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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

嫉妬深い橋姫ガールはオレを手放す気配がない。

作者:柏木省伍
 ジェラシー系美少女ヒロイン × 陽キャ系ナルシスト男
 との恋愛ラブコメ爆誕!?

 逃げられない。
 離してくれない。
 
 ……離したくない。


 オレ、茂木颯はこれまでの人生を順調に、それでいて堪能していた。
 恵まれた容姿に頭脳、あとは運動神経……。充実した学校生活を謳歌するための三拍子もそろって文句があるはずがない。天はオレに何物も与えすぎたようだ。

「ねえねえっ、ハヤテェー?さっきの授業の問題、よく分かんなかったの。よかったらぁ教えて~?」
「ハヤテ君。今度の体育、女子のほうはテニスを始めるの。私、テニスやったことないから今度……」

 陽キャのギャルタイプに学級委員長的クールタイプ、はたまた大人しめの妹タイプまでもがオレに黄色い声を送ってくる。特に、昼休みなんてオレが食事を摂る余裕がないほど人が周りに群がって相手をする。
 そんな忙しつつも、高校生活を堪能していたオレに死角なんてない!……なーんて考えていた時期があった。
 
 つくづく悔やまれる。
 オレの唯一の不運──橋立璃世と同じクラス・隣の席にならなければ、この考えはずっと正しかったのに。

「ああ、妬ましい妬ましい妬ましいわ……。どうしてアナタの周りにはそんなに人が集まってくるの?なんで頭もいいの?それでいて運動神経も抜群で……。欠点がない欠点がない……欠点がないの……。それに対して──」

 こんなことを普通にいついかなる時にもつぶやいてくる橋立は正直気味が悪いし恐ろしくてたまらない。こんな嫉妬に駆られている橋立の姿・言葉は、まるで日本の伝承に現れる『橋姫』を思わせる。

 思えば、コイツと深く話したのも橋の上だった。夕日が妙に揺れて見えたときだった。手すりをギュッと強く握っていて、俯きかけの横顔は思い詰めているようで。危なっかしい気配を感じて、慌てて話しかけたっけ。

 まあ、何はともあれこの出来事のおかげでオレの高校生活にはこの橋立璃世の存在を強く意識せざるを得なくなった。

 天が授けた橋立璃世というパンドラの箱と言うべきもの──。

 ……オレの学校生活、これからどうなるんだろうな。
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