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第7話:初めてのデート(中編)

優一

「じゃあ何処から行こう?」

オレは普通に歩きながら隣にいる彼女を見ながら言った。

ヤバイよヤバイよ、かなりデートっぽいんじゃないのこれ!?


祐貴

「えっと……確か最初は喫茶店に行くだった……じゃなくて喫茶店に行きたいです」

彼女は思い出すような仕草をしながら言いかけると苦笑しながら言い直した。


優一

「オレも喫茶店に行こうかなって思ってんだ…………あ、ごめんね、気付かなくて」

彼女を見ながら言い喫茶店に行こうとすると彼女が早足で歩いているのに気付いたオレは苦笑しながら速度を落としてから、彼女に手を差し出した。


祐貴

「え?」

彼女は差し出された手を見るときょとんとしてオレを見上げてきた。


優一

「あ〜……土曜日で人が多いしさ、はぐれないようにする為にさ」

ヤバイぐらいに顔がかなり熱いんですけど………


祐貴

「ありがとうございます優一さん」

彼女はそんなオレを見ると、優しく微笑みながら手を握ってくれた。

男の手と違って小さくて柔らかい手を握ると喫茶店に向かった。




〜啓太視点〜  

啓太

「あの変態野郎〜……嬉しそうにしやがって」

優一が上手い事やれるか心配なオレはそのまま尾行を続けていたが……………………上手い事進んでいるとやっぱりムカつくな。

こうなったら明日、リュックを背負ってシャツをズボンの中に入れてパソコンに向かって『〇〇たん萌え〜』って言ってる人の為にも殴りまくってやる。

…………よし、上手い事オレが立てたプラン通りに喫茶店に入ったな、メニューまでは指定しなかったけど……………まぁそこまで馬鹿じゃないし大丈夫だろう、にしてもあの女の子も優一達を尾行しているように見えるけど………




〜美咲視点〜

美咲

「焦れったかったけど何とかいい感じになってきたわね………」

喫茶店に入った二人を見ながら近くのベンチに座り、二人にばれないように監視をする。

でもまだ押しが足りないわね、祐貴って恋愛とかにはかなり疎いから押しまくらないとダメなのよお兄さん!

それにしても気になるのは、あの男の人も祐貴達を追っているみたいだけど……



〜祐貴視点〜

優一さんやっぱり優しいなぁ、私が歩くのあんまり早く無いのに気付いてゆっくり歩いてくれるし、それにはぐれないように手も繋いでくれたし、でも何でさっき赤くなってたんだろう?風邪気味なのかな?


祐貴

「そういえば優一さんはどんなのが好きなんですか?お返しを考えたんですけど優一さんがどんなのを好きかまだ分からなくて………」



〜優一視点〜   

優一

「オレの好きなものか……………特に思いつかないかな……」

メニューを見ているとふいに質問をされて悩んだ、オレの好きなもの…………ゲーム……漫画……映画鑑賞…………色々あるけどコレといって一番好きとかは無いな、うん。


祐貴

「そうなんですか………」

しゅんとしている彼女を見るのは嫌だったのでオレは……


優一

「じゃあ友達になろう、そしてその内お返しを貰うよ、一緒に遊んだりしてると相手の事もよく分かるしね」


祐貴

「………………はい、これからもよろしくお願いしますね優一さん」

一瞬きょとんとした表情をするも直ぐに微笑みながら頷いてくれた。


優一

「この後何処か行きたい所とかあるの?」

店員に紅茶とオレンジジュースを頼むと祐貴ちゃんを見ながら言う、一応オレにも啓太に聞いたプランがあるけど、やっぱり彼女の意見を尊重したいしね。


祐貴

「えっと…………映画を見に行ってみたいんですけど………」

何かを思い出すような仕草をしてから微笑みながら言う彼女。


優一

「映画か……じゃあ飲み終わったら喫茶店に行こうか」

彼女を見ながら言うと、先程の店員が飲み物を運んできて二人の前に置いたので二人でジュースと紅茶を飲み始めた。


優一

「にしても最初は白凰の女の子とこんな普通に会話出来るなんて思ってなかったなー、だってお嬢様って

「私下劣な庶民とは口は聞きませんの!」とかそういう感じのを想像してたんだけど祐貴ちゃんみたいなの子もいるんだね」


祐貴

「確かにお金持ちな子が多いのでお嬢様ってのは合ってますけど、皆普通な人ばっかりですよ?」

オレが物真似しながら言うと彼女はクスクスと笑いながら言ってきた、どうやら大分イメージが違うらしい。


優一

「そうなんだ……そういえばその帽子って何か思い出とかあるの?凄く大切そうだけど……」


祐貴

「お母さんの形見なんです、お母さん私が小さい時に病気で………」


優一

「ごめん、言いにくい事聞いちゃって……」


祐貴

「大丈夫です、ある日病院にお見舞いに行ったらお母さんが小さい私にくれたのがこの帽子、だからとっても大事な帽子なんです…………今では優一さんに助けて貰ったのもあって私の宝物にまでなりました。」

祐貴ちゃんはうつむきながら帽子を胸の所でぎゅっと抱きしめながら言うと微笑みながらオレを見て帽子をかぶり直した。


飲み終わったオレと祐貴ちゃんは喫茶店を後にして映画館に向かう事にした。




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