第6話:初めてのデート(前編)
そして運命のデート当日が来たぜ野郎共!
さっきからニヤニヤが止まらないせいで周りの人が変な物を見るような目で見ていくが今のオレは無敵だぜ!例えるならスー〇ースターをとったマ〇オ並に無敵だぜ!
しかし待ち合わせ時間の30分前は早すぎだろうか?10時に駅前で待ち合わせをして今は9時30分、ちょっと早かったかな…………。
何て思っていると彼女が駆け足でこちらにやってきた。
祐貴
「すいません、一応早めに家は出たんですが……」
息を切らせながら申し訳なさそうな顔をする祐貴ちゃん、彼女は白を基本とした服を着てなんとも可愛らしい格好だ、ちなみに今日もあの時のベレー帽みたいな帽子をかぶっている。
優一
「大丈夫だよ、オレがちょっと早く来過ぎただけだからさ」
オレは微笑みながら息を整えている彼女を見て言った。
彼女が息を整え終わると一緒に歩きだした、オレ等ってはたから見たら恋人に見えるんだろうか?何か悪いね全国の彼女がいない皆さん!
〜啓太視点〜
啓太
「あの変態め、ニヤニヤしやがって………帽子の子がジャ〇子みたいなのだったら指差して笑ってやったのに、あんな可愛い子ならまともなプランじゃなくて変なプラン教えるんだったぜ………」
オレはコンビニで週間少年マガ〇ンを立ち読みしているふりをしながら歩いていく二人を見ながら呟いた、優一が可愛いっていう子を見てやろうと思って後をつけて来たのさ…………
しかしアイツも気がきかねぇ奴だな、ゲームだったら結構経験あるとか言ってたくせに………
土曜日で人も多いんだし、手を繋ぐ所だろうがそこは、見ててイライラするから皆の為にも明日一発殴っておこう。
〜美咲視点〜
美咲
「……………とりあえず待ち合わせは上手い事行ったみたいね、確かに祐貴から聞いた通り優しそうな人ね…………………でも押しが足りないわ、そこは祐貴の手を握って歩くんでしょうが……こうなったら祐貴から繋ぐのよ、今時女の子から繋いでも全然変じゃないわ……」
私は親友の祐貴が心配になりこっそり後をつけてきているのだ、今はコンビニで女性週刊誌を立ち読みしている振りをしながら二人を見ている。
しかし照れ合いながら特に会話もせずに歩いている二人を見ているとイライラするわ。
〜優一視点〜
優一
「……………」
さっきから後ろから凄い視線を感じるんだけど気のせいだよな?
今はそれ所じゃない、こういう時は何を話したらいいんだ?啓太から聞いたプランに女の子と何を話せばいいなんて教えて貰ってないし、しかも相手はお嬢様、変な話題はふれないし…………
とにかく無言はマズイよな、何か話しかけないと………
全国の皆!オレに話題を教えてくれ!
〜祐貴視点〜
祐貴
「……………」
どうしよう、お父さん以外の男の人と二人きりなんて初めてで何を話していいか分からないよ………
優一さんも困ったような顔してるし、やっぱり迷惑だったのかな………
〜優一視点〜
優一
「祐貴ちゃんってさ………け……血液型は何型なの?」
血液型聞いてどうするんだよオレ!意味分かんねぇよ!
祐貴
「A型ですけど……」
ごめんね!きょとんとするのが当たり前だよね!
優一
「そうなんだ……………………」
全国の彼女がいない皆様、先程は偉そうにしてすいませんでした、心よりお詫び申し上げます。
祐貴
「…………………あの……すいませんでした、やっぱりお誘いして迷惑でしたよね?」
悲しそうな表情でしゅんとしながら言う祐貴ちゃんを見てオレは即答した。
優一
「迷惑なんてこれっぽっちも思ってないよ、むしろ誘ってくれてありがとうございますってお礼をしたいくらいに!」
祐貴
「……それじゃあ逆になっちゃいますよ、今日は私がお礼をしないといけないのに」
彼女は微笑みながらオレを見てそう言ってくれた。
やっぱりさ、この子には笑顔が一番似合うって思ったんだ、悲しんだ顔とか寂しそうな顔、落ち込んだ顔とかよりも笑った顔が祐貴ちゃんには一番似合うって。