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生まれ変わったら神樹だった  作者:


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後片付け

両手に残る不快な感覚。これをどう表したものか……そうだな。生暖かい内臓を握り潰したような?握りつぶしたことは無いんだけどさ。

ただ直接俺が握ればこの靄は消えるんだな、学んだ。

さて、このエルフ少女だが、うん。

俺は彼女を抱えるとキイの花畑へとワープした。

キイは俺が来ることを察していたようで頭を深く下げた状態で俺を出迎えた。


「お疲れ様です、ウルトル様。見事なお手前でございました。」

「おー。キイお疲れ様ついでに、ほれ受け取って。」


軽い気持ちでキイに投げ渡したのは言うまでもない、エルフ少女だ。

綺麗な放物線を描き、キイの元へと――


「へ?ってわぁっ!?」

「ナイスキャッチ。」


反応が遅れてたら地面にビターンでしたな。流石はキイじゃないですか。


「ななな、何てことするんですか!この子保護するとかじゃないんですか!?」

「え?保護するよ?」

「じゃあ何で投げるんですか!」

「そりゃあれだ、キイを俺が知っている中で最高の精霊だと信用しているからこその行動だよ。俺はお前という存在を誇りに思うよ。」

「え?あぁ……う、あ、ありがとうございます。」


キイはさっきの怒りはどこに行ったのやら、頬を染めエルフ少女を抱えたまま俯いた。

うわ、この精霊チョロいぞ。俺キイ以外の精霊に会ったことないから最高何て単語は意味をなさないんだけどな。


「そ、それでこの子はどうするんです?お屋敷に連れていくのですか?」

「んにゃ、とりあえずここにいさせて。」


屋敷に連れ戻したらそれはそれでラディさん達に問い詰められるだろうからな。

エルフ少女を連れていたヒロルドの事を聞かれたら正直ちょっと面倒くさい。

だからエルフ少女はここで寝かせておくつもりだ。

起きたらこれからどうするか聞かないとな。


「分かりました。それでは私はこの子を見守っておきますね?」

「あぁ、頼むよ。俺は一旦屋敷に戻って朝になったらまた来るから。」

「畏まりました。」



まぁ帰る前にちょっとやらなきゃいけないことがあるんだけどね。

俺が立ち寄ったのは、エルフ少女と遭遇した場所。

別の言い方をすると、ヒロルドと冒険者風の男が死んでいる場所だ。

エルフ少女の力が解かれたことで木々の力も弱まり、貫かれていた彼らの死体も地面に落ちていた。

形は意外にもまだ人間の姿を保っていたが、死んでいるのは間違いないだろう。


しかし一番不幸なのはこの冒険者風の男だよなぁ、ヒロルドに雇われていなかったら死ぬことなんてなかったかもしれないのに。

だからと言ってどうしようもしないけどな。本当に運が悪かったとしか言いようがない。


さて、これらをどうするか。

と言っても俺の中ですでに答えは出ているんだけどな。


まずは地面に大きな穴をあけまーす。

次にヒロルドと冒険者風の男、後ゴブリンの死体もツタで掴んで穴の中に投げ込みまーす。

んでその穴を埋めまーす。

完全に死体が地面に埋まったところで地面の中に根っこを這わせて彼らの死体を――


胴体から腕、頭、足を引きちぎります。

それらを捻り潰します。

ぐっちゅぐちゅにミンチにします。

ここら辺一帯の土とかき混ぜます。


これで出来上がりっと。

地面の上から見ても何の変哲もない、森の地面に見えるな。

これでヒロルド達の死体は綺麗さっぱり消えたな。地面を掘り返してもこれがヒロルドだと決定づける物は一切出てこないだろう。

彼らは栄養となったのだ。この森の、木の、地面に生える苔たちの栄養にな……


……あ、まだあった。

ヒロルド達が乗っていた馬車だ。

少し離れたところに馬車はあったが、残念なことに馬も死んでいた。

喉を突かれたのだろう、倒れた馬のすぐそばに血に染まったツタがあった。


ふむ、少し勿体ないから回収しておこう。

俺の袖に入るのか一瞬懸念したがそれは全くの杞憂だった。

ツタに絡ませ、袖に引き込もうとすると段々と馬車は縮小し、すっぽりと俺の袖の中に入った。

我ながらどうなってるんだこの袖。

あ、馬も回収しておいた。死体だから問題なく俺の袖に入れることが出来た。


馬と言えば……馬刺しだよね!


さて、後片付けも済んだことだし、本体の中で眠るとしますかね。

これからエルフ少女はどうするのか、気になるところだが、まぁ明日分かることだ。

寝よ。



新しい朝が来た。

素晴らしい朝が来た。

今日も美味しい水がおいしい。良い日になりそうだ。


俺は花畑に向かうためにあるものをお土産として持って行くことにした。

ちょっと特別なお土産をな。

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