第12話:狙う者と狙われる者
〜美咲視点〜
祐貴
「どうかしたの?いきなり
「今すぐ出掛けるから準備して!」なんて………」
私は急いで祐貴を駅前の本屋さんの前に呼びだした、祐貴は気付いていないがターゲットはきちんと捕捉してある…………この恋のキューピッド美咲様に全て任せておきなさい祐貴!
美咲
「いや〜………暇だったし祐貴と遊びに行こうかなって………」
偶然を装ってターゲットのお兄さんと会う為に私は苦笑しながら適当な事を言った。
祐貴
「そうなんだ、じゃあ何処に行く?」
微笑みながら言う祐貴は相変わらず可愛い、お兄さんにあげるのが正直勿体なくなってきたな………………誤解が無いように言っておくけど私は別に百合趣味じゃないわよ?至ってノーマルなんだから!
そんな事はさておき、どうやって偶然を装って二人に接近するか………
〜啓太視点〜
………アレは昨日優一達を尾行していた怪しい女の子、まぁオレも人の事は言えないけどな、隣の眠そうにあくびしてる馬鹿は気付いてないみたいだけど、それにさっさから怪しい女の子がこっちをチラチラ見てるな…………………なるほどな、大体の事情は分かってきたぞ、オレも少し楽しませて貰おうかな。
啓太
「おいニート、ちょっと喉乾いたからマックでも行こうぜ」
優一
「別にいいよ、オレも腹減ってたしさ…って今普通に反応しちゃったけどニートじゃねぇよ!」
啓太
「じゃあ決まりな」
という事で通りにあったマックに入る事にした。
〜美咲視点〜
お、いい具合にお店に入ったわね………………お店で偶然会って、一緒に行動する………大丈夫、全然不自然じゃないわ!
美咲
「ちょっと喉乾いたわね祐貴?」
祐貴
「私はそうでも無いけど美咲が何か飲みたいなら何処か行く?」
祐貴の性格上他人を優先させるからこうなるのは計算済みよ………何か私ちょっと悪人みたいね………
という事で上手い具合に祐貴を誘う事に成功してお兄さん達の後を追いマックに入る事に成功したわ……
とりあえずジュースとポテトを頼むと席探すふりをしながらお兄さん達に近づいていく事にした。
祐貴
「あ、優一さん」
優一
「あ、祐貴ちゃん達も遊びに来てたんだ」
祐貴
「はい、この子は私の友達で同じ白凰学園中等部二年の神楽 美咲ちゃんっていいます、この人が前に助けてくれた坂井 優一さんだよ美咲」
美咲
「どうも〜祐貴からお兄さんの話は色々聞いてます」
祐貴に紹介されると私は怪しい男の人の隣に座り、祐貴はお兄さんの隣に座る事になった
優一
「よろしくね、コイツはオレの幼なじみで土屋 啓太っていうんだ」
啓太
「どうも、オレも祐貴ちゃんの事はコレから聞いてるよ」
優一
「コレって言うなよコレって!」
祐貴
「よろしくお願いしますね土屋さん」
お兄さんと怪しい男の人……もとい土屋さん、とりあえず掴みは大丈夫そうね………後は二人をいい雰囲気に持っていくだけね、みてなさいよお兄さん!