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第17話:また一緒に

オレが美花に色々な事を話していると祐貴ちゃん達がジュースを持って病室に帰ってきた。


啓太

「まだいたのかよ……」


優一

「帰ってきた一言目がそれ?!ていうか何で嫌そうな顔なんだよ、オレさっさと帰らないといけないのかよ!!」

啓太は椅子に座るとさっそく失礼な事をぬかしやがった。


祐貴

「優一さんのジュースも買ってきましたよ」

微笑みながらオレの隣に座ってジュースを差し出す祐貴ちゃん、啓太に祐貴ちゃんの爪のあかを飲ませたいよ。


優一

「そういえばジュース買いに行ったわりに遅かったね」

オレは缶ジュースを開けると一口飲んで皆を見ながら言った…………って甘!!コレいつもの紅茶じゃないよ!!何なんだよ………



[新カル〇ス〜限りなく原液のままで〜]



優一

「誰だよコレ選んだの?!って聞くまでも無いな、そこのニヤニヤしているお前だろう!」

オレはニヤニヤしてオレを見ている啓太を見ると睨み付けながら叫んだ。


啓太

「オレはただ優一カ〇ピス好きだよって言っただけさ」


祐貴

「優一さんカルピ〇嫌いでしたか?」

啓太が腕を組んで頷いているとオレの隣の祐貴ちゃんがしゅんとしている………つまり祐貴ちゃんが選んだと?


優一

「オレカルピスって大好きなんだよね!」

涙目でしたよ、さすがにこんなの後に残したく無かったので一気に喉に流しこんださ、オレの気持ちを知りたい方は是非カ〇ピス原液をお試し下さい…………


そんな事をしていると病室の扉がノックされ担当の女医さんが入ってきた、たまに思うんだけど女医さんに色々検査されたいと思うのはオレだけかな?


女医

「賑やかなのもいい事だけど周りに迷惑掛けない程度にしなさいよ」

女医さんが苦笑しながら美花の近くにやってきて言った。


優一

「すんません、来世から気をつけます」

オレは苦笑しながら答えると立ち上がった、色々持っているから診察に来たのだろう、いくら兄とはいえ年頃の妹の診察を見学は出来ないからな……………先生、むしろオレが色々診察されたいです。


何て下らない事を考えながら病室を後にしようとすると………




美花

「…………私も………とまた……に出掛け……たい………」




聞こえ無いくらいの小さな声で美花が喋った。

最初は何がどうなったか解らなかった、今までオレを見る事はあっても喋りかける事なんてなかったのに………

優一

「美花………………あぁ、また好きなの買ってやるから……一緒に出掛けような…………」

オレは美花の近寄ると人目も気にせずに美花を抱きしめながら、泣いてしまいそうなのを必死に我慢しながら言った。

その後先生の診察の結果を聞くと、美花は快方に向かっていると言った、もう少しで記憶も恐らく戻り、以前のように戻るだろうと…………

オレはまた美花に会いたかったが面会時間が終了してしまったので啓太達と帰る事にした、美咲ちゃんは寄る所があるとかで啓太と一緒に途中で別れ、オレは祐貴ちゃんと帰る事にし、途中で道沿いにある公園のベンチで座って休憩する事にした……


祐貴

「…………その………美花ちゃんよかったですね」

オレがずっと喋らないのに気を遣ってくれたのか祐貴ちゃんは優しい声音で微笑みながらオレに言った。

オレは頷くしか出来なかった、何か喋ったりすると弾みで泣き出してしまいそうで………




祐貴

「………………私は嬉しい時も泣いていいと思いますよ?」

祐貴ちゃんはそんなオレを察してくれたのか、優しく微笑みながらオレを見ながら言ってくれた。

そんな事言われたらさ、我慢なんか出来ねぇよ………オレは気付くと泣き出してしまっていた、まだ家にも着いてない、ちびっこが普通に遊んでいる公園のベンチで泣き出してしまった………

そんなオレを笑う事もせずに祐貴ちゃんはずっと傍にいてくれた。

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