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詩歌集

この海の向こう。



海の向こう、誰かに呼ばれた気がして。


散歩がてら、家から少し離れた海に来た。


風が吹く。


蒸し暑くて少し肌にベタつく潮風。


曇天広がる生憎の鈍色空。


天気のせいで、海も鈍色に染まっていた。


砂浜に降りる。


しゃくっと、草履と砂が触れた音がする。


しゃくしゃくと、草履で砂浜を歩く。


砂が草履に上がってきて、足が砂まみれになる。


そんなことはおかまいなしに。


海の方へと歩み進める。


…しゃくっ。


ちゃぷんっ…


打ち寄せる波に濡れないところ。


足を、止める。


海の向こうから吹く、風。


その風が、私の長い黒髪を撫でるように吹き過ぎる。


この海の向こう。


君の頬を撫でたかもしれない風が、


なんどもなんども私を吹き過ぎる。


その風が吹く方へ。


海の向こうへと、手をのばす。


蒸し暑くて少し肌にベタつく潮風。


指の隙間を風が吹き過ぎる。


打ち寄せる波が、ちゃぷんっと足を少し濡らした、時。





誰かの指が私の指の隙間に触れた気が、して…

















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― 新着の感想 ―
[良い点] 不思議な余韻を残した詩に、浸っております。 当たり前なのですけど、タクト様にはタクト様の、素敵な詩の世界が有るんだと胸に沁みました。 何だか、海に行きたくなりました。 [一言] 素敵な詩を…
[良い点] さわやかな不思議な印象の詩でした。 [一言] 徳田さんらしい詩で、とても素敵でした。 お元気そうでよかったです。
[良い点] 何か呼ばれたのか、誰かが会いに来てくれたのか。 神秘的な中に切なさを帯びた文章が心に響きました。
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