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私の弟

そうだな、ここは少し、俺がウルトルだという証拠を見せてやるかね。

実はこの姿を得てから頭に色々な情報が入り込んできた。

主に俺の事だがな、全部はまだ把握しきれていないが神樹らしく、植物関係の力に長けているみたいだ。


俺はユッテに向かって右の手のひらを差し出す。

「?」

もちろんいきなり手のひらを出されてユッテも首をかしげている。

えーっと確か……俺はあるイメージを浮かべる。すると俺の手のひらが淡い光に包まれる。

光が収まるとそこには赤い一輪の花が存在しており、その花をユッテに差し出してみる。


「はい、誕生日プレゼント。」

花を受け取ったユッテはまじまじと花を観察すると

「え……?こ、この花って"サンライト"の花!?」

と言い出したんだが、まぁ正解だ。俺が生み出したのはユッテの言った通りサンライトの花。

以前ユッテ自身が教えてくれたのだが、何でもすんごい高い標高の山の天辺に咲いているらしい。

そのすんごい山に登るのがとてつもなく大変のため、伝説の花ともいわれているらしい。

どうにも俺は見知った植物を生み出す力を有しているようで、前世の世界の花も作り出すことが出来る。

まぁそんな訳で、伝説と名高いサンライトの花も生成可能というわけだ。


「ああ、ユッテこの花実際に見てみたいって図鑑見せてくれたよな。」

「た、確かにウルトルに話しましたけど……本当に!?」

「だからそう言ってるじゃないか。この問答いい加減飽きたから信じてほしいんだけど。」


しかし見せてくれたのはいいんだけど、その光景が他の人に見られなくて本当によかった……間違いなく痛い子だからな。

俺を本当の家族として接してくれているという意味では嬉しくはあるんだけど。


「ユッテ、その子は本当にウルトルよ?だって木のウルトルと同じ力を感じるもの。」

やっぱりレナさん有能だ。というか俺の力を見抜ける当たりこの人何者なんだろうか?

そしてレナさんの足元でいつの間にか土下座しているラディさんはもう威厳を感じられないな。


「ありがとうございます、レナさん。」

「あら、レナさんなんて他人行儀な呼び方は止めてちょうだい?あなたは私の息子でしょ?」

何とも美しく神々しいほほえみ、この人が神様でもいいんじゃないんですかね。


「ウルトル……私の弟……」

「ユッテ?」

なにやらユッテはぶつぶつと繰り返し呟いているんだけどもしかしてまだ俺の事を信じ切れていないのか?

「ウルトル!」

「うぉ!?」

いきなりユッテが飛びついてきた!?反応が遅れたため、為す術もなく抱き着かれ、勢いそのまま地面に倒れることになる。

「あらあら。」

あらあらじゃないですよレナさん!?


恐る恐るユッテに視線を向ける。現在ユッテは俺に馬乗りの状態だ。

しかもその目は何というか、興奮しているんですか!?よく聞くとハァハァ言ってませんか!?あれ!?何か嫌な予感するんですけど

「あ、あのー?」

「弟……私の……ウルトル!私の弟!私のウルトル!私の!」

あぁうん!?抱き着いてきた!?っていうか何このユッテの昂り様!俺こんな結って見たことないんですけど!

「ユッテ!ちょっと落ち着いて!?起きれないから!俺起きれないから!」

「お姉ちゃんと呼んでくださいウルトル!または姉上でもお姉さまでも構いません!」


ユッテの隠れた本性を垣間見た気がしました。

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