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死神少女の契約者  作者: フレア
最初の旅路
4/4

転生者

この世界に転生した少年は死神 グリムと出会い、強引に契約を結ばされてしまう。


その後、少年はグリムの両親からディールという新たな名を与えられ旅をすることになった。


グリムの両親と別れて数時間、二人は何もない草原を歩いていた。


「そういえば何でリープ?って旅しなくちゃいけないの?」


「それは色々あるんですけどやっぱり修行のためというのが大きいですね」


「修行?」


「はい。私達死神は悪しき魂なんかを刈り取ったりするのが主たる仕事何ですが、如何せんそういう魂の持ち主に限ってとんでもなく強かったりするので…」


「そういうのに負けないように…ってこと?」


「そういうことですね。」


「なるほど…」


「後は冒険中に色んな所で活躍して、名声を上げると今後仕事が増えたりもしますしね」


「ふーん…」


「っていうか流石に何も無さすぎない?」


「まあわざと人気の無いところに里が作られてますから」


「流石に不便じゃない?」


「いえ、基本的に引退した死神達による自給自足が充実してますし、人に近い場所に里を立てると刈った悪人の仲間が復讐に来たりとか、仲間になれだとか言いに来る人だとかとにかく面倒事が多かったらしくて」


「ふーん」


「お婆様の時代の話なので今は分かりませんがとにかく大変だったらしいですよ」


確かに昨晩の夕食も野菜や果物等天然由来の物しか出ていなかったのを思い出す。


「でも後一時間も歩けば人里に出られますよ」



グリムの言葉通りそこからある程度歩くと人の声が聞こえてきた。


「やっと着いたぁ…」


「丁度お昼ですしここで一度休憩していきましょうか」


「一度…ってもしかしてまだ今日何処か行くの!?」


「はい、ここから三時間ほど歩いたところに大きな町があるので」


「明日にしない?」


「しません」


「だよね…」


町にはまさにファンタジーというような石造りの家や店が並んでいた。

武器屋、防具屋などRPGのような店が実際に並んでいるのはやはり違和感が拭えない。


「そういえばディールの装備なんかも整えなきゃいけませんね」


「装備…って僕戦えないけど!?」


前の体ならまだしも新しい体は何故か少年。青年であった体との違いにすら慣れていないにも関わらず戦いなどもってのほかだと切り出す。


「でも転生者なんですから戦えるはずですよ」


「いや転生者ってそんな万能な存在じゃないでしょ」


「あぁそうでした。その辺りまだ説明してませんでしたね」


話しているといつの間にか料理店の前にたどり着いていた。


「食事をしながらそこら辺説明しましょう」






メニューは写真が使われておらず名前しか書いていない。どんな料理か分からないのでとりあえず適当な物を運任せで選択する。


「え?正気ですか?」


「え?」


「あ、いや人にも好みとかありますもんね」


「ちょっと待って怖い」


とはいってもウェイターは既に店の奥。時既に遅しだ。


「まあ。それで転生者についてですが…」


「まず魂の強度。私が貴方と契約した理由ですね」


「無理矢理ね」


「最終的に合意してくれたんですからセーフですよ」


「っと話を戻して…あともう1つ最大の特徴として特殊な能力をもって生まれるんですよ」


「特殊な能力?」


所謂チートと呼ばれるものだろうか


「能力は人によってそれぞれ違うみたいですが記録されてる転生者の方々は皆特別な能力を持っていたそうですよ」


「おぉ…!それで使い方は?」


「知りませんよそんなの」


「え?」


「なんかいざって時に覚醒したりするらしいですよ」


「そんなふんわりした説明ある?」


「そもそも能力自体がふわってした概念ですししょうがないでしょう」


「まあとにかく、貴方も何かしらの特殊な能力がある筈なので戦うための武器は持っていて損はないということですよ」


グリムが話を締め括ると同時に料理が運ばれてくる。


グリムのは何かの肉を使った野菜炒めのような料理。


そしてディールのは謎の草のおひたし


「それ頼む人初めて見ました」


「―――なにこれ?」


「えっと別名ザッソウメシとか呼ばれてる料理ですね」


「昔転生した転生者がふざけてつくった物が定着したとかで、一番最初に目に入った草を引っこ抜いて洗って、毒消しの魔術を掛けてからソースに浸すという料理ですよ」


「それは料理じゃない!!」


ようは幼児がおままごとで作るアレの害を無くして食べられるようにしただけの物である。


というか米一粒も入っていないので飯ですら無い。


「罰ゲームとかでよく頼まれる奴ですね」


しかもしっかり腹が膨れるようそれなりの量が用意されている。


「ではいただきます」


「待って僕これ食べるの?」


「さあ、さっさと食べて先を急ぎましょう」


「ねえ、嘘でしょ?」



賑やかな食卓。しかし、それを見る怪しい影に二人は気づくことが出来なかった。

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