魔法を教えて
今回はユッテ視点です
「魔法について教えてほしい……ですか?」
「はい!お願いします、アレイシア!」
私はフィーレに魔法を学ぶことを勧められ、早速言われた通りアレイシアに頼みに行きました。
アレイシアはというと、窓掃除をしていたようで雑巾を持ったまま驚いた顔をしています。
「教えるのは構いませんが……ちなみに誰から私の所に来るようにと?」
「フィーレからです!アレイシアが魔法の名手って言っていましたよ」
「……そうですか。」
あら?アレイシアの握る雑巾から水滴がしたたり落ちてますね。
握る力でも強めたのでしょうか。……何故?
「教えることについては構いません。寧ろこちらからお声を掛けようかと思っていました。」
「え、そうなんですか!?」
「はい。今日、旦那様方からそろそろユッテ様に魔法を教えるようにと頼まれたのです。」
お父様たちが!?
まぁ話が早くて助かりますが、タイミングが合いすぎて何かしらの意図を感じます。
お父様辺りにバレちゃいましたか?何にせよ後でお礼を言っておきましょう。
「しかし、まさか頼まれた当日にユッテ様が来られるとは思いませんでしたので、準備がまた整っていないのです。ですから、明日という事でよろしいですか?」
「それは仕方ありませんね。それでは、明日お願いしますね?」
「えぇ、もちろんです。」
本当にタイミングが良かったんですね、ちょっと悪いことをしたかもしれません。
ですがこれで魔法を学んで強くなることができます!!
フィーレに鍛えてもらえないのが少々残念ではありますが、魔法の名手とも呼ばれるアレイシアに教えてもらえるのであれば間違いはないでしょう。
「では、私はこれで失礼しますね。少しフィーレと話しておきたいこともありますから。」
「?分かりました。お仕事お願いしますね。」
フィーレとお話しというにはなんか近寄りがたい雰囲気を醸し出しているのは気のせいでしょうか。
いつも優しいアレイシアからは考えられないほどピリピリしているようにも見えました。
アレイシアの姿が見えなくなって、少し時間が経ったあとフィーレの叫び声が聞こえた気もしますがこれも気のせいでしょう!
ウルトルが言っていました、「時にはスルーも必要なんだ」って!それが今です!
……
ウルトル、ですか。
私の愛らしくも頼もしくどこか大人っぽい、それでいてたまにお馬鹿な私の大好きな弟。
私が強くなりたいと思った大きな理由、それがウルトルです。
フィーレには頼られる存在になりたいと言ってしまいましたが、本心では分かっているんです。
いくら力を付けようと、魔法を覚えようと、私はウルトルに追いつくことは決して無理だと。
子供の私でも王都での一連の出来事でウルトルが普通の子供とは、いえ、人と違うことくらい分かります。
今更ですね。そもそも、出生が木なんですから普通の子供と並べること自体がおかしなことだったんですね。
私は、頼られたいというより――
ウルトルに、褒めてほしいんです。
ふふ、子供っぽいですかね?いいじゃないですか、私まだ6歳なんですもの。
今回短くて申し訳ない。
しかしユッテ大人びた口調がすぎましたね……




