポジティブか努力を楽しいと思う素晴らしい人間だ」
七寿「いい具合に捻くれてる」
清津「なんか……ごめん」
――――――オマケ――――――
ナゴヤハシ神域にて
天照「あぁ〜今日も私の妻は気高く美しい!」
月読「また姉上は盗撮していたのですか」
天照「だって、浮気しないか心配なんだもの!」
月読「(そもそも、もう婚約は無かったことになっているのでは)」
天照「あぁ!せおりんったら!お兄様の寵愛まで受け止めて!あぁ!!人の子も信者に!」
月読「姉上、五月蝿いですよ、ここは質問に答える神域ですよ?」
天照「質問?誰の?」
月読「ナゴヤハシの友から受けた質問の返事を返すのです」
天照「ああ!ナゴヤハシね!私の出番を……とゆうか早くせおりんと私の絡みを書いて欲しいわ!」
月読「姉上、今は姉上のオネダリの時間ではありませゆ」
天照「わ、わかったわよ」
月読「えっと、質問は」
【無かったことにされた神も高天原に戻れますか?あと、神にとっての天罰と悪戯の違いってありますか?】
天照「戻れるわよ?お父様のお許しがあれば」
月読「伊邪那岐の許しがあれば、人間界で生まれた神でも、無かったことにされた神も高天原に帰ることが許されます。」
天照「天罰と悪戯の違いは……そうね」
月読「天罰は容赦ない制裁ですね、相手が消滅するまで行います。」
天照「あー!私が言おうとしてたのに!!」
月読「では、悪戯をどうぞ」
天照「グヌヌ……悪戯は例えば勝手な縁結びや縁切り、小さな自然災害とかね」
月読「あと、例によれば疫病なども悪戯に入ります。」
天照「でも、神様が天罰や悪戯をすることってすっごく珍しいのよ?」
月読「人が天罰を語ることがありますが、それくらいで済むなら天罰をしませんよ」
天照「そうよー?でも私たちが天罰を下す時は宇迦之御魂神とお父様にお許しが必要なの」
月読「なので、滅多なことで天罰は起こしませんよ。」
天照「私たちから言えることは以上ね!帰ってせおりんの様子でも確認しましょ!」
月読「仕事してください」
そう言って、二柱はナゴヤハシ神域から出たので
作者は神域をとじたのであった。




