第13話:彼女の笑顔
優一
「ところで祐貴ちゃん達は何処行くか決まってるの?」
オレはハンバーガーを食べながらジュースを飲んでいる祐貴ちゃんを見て言った、どうでもいい事なんだけどさ、可愛い女の子がジュース飲んでるとストローになりたいって思うのはオレだけかな?
美咲
「全然決まって無いよ、暇を持て余してたくらいだし」
祐貴ちゃんの友達だという美咲ちゃんは微笑みながら答えてきた、白凰学園の生徒のレベルは基本的に高いのだろう、この子も結構可愛いし………………今から教師になるのって……難しいだろうな〜……
優一
「じゃあ一緒に何処か行こうか、オレ等も二人だけじゃ退屈だしな」
啓太
「まぁ見た目は大人、頭は小学生以下の奴の相手を一人でするのは疲れるからな」
優一
「それって名〇偵コナ〇の逆バージョンだよな?!ていうか小学生以下ってなんだよ、オレそこまで馬鹿じゃねえよ!?」
むしろ啓太の相手を一人でする方が疲れるよ。
祐貴
「土屋さんって面白い人なんですね」
祐貴ちゃんは何を勘違いしたのかクスクスと笑いながらオレ等を見て言った。
マックを後にしたオレ等は適当にぶらぶら歩く事にした。
美咲
「そういえばお兄さんって彼女さんとかいるんですか?」
すると美咲ちゃんはニヤニヤしてオレを見ながら言ってきた、やっぱり女の子ってこういう話しが好きなんだろうか?
優一
「いないよ?女の子と遊ぶのは好きだけどね」
オレはとりあえず事実を伝えたさ、嘘は言ってない。
啓太
「コイツに彼女なんて今まで一度もいたこと無いよ」
彼は包み隠さずに個人情報を暴露したよ!誰か弁護士を呼んでくれ!
美咲
「そうなんだ、お兄さん結構もてそうなのに意外だな〜」
驚いた表情でオレを見ながら言う美咲ちゃん、お世辞と分かっているからこそ辛い時ってあるよね……でも気持ちは嬉しいよ………
優一
「と、ところで何処に行く?歩いてるだけじゃ退屈だろ?」
啓太
「頑張って話題そらそうとしてるけど、オレは別にこのままお前の秘密暴露してるだけで楽しいぞ?」
優一
「オレたまにお前が友達かどうか疑いたくなるんだけど、オレ等友達だよな?!」
クスクスと笑っている祐貴ちゃんと美咲ちゃんを置いて、友達だと信じている啓太に問い掛けた。
啓太
「当たり前じゃないか、上下関係きちっとしてる友達だよ」
優一
「そんな爽やかな笑顔で上下関係有りの友達とか言うなよ!?ていうか友達なのに上下関係ってなんだよ!?」
啓太は爽やかに微笑みながら言ってきたので全力でつっこんだ、今まで友達だと思ってたのに!!
啓太
「じゃあ退屈だし、ボーリングでも行くか」
祐貴
「ボーリング?」
優一
「祐貴ちゃんボーリングはやった事無いの?」
オレはきょとんとした表情でオレ等を見ている祐貴ちゃんを見ながら聞いてみた。
祐貴
「はい、ゲームセンターと同じで行った事無いです」
美咲
「祐貴と遊ぶ時はだいたい祐貴の家だしね」
優一
「じゃあ教えてあげるから一緒にやろうか」
祐貴
「はい、よろしくお願いします」
申し訳なさそうにしゅんとする祐貴ちゃんを心配そうに見ている美咲ちゃん。
やっぱり女の子がこんな顔するのは見たく無いのでオレは微笑みながら彼女の頭を撫でた、すると彼女は嬉しそうに微笑んだ、やっぱり祐貴ちゃんには笑顔が一番似合う、そういう事でボーリング場に向かう愉快な仲間達…………オレ等はもちろんこれから起こる惨劇など知るはずもない………