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勇者はモテる?  作者: 春夏冬 彪惺
3/4

3_合流

とりあえず道具屋で服と靴を買って着替えた。

国王様の言う通りお金は払わなくて良かったし、スウェットに靴下の格好でも一瞬だけ変な顔で見られただけで済んだ。

多分、冠(?)を見て、異世界の勇者だって気付いたからだろう。


さて、とりあえず戦士系の人から勧誘に行こう。

場所は・・・騎士団詰め所か。

まぁ確かに鎧着て兜被って剣と盾を持つっていうと、国所属の騎士って感じもするなぁ。

銀色の鎧とか着た金髪とか銀髪でロングの女騎士だったらいいなぁ。


騎士団詰め所に着いて、勇者であることと同行者に会いに来たことを言うと、すぐに連れてきてくれた。


・・・うん。希望通りには行かないよね。

良く考えたら女騎士なんて騎士団の中でも極一部だもんね。

同じぐらいの年のゴツい男の人が来るのが普通だよね。

とりあえず挨拶して、同行してくれるのか確認しておこう。


「どーもー勇者です。魔王討伐にいくんだけど、一緒に来てくれる?」


「あ、ども。一緒に行きまーす!」


軽い感じで戦士(本当は騎士だけど)が仲間になった。


「国王様からの紹介だし、この国で一番強いの?」


「いや、強い方だけど一番なんてとんでもない!」


「え?そうなの?」


「だって一番強い人が旅に出たら、国の防衛力が下がっちゃうから、何かあった時に困るっしょ」


「あ、確かに」


言われてみればその通りだな。

あと、俺のモテ計画のために聞いておかないといけないことがある。


「ちなみに彼女いる?」


「彼女っていうか婚約者がいるよ」


「マヂ?」


「マヂ」


そっかぁ。

ならちょっと安心。でも爆ぜろ!


「俺、魔王討伐したら結婚するんだ」


変なフラグはいらん!


さて、次は僧侶に会いに行こう。

神殿にいるらしいけど、もしかして最初に会った司祭さんかな?

いや、聖女っぽい女性の可能性もある!・・・はず・・・あると思う・・・あるかなぁ。


神殿に着くと見たことない人がいたので、同行してくれる人に話をしにきたことを告げた。


「あ、それ僕です。よろしくお願いします」


同行者は俺と同じぐらいの年っぽい男の人でした。

司祭さんでも聖女でもなかった・・・

分かってたもん!悲しくないし泣いてなんかないもん!

これぐらいでモテモテは諦めないもん!


「もしかして、司祭さんが戦闘では一番役に立つけど、国に何かあった時に困るから君が同行者として指名された感じ?」


「はい。その通りです。良く分かりましたね」


戦士で経験済みですから。

でも、これだけはちゃんと聞いておかないと。


「ちなみに彼女いる?」


「いえ、僕はまだまだ未熟ですから。司祭さんに能力を認めてもらうまではそういうのは考えないようにしています」


なるほど。

でも、それって魔王討伐したら認めてもらえるんじゃね?

となると旅の途中で恋しちゃって、「魔王を倒したら結婚してください」的な流れとか、魔王討伐後の帰り道で恋愛しちゃってとかの可能性があるんじゃね?

それだと俺のモテモテハーレムの可能性が下がる!

というわけで聞いてみた。


「魔王を倒したら司祭さんも能力を認めるんじゃないの?」


「いえ、戦闘に関する能力だけじゃなくて、他にも信仰に関することとか色々あるので、魔王を倒してもすぐには認めてもらえないと思います」


よし!セーフ!


あとは魔法使いか。

魔法使いなのに訪問する場所が肉屋なのはなんでだろう?

まぁ、行ってみれば分かるか。


というわけで、やってきました肉屋さん。

入ってみると綺麗なお姉さんが!


いやいや、今までの流れからして、どうせ奥から男の人が出てきて、その人が同行者なんでしょ。


などと思いながら聞いてみた。


「あの、勇者に同行してくれる魔法使いの人がここにいるって聞いたんですが」


「あ、私です。が・・・」


おぉ!ここに来てやっと念願の女性メンバーが!

ということは一緒に旅するうちにこのお姉さんに惚れられて、街の人やお姫様にも惚れられて、モテモテハーレムに!と妄想していると


「ごめんなさい。私は一緒に行けないの」


と言われてしまった。


「え?」


「見ての通り、今の私はお店があるから旅には出れないの」


マヂっすか・・・

そういえば国王様は「同行するように伝えておる」じゃなくて「同行してほしいことを伝えておる」って言ってたもんなぁ。

強制じゃないってことだもんなぁ。

しょうがないから他の人をあたってみるかと思っていたら、奥から男の人が出てきた。


「行ってきなさい。一刻も早く世界を平和にするには世界一の魔法使いが行った方がいい」


今までと違って世界一キタ!

男の人頑張れ!世界平和と俺のモテモテハーレムの第一歩のために!


「でも、お店だけじゃなくて、あの子のこともあるし」


「大丈夫だ。君がいない間は、僕に店とあの子のことを任せてほしい。今は寂しがるかもしれないが、お母さんは魔王討伐パーティにいたんだよって言えば、あの子も誇りに思う時が来るだろう」


「ありがとう。分かったわ。じゃあ用意してくるわね」


うん・・・

男の人が出てきた時点で、そうじゃないかとは思ったけど考えたくなかったんだよね・・・

しかも子供までいたら、付け入る隙もないじゃないか。


そして魔法使いのお姉さんは準備して出てきた。


「じゃあ、お店とあの子のことよろしくね。あなた」


「うん。安心していってらっしゃい」


というやり取りをして軽くキスをした。


「勇者さん。お待たせ。さっさと魔王を倒しに行きましょう!」


チクショウ!爆ぜろ!という思いを抑えて返事をする。


「はい・・・行きましょう」


何にしてもこれで「ゆせそま」になったし、魔王討伐の旅に出た。

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