第9話:二年前
ちょっと変更したい部分があり変更しました、申し訳ありませんm(__)m
啓太
「…………今日行くんだろ病院?オレもついてっていいか?」
歩きながら啓太がオレを見ながら言ったのでオレはゆっくりと頷いた。
オレと啓太はそのまま無言で歩いて病院に向かう事にした………
もう2年前の事になる、中学三年生だったオレは、小学六年生だった妹の美花をつれて買い物に来ていた。
まぁ実際は入試勉強するのが嫌だったので美花を連れて遊びに来ていただけなのだが………
美花
「次は何を買って貰おうかな」
美花は嬉しそうにオレに奢らせたアイスを舐めながら嫌な事を呟いている、まぁ身内の贔屓目を抜いても美花は可愛い部類に入ると思う、髪はツインテールにして赤いリボンで結んでおり、背丈はそこまで高く無いが…まぁ小学生ならこんなもんだろう。
優一
「そこまでオレも金持ってないからもう奢ら…」
美花
「兄さんが勉強したくない口実に私を誘って買い物に来てるって、今お母さんに言ってもいいの?」
御覧の通り大変良く出来た妹様である。
優一
「まぁ一人でぶらぶらするのも寂しかったしな」
美花
「妹しか誘う人がいないってのもどうかと思うけどね」
呆れたような表情でオレを見ながら言う美花にオレは何も言い返せない、だって啓太は今日は外せない用事があるって言うし、他の奴も勉強するとか勉強するとか…………………
美花
「ごめんごめん、ちゃんと構ってあげるから泣きそうな顔しないでよ」
泣きそうな表情をしているオレを見ると、慌てて苦笑しながら背中をポンポンと叩いてくる美花……………その言い方もちょっと兄さん悲しい……………
そんな訳で美花と町をぶらぶら歩いていると、信号が点滅している交差点でオレは走れば渡れると思って渡りだした、そこに信号を見ていない車が突っ込んできて、オレだけが助かり、美花は事故に巻き込まれた、さいわい残る怪我は無かったが、打ち所が悪かったのか美花の記憶は失われ、さらに喋らなくなってしまった………
オレと啓太が病院にやってくると啓太は、飲み物を買ってくるから先に行っててくれと言い、ジュースを買いに行った。
オレは啓太の気づかいに感謝しながらドアをノックすると病室に入った。
美花
「…………」
美花は無言のまま無表情で開いた扉から入ってきたオレを見ている。
優一
「ごめんな3日も来なくてさ……」
オレは見舞いに来た人用の椅子に座ると苦笑しながら美花を見て言った、医者が言うには後はきっかけ次第で元に戻れるらしい、きっかけがあれば以前のように笑ってくれるって………
この病室に来た時にオレは無力だって感じるんだ……妹一人笑わせてあげられないなんて………………