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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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お披露目会

「おぉ、ウルトル。待っていたぞ!ほら、お前の席はここだぞ。」


 俺が屋敷の庭に着いたときにはすでにラディさん、レナさんはもちろん。フィーレさん達メイド達皆も屋外に並べられた椅子に座っていた。……おや?クイルもいるじゃないか。あいつも招待されたんだな。

 ラディさんに勧められた俺の席はーっと……おぉう、ラディさんとレナさんの間か。嬉しいっちゃあ嬉しいけど何だか恥ずかしいな。

 椅子に座ると何故かレナさんが俺の頭を撫でた。


「ウルトル、遅くなったけどお仕事お疲れ様。ごめんなさいね、あなたに頼っちゃって。」

「別にいいよ?寧ろ俺に頼ってくれてうれしいよ。」

「そう言ってもらえると助かるわ。ありがとうね。」


 うーむ、こうして撫でられるのは久しぶりだが、中々にいいものだな。俺も男だからな、レナさんほどの美人なら尚更うれしい。

 さて、今回のお披露目会の主役であるユッテだが……見当たらないな。準備でもしているのだろうか?それとも……緊張し過ぎで体調を崩しつつあるかも?だとしたらそれは由々しき事態だ。直ぐにユッテを捜索する必要が――


「ウルトル、ユッテなら大丈夫だぞ。今は衣装合わせをしている時間だ。それにアレイシアがついているからな。」

「あれ?父さん、まるで俺がこれから何をするか分かってるみたいな言い方だね?」

「そりゃあ父さんだからな。っとほら来たぞ!」


 ラディさんの声に反応して正面を向くと、ドレス――ではなくて、青を基調としたローブに身を包んだユッテが立っていた。

 顔が少し赤く染まっていることから緊張しているんだろうなぁ……初めて魔法を使った誕生日と違ってユッテの魔法のお披露目がメインだからな。


「ほ、本日は皆さま私の魔法のお披露目会にお越しいただきありがとうございます!まだまだ稚拙なものかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします!」


 一礼するユッテを観客の拍手が包み、ユッテはぎこちないながらも可愛らしい笑顔を零した。そんなユッテと視線が合った。あ、凄い嬉しそうな顔をしちゃって……緊張が吹き飛んだご様子だ。


「ユッテ様、ご用意が完了しました。」

「ありがとうございます、アレイシア。」


 姿が見えないなと思ったらアレイシアさん準備をしていたのか。ダーツのような的がいくつも建てられている。

 どのような魔法が披露されるのか楽しみだ。


「それではいきます!!――凍てつく弾丸よ、"アイスバレット"!」


 おぉ、ユッテは詠唱型なのか。しかも詠唱通り、氷の弾が凄い勢いで飛び出し的の中心に突き刺さった。……え?突き刺さった?的の中心に当たったことも驚きだが、刺さったな。初級魔法みたいだが、それでも凄い威力だ。


「あらあら、凄いわね。私は子供の時はアイスバレットで貫くなんて出来なかったわねー。」

「流石、レナの子供だ。僕としても鼻が高いよ。」


 2人はユッテの初級魔法1発でご満悦である。まぁ子供の成長は小さいものだとしても嬉しいものだよな。

 レナさんも小さい頃から魔法使えたのか……その頃よりもユッテのアイスバレットは威力は上か。ちょっと末恐ろしいな。


 それから後もユッテの魔法は続いた。

 地面を凍らせる魔法や、氷で鏡を作り出す魔法。そして驚くべきことに――


「清らかな水よ、湧き出でよ。"ウォーター"」


 ユッテは何もないところから撃水を生み出す水魔法まで使いこなして見せた。

 これに関しては俺だけじゃなくて観客皆驚いた……魔法を教えたはずのアレイシアさんまでも。


「ユ、ユッテ様!?どうして水魔法が使えるんですか!?」

「え?アレイシアがいない時、自習って言ったじゃないですか。」

「え、えぇ、はい。確かに自習するようにとフィーレに言伝させましたけど?」

「だから私、書庫で勉強したんです!そしたら水の魔法って本があったから試しに読んでみたら、まだ初級魔法だけですが、使えたんです!」


 あっさりと言ってらっしゃるけどそんな簡単に使えるもののはずがないと思うのだがこれ如何に。レナさんに聞いてみよう。


「母さん、2属性の魔法を使えるのって珍しいの?」

「珍しいかと言われればそうではないわ。中級の魔法を使える者であれば、他の属性を使えることは出来るの。上級者だったら3属性以上扱う人もいるけど……でもユッテの歳で2属性なんて聞いたことは無いわ。」

「ハハハ、こ、これは驚いたな。僕たちの子供は天才なんじゃないのか?」


 だよなぁ、精霊が見え掛けたりあの気配も察知できた。ユッテは普通の子供じゃ考えられないことを今までしてきた気がする。もしかして俺が気づいていないだけでそれ以上の事もやっているのかもしれない。

 今更だが、俺と目が合った時から全く緊張した様子が無く、一度も魔法を失敗していないし。我が姉ながらすんごい誇らしいなぁ……


「それでは次が最後の魔法です!」

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