第二話 異世界とステータス
二話目です。やはり書くのはきついぶん楽しいです。
これからも頑張っていきます
「せいこう・・・成功しましたぞ!!!王女様!!!」
「ええっ!そうですね!!」
えと・・・なんだこの状況。光に包まれたと思ったら、豪華な服を着た女の人と髭がめちゃくちゃに合うお爺さんがぴょんぴょん跳ねてるのだが・・・
「あのう・・・すみませんが、あなた達はだれなんですか?」
林野がそう聞いたら、二人とも気づいた様子で跳ねるのを止めて自己紹介をしてくれた。
「・・・申し遅れました。私は、あなた達を召喚した国の王女のマナ・サンクリットと申します。」
「儂はファンナム教会の長をしておるルーマ・アンドロンと申しますのじゃ。」
「取り敢えずここはどこだと思いますが、私達についてきてもらえますか?」
皆ざわざわしているな・・・そりゃそうだろう光に包まれたと思ったら、見知らぬ場所に来て、見知らぬ人が目の前にいるんだからな。
「わかりました。皆取り敢えず付いていってみよう。」
林野がそう言うと、皆渋々ながらも、ついていく様子をみせた。
それを見て安心したのか王女は、案内を始めた。
案内をされている間にこの世界について簡単な説明を受けた。
この世界はアラーシアという剣と魔法の世界らしい。
この世界にはマナさんたちヒト族や獣人族、あとは他の種族と敵対する魔族という存在がいるらしい。
僕たちがこの世界に連れてこられたのは魔族の王・・・つまり魔王を倒してほしいとの事。
そんな事を説明されていると豪華な扉の前についた。
「ここには、私の父・・・つまりは王がいます。くれぐれも粗相のないようにしてくださいね。」
「勇者さま方が到着されました。」
「うむ、とおせ」
王らしき人がそう言うのが聞こえると扉が開いた。
そこにいたのは如何にも修羅場をくぐり抜けてきたという人だった。
「そなたらがこの世界に来た勇者たちであるか?」
「ええと、そうなりますね。」
みんなの代表として林野が答えた。
「ふむ、そうか。わしの名は、ランガ・サンクリットと言う。よろしく。」
「俺の名前は真奈美林野と言います。この世界で言うと林野真奈美と言います。」
「ふむ、リンヤ殿よろしく頼む。」
「それで、王様僕たちは具体的に何をすれば良いのでしょうか?」
「うむ、先程こちらに来る時、マナから大まかに聞いたであろう。あれとさほど変わらぬが魔王を倒してくれぬか。」
そんな事を林野と王様が話していると、先生が割り込んでいった
「ちょっと待って下さい。「「それはつまり私達に魔族と戦争をしてください。」」と言ってるんですよね。」
「ああ、そうなるな。」
「冗談じゃないですよ!私はこの子達を守る義務があるんです。元の世界に返してください!!」
「それは出来ない」
「何ですか!連れてきたんですからその逆もできるんじゃないんですか?!」
「帰還の魔方陣は魔王の城にあるらしいのだ。私たちは召喚の魔方陣しか持っていないのだ。」
はい~でました。「らしい」宣言。これは最悪ここで暮らす羽目になりそうな予感だな。
「儂らも申し訳ないと思っている。だが儂らが勝つためには、こうするしかないのだ。頼むこの世界を救ってはくれぬだろうか。」
そう言った王様が俺達に向かって頭を下げた。
「皆、聞いてくれ。」
林野はそう言うと皆が自分を見てるのを確かめてから
「俺はこの世界を救いたいと思っている。それに王様に対して文句を言っても仕方ないだろう。王様、魔王の城に帰還の魔方陣があるかもしれないんですよね?」
「あ、ああ・・・そうだが・・・」
「皆聞いた通りだ。だから俺は魔王を倒そうと思っている。それにこの人達が自分達が知らんぷりしたせいでいなくなってしまうのも後味悪いですしね。」
「はあ、お前はそう言うと思ったぜ」
ため息をつきながら紫苑はそう言った。
「紫苑・・・」
「全くこの考えなしどもは・・・しょうがないいっちょやりますか・・・」
「何より異世界来たんだし乗り掛かった舟ってやつかな?」
そう言いながら菜々美と寧々も光輝の隣にきていた。
「菜々美・・・寧々・・」
その後ちらほらと「それもそうだな」、「いっちょ頑張ってみますか」といった感じ皆の空気がまとまっていった。
「皆・・・よし、皆でこの世界を救ってみせるぞー!!!」
「「おおーーー!!!」」
「皆さん・・・本当にありがとうございます。」
「うむ、儂らたちもできる限りのことをしよう。」
「さてそれではステータスの確認からですね。皆さん【ステータスオープン】と唱えてみてください。
「「ステータスオープン」」
そう唱えると俺の前に文字が出てきた。
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ハヤト・ソラカミ 17歳 男 レベル1
体力 50
魔力 50
俊敏 10
筋力 20
耐性 10
ユニークスキル
召喚士・・・このスキルを持っている人は魔獣と契約し、その契約した魔獣を召喚することができる。召喚魔法に成功ボーナスがかかる
スキル
言語理解 召喚魔法
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・・・召喚魔法か。ビミョーだが使いこなしたら強そうなスキルだな・・・しかしこの召喚士というのはなんなんだ?
「皆さんにはユニークスキルというものがあると思います。そのスキルは魔法や剣術などに大幅な補正があったり、それを所持する事でステータスが大幅に強化もしくはそれ単体で凄い技能などを持つことになります。因みに一般的な初期ステータスは殆どの能力が10でたまに15だったりします。」
ふむふむ・・・となると俺はそれなりに強いという事かな?
「さて、それでは皆様ステータスをみせていただますか?因みに【ステータス開示】と唱えると他の人にみせることが出来ます。」
「それじゃあ先ずは僕のからですね。ステータス開示。」
「こ、これは!!」
王女様が驚きの声をあげた。気になったので俺達も見てみると・・・
===============================================リンヤ・マナミ 17歳 男 レベル1
体力 100
魔力 100
俊敏 70
筋力 70
耐性 70
ユニークスキル
勇者・・・ステータスを大幅に強化、この世の何処かにあるとされている聖剣『鈴蘭』を抜くことが出来る。
スキル
言語理解 聖属性 魔法剣 バルムンク
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「すごいです!!流石勇者さまです!!」
「うむ、素晴らしいの」
王女様と王様がそう言う中、俺が気になったことは聖剣『鈴蘭』である。その剣が意味するのは恐らく『優しさ。』
(その剣を手に入れて勝つためにはその優しさを捨てたらダメという事か?意味が分からん)
それもそのはず、この剣と戦いの関係がわからない。戦争はひらたく言えば負の連鎖を生むものだ。だがこの剣につけられた名が花の名前なら俺の推測は当たっているはずだ。この剣は『魔王を討つための剣ではない。この剣は相手を助ける剣だ』
(まあ真意が分からんなこの剣にただつけた名なのか・・・それとも・・・)
取り敢えず光輝がみんなに見せたおかげで他の皆も自分のステータスを見せていった。
因みに俺のユニークスキルはかなり珍しいらしかったらしい。
他には林野の幼馴染のステータスもそれなりだった。なにげ俺が一番驚いたのは転校生の沙月さんのステータスだった。
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サツキ・ミヤギ 17歳 女 レベル1
体力 20
魔力 150
俊敏 10
筋力 10
耐性 10
ユニークスキル
大賢者・・・魔力に補正がかかり、魔法の威力が大幅に強化、更にオリジナル魔法が作りやすくなる。
スキル
言語理解 全属性
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俺は2度観をしてしまった。
(いくらなんでもステータスとんがりすぎるだろ!!)
王女様もひきつった笑顔をしていた。
「ゑ、ええ~皆様取り敢えず今日はお疲れでしょうから、今日はお休みくださいませ。今から侍女に皆様のお部屋に案内させますので気になること等がございましたら部屋にいる侍女にお申し付けくださいませ。それでは皆様また明日。」
そう言うと王女様は自分の部屋へ戻っていった。
そんな感じで俺達の異世界一日目過ぎていった。
ありがとうございます。
次は沙月ちゃん視点になると思います。