荒野の街
翌日、夕刻の荒野にたどり着いたアンカラたちの前に、砂色の街が映る。
サンドラと呼ばれるこの都市は砂岩を用いて建てられた建物が特徴的な街で、広い荒野にぽつんと建っている。
街の名前を記した看板が掛けられたゲートを通り抜け、近くの素泊り宿にチェックイン。
冒険者ギルドが用意した資金から宿泊費を先に支払うと、あてがわれた簡素な部屋に荷物を置く。
「まずは食事だな」
長距離を移動して空いた腹を満たそうと、鉄剣などの最低限の武装をして近くの飲食店に足を運ぶ。
「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」
金髪が特徴の快活な看板娘が二人を出迎える。
空いていた席に座り、料理を注文、十分程して料理が運ばれてくる。
分厚いステーキと肉野菜炒めの二膳の料理。
「肉質は悪くないな」
ステーキを一口食べるなり、アンカラがそう呟く。
「アルシャラで食べた物よりもいいかもしれん、これは何の肉だ?」
「ホワイトカウです」
「ホワイトカウ...ってなんだ?」
店員の答えをオウム返しにするアンカラ。
「確か、白い牛のモンスターですね。
食肉目的で養殖されているとか」
「ペータは物知りだな」
感心しながら、クチャクチャと音を立ててステーキを食べきると、続いて肉野菜炒めにフォークを伸ばす。
アンカラに食事の作法という概念はない。
「この肉はさっきのと違うな」
「それはヴェノムサーペントの肉です。毒はあらかじめ取り除いているので大丈夫です」
「なかなか美味しいな。これも養殖物か?」
「いえ、街の外で駆除したものを調理しました。
戦争で住処を追われたんですかね?
最近、よく見かけるんですよね。
もしかして、あなた方も駆除に?」
「討伐依頼を受けてここに来た」
依頼書を見せながら、アンカラはそう答える。
「領主様直々の依頼ですか…頑張ってくださいね」
店員の応援を受けながら、二人は食事を進める。




