最初の魔法
「さて、ユッテ様。それでは魔法の訓練を始めましょうか。」
「よろしくお願いします!」
翌日、庭に出て、アレイシアの指導の下、魔法の訓練が始まりました。
が、今庭には、私たち2人だけではなく……いや、ウルトルじゃないのは残念なんですけど
「何でフィーレがいるんですか?魔法、使えないんでしょう?」
「ズバッと言いますね!まぁ使えませんけど……」
ですよね、フィーレが実は魔法が使えるとかそういう嘘をつくような人間じゃ無い筈ですから。
だからこそ、彼女が今ここにいるのが疑問なんですよね。
あとフィーレの頭の上に湿布のようなものが貼ってあるのも気になりますけど。
「彼女にはユッテ様の魔法の的をお願いしたいと思いまして。」
「魔法の的ですか?……危険じゃないですか?」
「大丈夫です。フィーレには基本避ける様に言いつけております。それにユッテ様はまだ初級者ですし、仮に当たったとしても威力は弱めです。見た目に反して彼女は頑丈ですからね。」
「そうですそうです!ユッテ様ガンガン撃ってくれても構いませんよ!」
まぁ、フィーレが良いというのであればいいのかもしれませんが……もし頑丈であるのであれば頭のその湿布は彼女をそこまでさせる何かがあったんでしょうか……あとで聞いてみましょうか。
「それでは早速始めましょうか。まずは魔法の詠唱方法ですが……これは分かりますね?」
「はい。声に出して魔法を唱える型と杖や指で宙に術式を書き込む型ですよね?」
前者の方は確かお母様が使っていたのを見たことがあります。後者は見たことないのですが……
「正解でございます。ユッテ様はレミューリナ様の御息女でありますからね、発声型を主にして魔法の訓練をしましょうね。」
「はいっ!」
私の魔法属性は分かっているつもりです。誕生日の時にみんなの前で使ってみた魔法……と呼ぶには恥ずかしいアレ、後で聞いてみたらあれは私の属性を表に出していただけなんだとか。
あの時、私が発動したのは氷でしたね。
ですから私の魔法属性は氷属性でしょう。……うん、火じゃなくてよかったです!
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「それでは先程教えたとおりに唱えてみましょう。ほら、フィーレ準備なさい?」
「はーい!」
アレイシアの言葉にフィーレはビシッと気をつけの体勢になりました。
とりあえず今の段階では避けないという事でしょうか。うーん、仕方ないことなのですが、まだその程度という事でしょうね。
……ちょっと力を籠めてみましょうか。こう、ふんっとした感じで唱えてみましょう。
「凍てつく弾丸よ、"アイスバレット"!」
「!?」
わっ凄い!本当に氷の弾丸がフィーレに向かって飛んでいきました!
ってあれ?フィーレ何か表情険しくないですか?
「たぁっ!!」
おおー、流石はフィーレです。私の初めての魔法を本当に避けることなく拳で砕いちゃいました。
破片がキラキラと輝いて綺麗ですね。氷魔法は見ても楽しめますから私結構好きなんですよねー
……あれ?フィーレ、手の甲ちょっと凍ってません?
「アレイシアさん、これ……」
「はい、私も確認しましたがこれは……」
ちょ、ちょっとメイド2人?何ですかいきなりこそこそ話し始めて!気になっちゃうじゃないですか!
しかし大分真剣な顔で話し合っていますね。もしかして私の魔法の発動に何かおかしいところがあったんでしょうか。
それとも魔法の適性が無かったとか!?
でもフィーレよりかはありますよね。良かったです。
あ、話し合い終わったみたいですね。アレイシアが近づいてきました。
やっぱり私の魔法がおかしかったんでしょうか、少し緊張してしまいます。
「フィーレ様。」
「えっと、アレイシア?私の魔法……どこかおかしかったですか?」
「いいえ、とんでもございません。寧ろ想像以上……フィーレ様、何か魔法を唱える際、特別なことをしましたか?」
特別なこと?そんな意識をしてやったことなんてありましたっけ?
……あーあれですか。
「ちょっと力を入れてみたくらいですよ?こう、ふんっ!って。」
「え?」
「え?ってそれだけですよ?」
実戦で魔法を使うときってむしろ力込めません?
「力を籠めただけの初めての魔法でフィーレの手を凍らせるなんて……?」
?アレイシア今何か言いましたか?声が小さくてよく聞こえませんでした。




